【昔の手帳から】 １０月１６日

【１９７９年】（浪人）

イディオム終了豫定。

水曜日。
この日、８月３０日から始めたイディオム集の勉強を終へた。

私はもの憶えがさほどよくないので、單語を憶えるのが苦手だつた。
いはゆる關東でいふ「でる單」、關西でいふ「しけ單」は、なんどトライしても最初の１０數ページで挫折してゐた。
文章の中で登場する單語は自然に頭に入るのに、單語集で英語と日本語を繋がうとすると、その無味乾燥さに耐へられなくなる。
最初の數ページに出てくる「prejudice」だの「patriotism」をいまだに憶えているのは、挫折の繰り返しによつてそこだけ何度も讀んだからだらう。
單語を丸暗記することを諦めた私は、駿台の名テキスト「７００選」、「文頻」と「イディオム集」に賭けた。
これらで英語の構文や表現を學ぶと同時に、ここに登場する單語を覺えるといふ一石二鳥を目指したのだつた。
結果から云つて、私のこの作戰は成功したと云へるだらう。



【１９８０年】（１囘生）

エンジンガード取付け

木曜日。
前日、買つたばかりの單車に乘つて鞍馬に行き、そこで單車を倒してしまつた。
私はこれからも何度も倒すことになるのは間違ひないと思つた。
タンクやマフラーに傷がつくのはともかくとしても、エンジンがいかれてしまつては走ることすら出來なくなる。
そこで、私は前日單車を取りに行つた高野中村商會に行つて、エンジンガードを取付けてもらつた。
エンジンガードといふのは、エンジンの外側に取付けてエンジンを守るバーのやうなもので、轉倒しても直接エンジンが道路にぶつかるのを防ぐものである。
單車に慣れてくると轉倒することもなくなつたのだが、このエンジンガード、高速道路などシフトチェンジをする必要がなくブレーキをかける必要もないやうなところでは、フットステップ代はりに使へるスグレモノだつた。
お蔭で、千葉に歸省する片道５００ｋｍオーバーのロングツーリングの時など、足がずゐぶん樂だつた。



【１９８１年】（２囘生）

麻雀 （ヤマムラ、ヨコタ、ヒガシタニ、ヨシカワ） －￥1,100

金曜日。
麻雀をしてゐる。
ヤマムラ、ヨコタは同じアパートの住人で、いつもの面子。
ヒガシタニは同じアパートの住人だが、普段はあまり付き合ひがなかつた。
ヨシカワといふのは、名前は覺えてゐるのだが、誰だか覺えてゐない。
４人の名前があるといふことは、私を入れると５人。
２拔け（２位になつた者が次の半莊は拔ける）だつたのかもしれない。