仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「紫電改のタカ」 (全3卷) ちばてつや

2007-07-28 11:50:49 | 讀書録(コミック)
「紫電改のタカ」 (全3卷) ちばてつや
お薦め度:☆☆☆☆☆ /
2007年7月25日讀了


子供の頃に讀んだ「戰爭もの」の代表作がこれ。
少年マガジンに連載されてゐたのをリアルタイムで讀んでゐたと思ひ込んでゐたのだが、連載開始が1963年、終了が1965年といふことなので、立ち讀みしてゐたとしても最後のはうだけだらう。
それよりは、3つ年上の從兄の家でコミックスで讀んだ可能性が高い。

久しぶりに讀んでみたくなつたので、ヤフオクで落札した。
1987年に講談社から出版された全3卷本。
なんと300圓で落札。
これも神のお導きであらうか・・・

それはさて措き。
30數年ぶりに讀み返してみたが、いまだに讀むに耐へる作品だと思ふ。
主人公の滝城太郎と、自分よりはるかに年下の上司・滝城太郎に對して反感を覺えるベテランパイロットの花田上飛曹の關係は、軍隊と云ふ特殊な組織だけでありうるといふものではない。
子供の頃は單純に主人公の目線で讀んでゐたが、再讀して花田上飛曹の氣持ちもわかるやうになつてゐる自分に氣が付いた。

決して戰爭禮讚の物語でもなければ、薄つぺらな反戰漫畫でもない。
戰爭と云ふ極限状態のなかで、自ら工夫を凝らして新戰法を編みだす主人公の前向きな努力、敵同士のなかでも芽生える友情、戰爭の名目で人を殺さなければならないことへの惱みなど、大人が讀んでも面白い。
特に、この作品に接する機會がなかつたであらう40代前半より若い大人に讀んで貰ひたいと思ふ。

かういふ時代が、私たちの知らない過去に、確實に存在してゐたのだ。


「紫電改のタカ」について (Wikipedia)




紫電改のタカ (1)
ちば てつや
コミックス

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