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著者名 :野澤尚 発行年(西暦) :2004 年
出版社 :講談社文庫 値段 :600-800円
お薦め度 :☆☆☆☆
野澤尚は私にとつて相性の良くない作家だつた。
1997年に江戸川亂歩賞を受賞した『破線のマリス』も良い印象を受けなかつた。
また、先日讀んだ第22囘吉川英治文學新人賞受賞作『深紅』も、好きになれなかつた。
そして、今囘、この『リミット』である。
この『リミット』は江戸川亂歩賞受賞後の第一作なのださうだ。
あまり期待しないで讀み始めたのだが、中盤を過ぎるあたりから、惹き込まれてしまつた。
面白いのである。
こんなことなら、『深紅』を讀む前に讀んでおけば良かつた。
連續幼兒誘拐事件の搜査に携はる婦人警官が主人公。
彼女の子供が誘拐されるに及んで、事件はその樣相を變化させてゆく。
犯人は最初から描かれてゐるのだが、どうやら姿を見せない共犯者がゐるらしい。
しかも、その共犯者は搜査状況を知る立場にあるやうだ。
主人公は自分の子供を取り戻すために、搜査陣を欺き、單獨で犯人を追跡する。
果して主人公は子供を取り戻すことができるか?
そして事件の全貌はいかなるものなのか?
野澤尚の作品のなかでは、お薦め出來る作品だ。
2004年4月29日知床にて讀了
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