お薦め度:☆☆☆☆ /
2006年11月3日読了
この本は1986年に刊行された。
私が古田武彦の「法隆寺の中の九州王朝」といふ本を讀んだのが1988年だつたから、その時點で既にこの本は存在してゐたことになる。
もし、この本を先に讀んでゐたら、私は古田史觀にいまほど興味を持つてゐただらうか?
おそらく、安本美典の語る言葉を信じて、古田史觀を讀んでも眉に唾をつけながら讀むことになり、古代史への興味も持たなかつたかもしれない。
さう考へると、この本に當時出會はなかつたのは、神のお導きだつたともいへやう。
この本を讀むと、古田武彦の論理がいかに證據のないものかがよくわかる。
だからと云つて、それがそのまま古田史觀は間違つてゐると斷言するつもりはない。
ただ、證據不十分といふか、物證がまるでないと云ふか、もしこれが犯罪搜査であれば起訴にはもつて行けないだらうな、と思ふのである。
安本美典の論理はじつに明快だ。
「九州王朝説への反證」といふ章を讀むと、九州王朝説が「妄想城府」であるといふ安本の主張が納得できる。
しかし、それでもなほ「九州王朝説」に惹かれてゐる自分を發見するのは何故なのだらう・・・
<參考>
2006年11月3日読了
この本は1986年に刊行された。
私が古田武彦の「法隆寺の中の九州王朝」といふ本を讀んだのが1988年だつたから、その時點で既にこの本は存在してゐたことになる。
もし、この本を先に讀んでゐたら、私は古田史觀にいまほど興味を持つてゐただらうか?
おそらく、安本美典の語る言葉を信じて、古田史觀を讀んでも眉に唾をつけながら讀むことになり、古代史への興味も持たなかつたかもしれない。
さう考へると、この本に當時出會はなかつたのは、神のお導きだつたともいへやう。
この本を讀むと、古田武彦の論理がいかに證據のないものかがよくわかる。
だからと云つて、それがそのまま古田史觀は間違つてゐると斷言するつもりはない。
ただ、證據不十分といふか、物證がまるでないと云ふか、もしこれが犯罪搜査であれば起訴にはもつて行けないだらうな、と思ふのである。
安本美典の論理はじつに明快だ。
「九州王朝説への反證」といふ章を讀むと、九州王朝説が「妄想城府」であるといふ安本の主張が納得できる。
しかし、それでもなほ「九州王朝説」に惹かれてゐる自分を發見するのは何故なのだらう・・・
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<參考>
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安本理論は古田九州王国説を完膚無きまでやっつけていますね。
九州王朝が701年まで存在したという古田説には?です。
しかし、安本理論にも納得できない部分が大。
両者の誹謗中傷罵詈雑言は、爽快でもあります。
好き嫌いで言えば、古田武彦でしょうか。
安本美典氏の皇国史観寄りの?理論、例えば、神武天皇の非存在を証明できなければ記紀に記述がある以上存在する、というのが正しい。というような主張には????。
両者のバトルは、古代史人気に貢献したとということで、いいのではないでしょうか。
追伸
数年前、知人に「火焔」アテルイを薦められ読んでみました。
当時、古代史に興味なくとも、アテルイに感動しました。