仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「聖徳太子」 (全7卷) 池田理代子

2007-07-28 07:31:22 | 讀書録(コミック)
「聖徳太子」(全7卷) 池田理代子
お薦め度:☆☆☆☆ /
2007年7月24日讀了


聖徳太子を主人公にしたマンガといへば、山岸涼子の「日出処の天子」が有名だ。
學生時代に讀んだが、強烈な印象の作品だつた。
しかし、いはゆる一般的な「聖徳太子のイメージ」のマンガを讀んで見たかつたのでヤフオクで搜して落札した。
ハードカバーの立派な裝丁の本で、各章の扉にはさまざまな佛像の寫眞が載せられてゐる。
これで1300圓は安い!

内容は、期待に違はず、一般的な聖人としてのイメージで描かれた聖徳太子だつた。
それでも、よく時代背景や聖徳太子の思想が描きこまれてゐて、教科書の副讀本にしたいほどの出來榮えだ。
私のこの時代の歴史認識とは少し違ふのは、蘇我氏が既成概念のまま惡人として描かれてゐること。
馬子など、そんなキチャナイ顏に描かなくても良ささうなものだ。
日本書紀を讀むと小柄な男らしいのだが、このマンガではでつぷりと太つたイヤらしい中年オヤヂとして描かれてゐる。
そんな些細なことを別にすれば、複雜な血縁關係や、聖徳太子の妃たちのそれぞれの出自なども判りやすく、萬人向けの作品だといへるだらう。

いまの少年・少女たちは日本の歴史を知らないといふ。
そんな彼らに、ぜひ讀んで貰ひたいと思ふ。
小學校の6年生以上であれば、難しくはないと思はれる。
かういふマンガで歴史を學ぶことも、教科書で年代を丸暗記するよりはよほどマシといふものだ。


聖徳太子 (1)
池田 理代子
中央公論新社

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