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円融寺 釈迦堂 03-3712-2098
圓融寺は、平安時代前期、仁寿3年(853)慈覚大師(円仁)の開基と伝えられる古刹です。
その当時は法服寺と号していましたが、鎌倉時代の弘安6年(1283)日蓮聖人の高弟日源上人により妙光山法華寺と改号し、日蓮宗時代が江戸中期まで続きました。
都区内最古の本造建築物である釈迦堂は、室町時代初期の建立と推定され、重要文化財に指定されています。唐様入母屋造りの屋根が描き出すたおやかな曲線美は、静寂な境内にあって、中世の芳香をそのまま現代に伝えています。
法華寺の寺運が最盛期をむかえたのは、日源上人五重石塔(目黒区指定有形文化財)の建立や梵鐘(飯田善兵衛作・国の重要美術品)が鋳造された寛永年間前後で、当時は3万7千余坪の境内に十八の坊舎を擁し、その末寺は75ケ寺を数え、寺領19石の朱印状を与えられ、将軍の鷹野の折りには、休み所に供されたという程に江戸近郊屈指の名刹となりましたが、法華経信者以外とは布施を受けず、施さずという不受不施派を堅持したため、幕府の忌諱するところとなり、当時の住職は八丈島に遠島を申しつけられました。元禄11年(1698)に天台宗に復帰し、東叡山寛永寺の末寺となり、現在に至っています。
安永から寛政年間(1772~1801)にかけて、当寺の仁王尊が「碑文谷仁王」の名で江戸庶民の尊信を集め賑わいを見せました。その様子は芝全交の「拝寿仁王参」や山東京伝の「碑文谷利生四竹節」などに著わされています。この仁王尊像は永禄2年(1559)扇谷の大蔵法眼の作で、都指定有形文化財に指定されています。また、それと同時代に建立されたと推定される仁王門は目黒区指定文化財として独特の古色を今にとどめています。
法華寺は、天保5年(1834)に現在の山号寺号の経王山圓融寺に改められ、天台宗の教えを広める道場として活動しています。
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