肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

漢方小噺~冬の過ごし方~

2024-11-22 18:13:19 | 漢方小噺

 ようやく冬がやってきました。
 一年が過ぎるのは早いですね。
 漢方小噺として季節の過ごし方をご紹介してきましたが、最後の季節、冬です。

  中国の古い医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」によると、
 冬は「閉蔵(へいぞう)。もろもろのものが門戸を閉ざして閉じこもる季節」だそうです。
 その冬の養生法は次のように記されています。
*夜は早く寝、朝は遅くまで床にあって、日が昇ってから起き、寒気に損なわれないようにする
*気を鎮めて、何かしなければ、と思う気持ちを隠す
*ひそかな心持で、すべてに満足する
*直に寒さに触れないよう、温かくして過ごす
*働きすぎて汗をかいたり、陽気を逃さないようにする

  天の陽気の力も弱くなる冬。心も体も穏やかに過ごす。身体を温める。
 動きすぎて汗をかかないように注意して、体の中の陽気を逃がさないよう。
 陰気を養うように過ごせば、春も元気に迎えることができるそうです。

  とはいえ、師走は、仕事納めや大掃除、迎春準備と心も体もフル回転の時期です。
 だからこそ、8割出来たら大満足。5割できたらヨシ。
 くらいの気持ちで過ごしましょう。

  今年は、夏も秋も暑い日が続き、陽気を使いすぎ、
 エネルギー不足の人が多くみられます。
 冬の間に気を養い、新しい一年を元気に過ごせますように。

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漢方いろは ~ せき の話 ~

2024-10-18 15:49:03 | 漢方いろは
 マイコプラズマ肺炎が流行っているというニュースをみました。
発熱、倦怠感、頭痛、せきなどの症状がみられ、せきは熱が下がった後も長期にわたって続くのが特徴だそうです。

 せきが長引くのは辛いですね。
漢方には、せきをあらわす言葉として 
咳(がい)・嗽(そう)・コウ(口へんに孝)・喘(ぜん)
があります。
咳は、痰がなく、声のあるもの 乾性のせき
嗽は、痰があって、声のないもの 湿性のせき
喘は、呼吸が早くなり、息苦しいもの 咳嗽を伴うことが多い
コウは、喘して声が高く、痰鳴のするもの ゴホゴホゼロゼロいうせき
という感じです。

せきに使われる漢方薬は何種類かあります。

せきが、湿っているか、乾いているか。
痰はあるか、ないか。痰の濃さや色。
せきがはじまった季節はいつか。
せきがでやすい時間はあるか。
どれくらいつづいているのか。
他に気になる症状はないか。
などなど。
「身体のどこのなにが、どうなってこのせきがでているのか。」によって
使われる漢方薬も違ってきます。

最近、なんだか調子が悪い。
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暮らしと健康~肺の弱り~

2024-09-24 18:42:26 | 暮らしと健康

 秋に影響を受けやすい五臓は「肺(はい)」です。
 「肺」は、外気から清気を吸い、体の中の濁気を外に出します。
  外気。
  食事から得た水穀の気。
  生まれたときから備わっている先天の気。
 この3つの気は、肺に蓄えられ、宗気となり、
 呼吸の原動力や全身に気をめぐらす肺気のもとになります。

 気は、体を動かすエネルギーのようなものです。
 気の働きが悪くなったり、流れが滞ると健康を害します。
 
 また、「肺」は、体の表面で、皮膚や毛、鼻に気をめぐらせて、
 ウイルスなどの外邪が入ってこないように防御しています。
 ですから、「肺」の働きがわるくなると風邪をひきやすくなるといわれています。

 「肺」は、乾燥や辛い物のとりすぎ、憂い、悲しみすぎると弱るといわれています。
 「肺」を元気にする食べ物にネギ。稲(米)があります。
 ちょうど、新米の季節ですね。
 炊き立てご飯に刻み葱の味噌和えや鰹節と醤油和えをのせて、ゆっくりかみしめると、
 「肺」も元気になるかもしれませんね。

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漢方小噺 ~秋の過ごし方~

2024-09-13 17:16:33 | 漢方小噺
   もうすぐ秋の彼岸ですね。「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、今年はどうでしょうか?
  お彼岸が過ぎるのを楽しみに待ちたいと思います。
  相変わらず、気温の高い日が続いていますが、夜になれば虫の声が聞こえてきて、
  ススキや萩など秋の花もちらほら姿を現してくれています。
  季節は確実に進んでいますね。

   中国の古い医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」によると
  秋は
   「容平(ようへい)。
     天地の気が引き締まって澄んでくるように、すべてのものの形が定まる季節」
  だそうです。
  
  その秋の養生法は次のように記されています。
   *鶏のように早く寝て早く起きる
   *志を安らかにし、やりたくてもできなかったあれこれを悔やまず、心をゆったりとさせる。
   *やり残したことをやり遂げようと、あちこち動き回らず、心を落ち着かせる。
   *冷えを受けて「肺」を冷やさないようにする。

   一年の終わりが見えてくる秋。
  やり残したことがあれこれ気になる方も多いでしょうが、落ち着いて日々を過ごしましょう。
  そうすると 冬に風邪をこじらせたり、冷えて困るようなことが起こらないそうです。
 
   とはいえ、秋じゃなくてもあれこれとやるべきことが多く、落ち着いてなんかいられない!
  という方もみえますよね。 
   多少バタバタしても、くよくよ嘆かなければ良いと思います。
   「悲」は「肺」を痛めます。
   忙しく動き回った日は、後悔や反省は横に置いて。
   寝る前に少しでも、心を落ち着かせる時間が持てるといいですね。
  
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薬食同源 ~牛黄(ごおう)~

2024-08-23 17:59:47 | 薬食同源
牛黄は、牛の胆のうにできた結石、つまり胆石です。
「日本薬局方」にも収載されている生薬です。

食材として用いることはまずないので、「薬食同源」と言ってよいのか迷いますが。
生薬のお話としてご紹介します。

少し話がそれますが、「生薬」と聞くと
草や木、種など植物由来というイメージを持たれる方もありますが。
植物だけでなく、鉱物、動物に由来するものも多くあります。

牛黄には、停滞して流れにくくなった物を他に押し流す作用があり、
体の中にこもった熱を取り除く。
気血のつまりを取り除き、流れを良くするといわれています。

「神農本草経(しんのうほうんぞうきょう)」を紐解くと
牛黄は
急に何かに驚いてひっくり返る「驚癇(きょうかん)」
悪寒と発熱を伴う「寒熱(かんねつ)」
異常な発熱のために狂ったようになり、けいれんを起こす
という病に効く
また、邪気を取り除き、鬼気を追い払う作用がある
と書いてあります。
命に係わるような重篤な状態の時に用いていたのではないかと想像します。
それだけ、貴重な生薬だったのでしょう。

現代では、動悸による不安感の鎮静、疲労回復、滋養強壮を目的に色々な製品に配合されています。
特に、栄養ドリンクに多いですね。
今年の夏は大変暑いので、疲労回復にと牛黄製剤を手にされる方も多いのではないでしょうか?
そんな時に、牛黄にまつわる駄文を思い出していただければ幸いです。

最近、なんだか調子が悪い。
「どこも悪くないですよ。」「様子を見ましょう。」と言われたけれど…
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詳しくはホームページから ⇒ https://hiroekanpo.co.jp/


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