肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

健康談義 ~冷え症~

2025-01-30 18:23:13 | 健康談義

 冷えは万病の元という通り、様々な体の不調の原因となります。
水も冷えると固まり、氷になるように、
人の体の中でも冷えると「血、水」の巡りが悪くなり、痛みなどを起こします。

冷えの原因は。

・熱が上手に作れない。
 生活習慣の乱れで、食事をとらない。
 胃腸の調子が悪く、食事がとれない。
 加齢や運動不足による筋肉量の低下などが要因と言われています。
 まずは、胃腸を整える。バランスの良い食事、筋トレや適度な運動を心がけましょう。

・温度調節が上手にできない。
 健康な人は、気温の変化に合わせて適切に体温を調節することができます。
 ところが、気を使いすぎる、ストレスを上手く発散できないなどが要因となり、
 温度調節が難しくなる場合があります。
 暑さ寒さに弱い人は、意識してリラックスする時間を持ってみてください。

・熱が逃げてしまう。
 皮膚の防衛力が弱くなると、寒邪が入りやすく、熱が逃げやすくなります。
 防衛力を高めるのはもちろんのこと、
 冬に外気に触れやすい、頭、首、手首、足首を冷やさないようにしましょう。
 温めすぎて汗をかくとかえってよくありません。
 程よい防寒対策を心がけてください。

 冷え性を改善する漢方薬は、
 冷えを起こしている原因と体のどこが冷えるのかなどによって変わってきます。
 気になる方は、一度ご相談ください。
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漢方小噺~2025年はどんな年?~

2025-01-09 14:48:51 | 漢方小噺

 新年あけましておめでとうございます。
 今年も生活に根差した漢方の世界をご紹介していきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いします。

 昨年は、甲辰(きのえたつ)で、社会の動きも平穏、万物は順調に成長し、繫栄する。
雨が多く、湿った年になる。とお伝えしましたが。
地球規模でみれば、雨による被害は多く、戦渦の広がりなど平穏からは程遠い年でしたね。
ただ、個人的には平穏な一年だったように思います。
皆様には、どんな年でしたか?

 2025年は、乙巳(きのとみ)。
中国の古い医学書「黄帝内径 運気篇」によると
厥陰司天・金運不及・少陽在泉です。
この年は、万物がことごとく繁茂する成長の年だそうです。
気候は、暑さが厳しい一方、急に冷えて雹や霜の降りることがあるようで、
秋の訪れが遅く、冬は厳寒となるそうです。
金運不及のため、肺を傷めやすいとされています。
花粉症のひどい方や呼吸器系が弱い方は早めのケアをお勧めします。

 この「運気篇」は、天気の変化を
5,6,10,12,30,60年のリズムで統計を取って規律を見つけ、記した書物だそうです。その出典には諸説あります。
2000年以上も昔の話なので、現代にあてはめるには無理がありますが、先人の知恵と思考をたどるのも面白いと思いご紹介しました。
参照 「意訳黄帝内経運気」小木戸丈夫+浜田善利共著、築地書館
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漢方小噺~お正月の風習 2~

2024-12-26 21:30:11 | 漢方小噺
あっという間に年の瀬です。
漢方専門薬局がお勧めする、お正月に取り入れたい風習
お屠蘇に続いて、初風呂です。
初湯とも若湯とも言い、季語にもなっているそうです。

初風呂とは、新年初めて入るお風呂のことです。
今は、多くの人がほぼ毎日お風呂に入りますが、
江戸時代には、元旦は「福を流して洗ってしまわないように」お風呂に入らず、
正月二日のお昼に初湯に入ったそうです。
地域によっては今もその風習を守っているところもあるようです。

元旦は、人だけでなく、道具も休ませる大切な日。
毎日使う、場所や道具にはそれぞれを司る神様がいると考え、
元旦はその神様に感謝をし、休息していただく日とされていました。

初風呂に薬草を入れ、身を清め新年の無病息災を祈願してみませんか?
ヨモギや松葉など、香りもよく体を温めてくれる薬草がお勧めです。

それでは、良い年をお迎えください。

参考 ちょっと江戸知識 コラム江戸

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漢方小噺~お正月の風習~

2024-12-12 18:47:38 | 漢方小噺
師走ですね。街には、お正月商品が並んでいます。
少し早い気もしますが、
漢方専門薬局が選ぶ、お正月に取り入れたい風習を2つご紹介します。

ひとつめが 「お屠蘇(とそ)」

これは絶対、外せません。我が家では、毎年欠かさずいただいています。

一家の健康と長寿を願い、
元旦から三ヶ日の間は、年の若い人から順にお屠蘇をいただきます。

その由来は、諸説ありますが、
漢の名医 華佗(かだ) が発明し、日本には、平安時代に伝わったとされています。
邪気を屠り絶やし、人の根気を蘇生せしめるというので、屠蘇と命名したそうです。

今に伝わる屠蘇散の処方はいくつかあるようですが、
基本は、山椒、陳皮、桂皮、山帰来、白朮、防風、桔梗を合わせたもので、
とても良い香りがします。

作り方は簡単。
屠蘇散 一袋をみりんまたは清酒 三合~五合に浸け、一晩おきます。

お好みでみりんと清酒を合わせたり、白ワインをつかってもよいそうです。
みりんをお鍋にいれて1分くらい沸騰させたものに浸ければ、お子さんやアルコールが苦手な方もいただけます。

我が家はみな、アルコールが苦手なので、煮切みりんを使った、甘いお屠蘇派です。
盃を口元に寄せると、芳しい香りがして、何とも言えない幸せな気持ちになります。

ぜひ、お試しください。

ふたつめは 「初風呂」
  こちらは次回に。
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暮らしと健康~腎の弱り~

2024-12-07 14:01:09 | 暮らしと健康

 冬に影響を受けやすい五臓は「腎(じん)」です。
「腎」は、人の成長、発育、生殖の源となる「精」を貯え、
五臓六腑に「精」を送る働きをします。
命に係わる機能を持つので、「命門(めいもん)」とも呼ばれます。

 また、「腎」は体の中の「水(すい)」の働きを調整します。
「水」は体を適度に潤すだけでなく、「気」や「血」の流れや働きを調整します。

「腎」が弱ると老化に似た症状、
骨がもろくなる、耳が遠くなる、抜け毛や白髪が増える、
おしっこが近くなる、物忘れがひどくなる。などが出るといわれています。

 「腎」は、寒さや塩辛い物のとりすぎ、
物事を恐れたり、おびえたりしすぎると弱るといわれています。

 「腎」を元気にする食べ物に、栗、大豆、豚があります。
先日、お客様に教えてもらった「豚納豆丼」をご紹介します。
豚ひき肉をフライパンで炒め、
火が通ったら納豆と添付の調味料を入れ、
しばらく炒めて小口ネギを散らして完成。

そのままご飯の上に乗せれば、洗い物も少なくて済みます。
おいしかったですよ。
暮れの気ぜわしい日の食卓に、簡単・時短・安価で、
腎を補うメニューです。お試しください。
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