本のご紹介です。
【心の力の秘密】
Secrets of inner Power
著:R.E.デーヴィス
共訳:谷口雅春 伊藤正
冒頭
人間の「心」は驚くべき力をもっている。
もし、人間が自己の真の願いを知り、
切実にそれを願うならば、それはきっと成就するのである。
人間の運命や環境は、すべて人間自身の心が創るのである。
本書は、このような偉大な力をもつ人間がいかにすれば、
思いのままに自己の願望を実現できるかについて詳しく解明している。
☆**~☆**~☆**~☆**~☆**~
第五章
苦しい過去の体験の記憶を浄めるには
(以下抜粋)
われわれの感情が心底に鬱結する原因の一つは、
われわれが不正であると信ずるものに対して
自分の心が反応を起こすというところにある
ということがわかるのである。
誰か自分より偉いものが何かの形で
自分を利用したり、悪く待遇したりした場合、
われわれは、しばしばぬぐい難い傷をこうむるものなのである。
そのような場合はわれわれは仕返しをすることが
できぬので、その人に恨みを抱くようになるのである。
そしてわれわれは、してやられたと感じ、
そして、苦い思いをするのである。
しかしわれわれが悪感情を抱き、それに心に
いつまでも留めておいても事態の解決に何の
役にも立たぬことをまた知ることができるのである。
そして、もしわれわれが充分なる信念をもつならば、
われわれは現象的な不正行為を乗り越えて、
心を惑わさずに所期の計画を推し進めることができるのである。
もしわれわれは迫害をうけたと感ずるならば、
そうした被害感情から解脱せねばならぬのである。
そのような場合、
われわれの常識的な見解などというものは
そうした被害感情を断ち切るのに足りるだけの力はないのである。
われわれは自分の心を浄めるためには、
常識以上のことをせねばならぬのである。
この常識以上のことというのは、
苦しい記憶を修正常化することなのである。
われわれの記憶はエネルギーをもつ心象として
潜在意識に記憶されているのである。
特に烈しく感情が興奮したときの記憶の経験についてはそうである。
われわれは自分の体験記憶を全て心から
抹消してしまうことが本当に必要かというと、
そんな必要は毛頭ないのである。
しかしわれわれは自分の記憶にまつわる
心の傷をぬぐい去ることができるのである。
こうしてわれわれは、過去の自分の経験を客観的に正視し、
それを現在並びに未来の計画と関連させることができるのである。
心の傷を抹消する最も容易なる方法は、
全心身の緊張をほぐして、過去を正視し、
そして心よりそれを放ち去るのである。
これがあなたにできなければ、次に述べる
記憶修正の技法を実修するがよいのである。
記憶の修正
あなたは何かに修正を施すとき、
その対象物を変化するか、改修するかするのである。
このような修正を、あなたは苛辣(からつ)な
過去の記憶に対して行うべきなのである。
過去をして過去たらしめよ。
あなたは自分の過去の辛い記憶の傷にしがみついて
それを現在の生活にまで持ち込むべき理由は全くないのである。
まず第一に、あなたは自分が逃れたいと欲している
過去の苦痛に意識して直面することである。
その場合あなたには殉教者的役割を
演ずべき根強い必要性は少しもなく、
又あなたの生存を正常化するために苦しみを
経験しなければならぬ必要があるなどということは
少しもないことを確信すべきである。
それから静謐(せいひつ)な場所に退き、
あなたが創造的想像力を駆使する技法を実修するときのように、
思う存分心身の緊張をときほぐし、
安祥(あんじょう)の心境に入るのである。
そして心の中であなたが経験した精神的衝撃や
あなたが人に拒絶されたり、
人の不正な行為を見たときの経験を
まじまじと心の眼に憶(おも)い起こす。
そしてそのような辛い体験をした時の苦痛を実感する。
そしてそ苦しみから逃れようとしてはならぬのである。
あなたが自分の過去の苦痛から真に離脱するためには
あなたは逃避せずにそれに直面しなければならぬのである。
ここまで心の準備が出来たら、
あなたは記憶を修正するための二つの技法のうちの
一つを実修することができる。
すなわちあなたは実際に過去において
事物が起こった通りにではなく、
あなたが欲した通りに事物がすでに展開せる場面を
全感情を働かせて心の中で再演するのである。
このようにして数回にわたり、過去の出来事を
理想的な姿で心の中で実感をもって再演すれば
瞑想のための半意識状態から覚めて、
新たに自分の過去を振り返ってみると、
以前にまつわりついていたような
感情の反応がなくなっているのである。
かくしてあなたは心の解脱を得るのである。
この記憶の修正法を実修すれば、あなたは
人に対する敵意の感情を心から棄て去ることができて
自分のもてる全精力を駆使して前進することができるのである。
これに反してあなたが過去の苦痛の記憶を
潜在意識に彫りつけるならば、あなたは文字通り
過去の重荷を背負って打ちくじかれることになり
そしてこの過重のストレスはあなたの心の
自由な表現を妨げることになるのである。
あなたが前述の記憶の修正法で心の重荷を一切とり去るとき
あなたは莫大なる精力の備蓄が解放され
思いのままにこのエネルギーを使用できることを知るであろう。
さて、今一つの記憶の修正法は、あなたは
前述のものより容易であると思われるかも知れぬが
これは次のような順序で実修する。
あなたが静かなる場所にしりぞき、自分がこうむった
心の衝撃の苦しい記憶を全て思い出して
それに直面するところまで心の準備ができたら、
ひたすら心の傷を正視しながら、
ゆっくりと深呼吸をするのである。
深く深く……数回……呼吸する……
その間、過去の記憶を心に再現して
その苦痛を実感するのである。
こうすれば感情の抑圧(よくあつ)が
記憶の座から放出されるので
あなたは過去の出来事を正視する場合、
単にそれを体験として心に記憶し、
あとは心より放ち去ることができるのである。
それは何故であろうか。
それは人間が生存に直接に関係ある機能を
果たすことを好むということと関係する。
われわれが食物を摂取するとき、恋愛をするとき
生活環境が安全であるとき、呼吸をするとき…等に
われわれの肉体が悦びを覚えるのは
肉体をもつこの性質のためである。
特に呼吸は肉体にとって非常に重要であるので、
肉体の生存のために第一義務的価値となるのである。
それ故あなたが肉体を試験台に置いて
重要なる生理作用を果たすことと、
苦痛を経験することとの二者のうち、
一者を選ばずにはおられないような状況に置くならば
肉体は必ず重要な生理作用を営む方を選ぶのである。
それ故あなたはそのまま規則正しく
数分間深呼吸するのである。
そうすると必ずあなたは苦痛の感情的鬱結が
放出されはじめることが分かるであろう
(省略)
現在を生きて過去を抹消せよ
あなたは自分自身の過去の回想の中に
生きるままに放置するとき、あなたは自分自身を
「時の制約に縛りつけている」ことになるのである。
そしてこれは大いなる人生の浪費となる。
あなたは周囲を見渡して人生に興味をもつようにしなければならぬのである。
そして何らかの価値ある活動に積極的に関与し始めるがよい。
あなたの感情、想念、行動を統率して自分の理想と一致させるようにするがよい。
あなたがこのような努力をするとき、
自分の全存在が正しい方向に向いて
働いていることになるのである。
そしてあなたは素晴らしい未来を信じて
“今”を生きていることになるのである。
このような状態が健康的なのである。
著者紹介
ロイ・ユージン・デーヴィス
(Roy Eugene Davis)
1931年アメリカ・オハイオ州生まれ。
哲学者、宗教家。十八歳でヨガの指導者
パラマハンサ・ヨガナンダに師事して
霊的修行を積み、その後ユニティ、
リリジアス・サイエンス、ディヴァイン・サイエンス
その他のニューソート派のいわゆる
光明思想を学び、依頼今日まで多くの人に
霊的目覚めを与えるべく、講演、著述に活動中。
日本にも二度来日し、聴衆に多大な感銘を与えた。
著書は本書のほか多数あり、世界五ヵ国語に訳されている。
☆**~☆**~☆**~☆**~☆**~
本:【心の力の秘密】
著:R.E.デーヴィス
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【心の力の秘密】
Secrets of inner Power
著:R.E.デーヴィス
共訳:谷口雅春 伊藤正
冒頭
人間の「心」は驚くべき力をもっている。
もし、人間が自己の真の願いを知り、
切実にそれを願うならば、それはきっと成就するのである。
人間の運命や環境は、すべて人間自身の心が創るのである。
本書は、このような偉大な力をもつ人間がいかにすれば、
思いのままに自己の願望を実現できるかについて詳しく解明している。
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第五章
苦しい過去の体験の記憶を浄めるには
(以下抜粋)
われわれの感情が心底に鬱結する原因の一つは、
われわれが不正であると信ずるものに対して
自分の心が反応を起こすというところにある
ということがわかるのである。
誰か自分より偉いものが何かの形で
自分を利用したり、悪く待遇したりした場合、
われわれは、しばしばぬぐい難い傷をこうむるものなのである。
そのような場合はわれわれは仕返しをすることが
できぬので、その人に恨みを抱くようになるのである。
そしてわれわれは、してやられたと感じ、
そして、苦い思いをするのである。
しかしわれわれが悪感情を抱き、それに心に
いつまでも留めておいても事態の解決に何の
役にも立たぬことをまた知ることができるのである。
そして、もしわれわれが充分なる信念をもつならば、
われわれは現象的な不正行為を乗り越えて、
心を惑わさずに所期の計画を推し進めることができるのである。
もしわれわれは迫害をうけたと感ずるならば、
そうした被害感情から解脱せねばならぬのである。
そのような場合、
われわれの常識的な見解などというものは
そうした被害感情を断ち切るのに足りるだけの力はないのである。
われわれは自分の心を浄めるためには、
常識以上のことをせねばならぬのである。
この常識以上のことというのは、
苦しい記憶を修正常化することなのである。
われわれの記憶はエネルギーをもつ心象として
潜在意識に記憶されているのである。
特に烈しく感情が興奮したときの記憶の経験についてはそうである。
われわれは自分の体験記憶を全て心から
抹消してしまうことが本当に必要かというと、
そんな必要は毛頭ないのである。
しかしわれわれは自分の記憶にまつわる
心の傷をぬぐい去ることができるのである。
こうしてわれわれは、過去の自分の経験を客観的に正視し、
それを現在並びに未来の計画と関連させることができるのである。
心の傷を抹消する最も容易なる方法は、
全心身の緊張をほぐして、過去を正視し、
そして心よりそれを放ち去るのである。
これがあなたにできなければ、次に述べる
記憶修正の技法を実修するがよいのである。
記憶の修正
あなたは何かに修正を施すとき、
その対象物を変化するか、改修するかするのである。
このような修正を、あなたは苛辣(からつ)な
過去の記憶に対して行うべきなのである。
過去をして過去たらしめよ。
あなたは自分の過去の辛い記憶の傷にしがみついて
それを現在の生活にまで持ち込むべき理由は全くないのである。
まず第一に、あなたは自分が逃れたいと欲している
過去の苦痛に意識して直面することである。
その場合あなたには殉教者的役割を
演ずべき根強い必要性は少しもなく、
又あなたの生存を正常化するために苦しみを
経験しなければならぬ必要があるなどということは
少しもないことを確信すべきである。
それから静謐(せいひつ)な場所に退き、
あなたが創造的想像力を駆使する技法を実修するときのように、
思う存分心身の緊張をときほぐし、
安祥(あんじょう)の心境に入るのである。
そして心の中であなたが経験した精神的衝撃や
あなたが人に拒絶されたり、
人の不正な行為を見たときの経験を
まじまじと心の眼に憶(おも)い起こす。
そしてそのような辛い体験をした時の苦痛を実感する。
そしてそ苦しみから逃れようとしてはならぬのである。
あなたが自分の過去の苦痛から真に離脱するためには
あなたは逃避せずにそれに直面しなければならぬのである。
ここまで心の準備が出来たら、
あなたは記憶を修正するための二つの技法のうちの
一つを実修することができる。
すなわちあなたは実際に過去において
事物が起こった通りにではなく、
あなたが欲した通りに事物がすでに展開せる場面を
全感情を働かせて心の中で再演するのである。
このようにして数回にわたり、過去の出来事を
理想的な姿で心の中で実感をもって再演すれば
瞑想のための半意識状態から覚めて、
新たに自分の過去を振り返ってみると、
以前にまつわりついていたような
感情の反応がなくなっているのである。
かくしてあなたは心の解脱を得るのである。
この記憶の修正法を実修すれば、あなたは
人に対する敵意の感情を心から棄て去ることができて
自分のもてる全精力を駆使して前進することができるのである。
これに反してあなたが過去の苦痛の記憶を
潜在意識に彫りつけるならば、あなたは文字通り
過去の重荷を背負って打ちくじかれることになり
そしてこの過重のストレスはあなたの心の
自由な表現を妨げることになるのである。
あなたが前述の記憶の修正法で心の重荷を一切とり去るとき
あなたは莫大なる精力の備蓄が解放され
思いのままにこのエネルギーを使用できることを知るであろう。
さて、今一つの記憶の修正法は、あなたは
前述のものより容易であると思われるかも知れぬが
これは次のような順序で実修する。
あなたが静かなる場所にしりぞき、自分がこうむった
心の衝撃の苦しい記憶を全て思い出して
それに直面するところまで心の準備ができたら、
ひたすら心の傷を正視しながら、
ゆっくりと深呼吸をするのである。
深く深く……数回……呼吸する……
その間、過去の記憶を心に再現して
その苦痛を実感するのである。
こうすれば感情の抑圧(よくあつ)が
記憶の座から放出されるので
あなたは過去の出来事を正視する場合、
単にそれを体験として心に記憶し、
あとは心より放ち去ることができるのである。
それは何故であろうか。
それは人間が生存に直接に関係ある機能を
果たすことを好むということと関係する。
われわれが食物を摂取するとき、恋愛をするとき
生活環境が安全であるとき、呼吸をするとき…等に
われわれの肉体が悦びを覚えるのは
肉体をもつこの性質のためである。
特に呼吸は肉体にとって非常に重要であるので、
肉体の生存のために第一義務的価値となるのである。
それ故あなたが肉体を試験台に置いて
重要なる生理作用を果たすことと、
苦痛を経験することとの二者のうち、
一者を選ばずにはおられないような状況に置くならば
肉体は必ず重要な生理作用を営む方を選ぶのである。
それ故あなたはそのまま規則正しく
数分間深呼吸するのである。
そうすると必ずあなたは苦痛の感情的鬱結が
放出されはじめることが分かるであろう
(省略)
現在を生きて過去を抹消せよ
あなたは自分自身の過去の回想の中に
生きるままに放置するとき、あなたは自分自身を
「時の制約に縛りつけている」ことになるのである。
そしてこれは大いなる人生の浪費となる。
あなたは周囲を見渡して人生に興味をもつようにしなければならぬのである。
そして何らかの価値ある活動に積極的に関与し始めるがよい。
あなたの感情、想念、行動を統率して自分の理想と一致させるようにするがよい。
あなたがこのような努力をするとき、
自分の全存在が正しい方向に向いて
働いていることになるのである。
そしてあなたは素晴らしい未来を信じて
“今”を生きていることになるのである。
このような状態が健康的なのである。
著者紹介
ロイ・ユージン・デーヴィス
(Roy Eugene Davis)
1931年アメリカ・オハイオ州生まれ。
哲学者、宗教家。十八歳でヨガの指導者
パラマハンサ・ヨガナンダに師事して
霊的修行を積み、その後ユニティ、
リリジアス・サイエンス、ディヴァイン・サイエンス
その他のニューソート派のいわゆる
光明思想を学び、依頼今日まで多くの人に
霊的目覚めを与えるべく、講演、著述に活動中。
日本にも二度来日し、聴衆に多大な感銘を与えた。
著書は本書のほか多数あり、世界五ヵ国語に訳されている。
☆**~☆**~☆**~☆**~☆**~
本:【心の力の秘密】
著:R.E.デーヴィス
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