杉森神社の物語(令和編)東広島市河内町~癒しの風景

田舎で0から宮司をやってみたかったんです。好んで信じて楽しみながら奉仕をしています。

12月の日記4・5 拝礼作法の変遷

2023-12-05 16:52:55 | 神職・宮司なるためのコーナー

12月4日

午前中、車の交通安全祈願

午後、所用で西条

12月5日

なにかと正月準備

兄からユーチューブをみて「明治までは三拝 三拍手 一拝ということをこの間初めて知った!」と連絡がありました。

即答「嘘です」

明治以前は、確かに現在のように全国統一はされていませんでした

「拍手二、再拝(二回拝)、祓、祈念、拍手二、再拝」(橘家祭法)

「再拝、祝詞、再拝」(拍手なし)(橘家祭法)

「二拝、大祓、拍手二、祝詞、拍手二、二拝」(伯家)った

「二拝、祝詞、拍手、二拝」(上賀茂諸神事註秘抄)

「二拝、拍手小、大、中臣祓、祈念、拍手大、小、二拝」(稲荷社行事式)

さらに昔(平安時代・貞観儀式)

「再拝両段、祝詞、両段再拝、拍手四段」となり、少し下って、平安中期(北山抄)では「拍手三段」とあり、拍手が三回の時代もあることにはありました。

あと、酒食を賜るときの拍手について儀式帳では、手を二段拍ち、いただいたのちに後手として一段拍つという記事はありますが、三拝 三拍手 一拝が昔の作法などとは聞いたことがありません。

明治に入り、すぐに統一されたわけではなく、一時期は

「再拝両段、祝詞、再拝再段、八開手、一拝」(祭典略)

「四拍手、一拝、祝詞、四拍手、一拝」(復古祭奠通式)

「再拝、祝詞、再拝、拍手、一拝」(府県郷村社祭典式)

などなどがありましたが、明治四十年で

「再拝、拍手二、祝詞、拍手二、再拝」となり、

その後

「再拝、祝詞、再拝」(拍手なし)

「再拝、祝詞、再拝、二拍手、拝揖」

などあり、現在の

「二拝、祝詞、二拝、二拍手、一拝」となっています。

よって、ユーチューブなどに影響されることなく、

皆様は二拝、二拍手、一拝でご参拝ください。(出雲大社等は作法が異なります)

そもそも国民のおそらく9割近くの方が、上記の二拝二拍手一拝をしていても、神職と作法がことなります。拝とは90度拝することであり、拍手は一度両手を合わせ、右手を少し下げて、ゆっくりと手を拍つんです。

作法は信仰の表現です。神様を敬う気持ちを先輩諸賢が研究して現在の作法になっています。

もし、正しい作法を知りたいという方は、宮司に話しかけてください、時間があえばお教えいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

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