暇にあかせて

作ることが好きです。
木でも布でも 新しい
形にします。

久しぶりの

2012-10-04 22:37:26 | 

久しぶりに本を読みました。

「月魚」 三浦 しをん 著

古書店が舞台

若き当主とその友人が主人公

三浦しをんらしい 本を愛する心とまるで少女漫画を読んでるような

どきどき感 。

古書店 「無窮堂」 の当主 真志喜は古書に対するセンスがあり

父親を通り越して祖父に腕を磨かれる。

友人の 瀬名垣 太一 は 古書への生まれ持っての才能を持っていた。

二人は少年だったころに 「無窮堂」 の裏庭の菜園で出会い

真志喜は太一に熟れたトマトを手渡す。

のちに瀬名垣は 「・・・あれが禁断の果実だったんだな」

と 回顧する。

仲良く育った二人はある日の事件で以後の生活を大きく変えられ

お互いにその事件を罪の意識として持ち続けることになる。

しかし それをきれいさっぱり清算することを敢えてさける。

それは お互いが罪の意識を共有しているからこそ

腐れ縁のように 会い続ける事ができると信じているから・・

 

本に対する深い愛情が 文のここかしこに出てきます。

親子関係、才能、人間関係、色々な要素を丁寧に描き

そのうえで 少女マンガのような色彩をみせてくれます。

なにせ 「まんが」 なので とても読みやすい一冊でした。