づれづれ気儘日記です

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変わらないこと

2014年05月08日 21時45分41秒 | 日記

 三月にみた山田洋二監督の『東京家族』。

その延長と言っては少し重たいんだが、小津安二郎監督の『東京物語』をみた。

数週間前にようやくみたのだが、印象が強くて、いまだに頭にこびりついている。

・・・白黒の映画で、今どきの映像と比べれば、画質も悪くて、

観るだけでも結構疲れるのだが、相当完成度が高い作品なんだろう・・・。


 みて思ったのは、『東京家族』は、かなり忠実に『東京物語』をリメイクしていること。

あらすじはほぼ同じで、シナリオもかなり同じ部分があるように思う。

山田洋二監督の思い入れが相当あるんだろう。


 それにしても『東京物語』は、昭和28年の作品。

その作品のリメイクが今の時代にも十分通用するという驚き。

・・・・・これはすごい。

親子の関係、情感というものはいつの時代にも変わらないもの、と

あらためて考えさせられる。


 小津安二郎監督の凄さを今更どうのこうのと言うつもりはないが、

変わらないことの重たさ、大切さを思い知らされた気がする。

親子・・・いつの時代でも、その関係性は変わらない。

・・・それぞれの思いが重なることはないんだなぁ、と。

親は親の思いがあるのに、子はその思いに気付くのは親の歳になってから。

そんなことは百も承知、と言いたいところだが、やっぱり自分もそうだった・・・。

映画の内容と、それぞれの家庭では状況が違うのは当たり前だが、

親子の思いのズレは、どこの家庭でも似たようなものなんだろうと思う。

それは、ほぼいつの時代も同じ。まるで公式・・・。


 そして、リメイクされても十分通用することで、

あらためて小津安二郎という人の凄さを感じさせられた。

もう少しこの人の作品を観てみようかな、と思う。


 それにしても、小津ワールド。カメラのアングル、画面の構図、俳優の単調な表情・・・。

観ているときはさほど思わなかったのに、見終わった後、

映像のイメージが頭の中で時間が経てば経つ程、染み込んでくる感じがする。

・・・なんとも不思議な感覚だ。白黒の映画が、まるでカラー映画になったような・・・。



 あまり関係のない話だが、

この作品にも出ている”永遠の処女”と言われている『原節子』さん。

小津安二郎監督の逝去後、女優を引退、未だに隠遁生活を送っていることは有名だ。

小津監督の終の棲家がある、鎌倉で生活しているとされている。

・・・当年、93歳になられるそうだが、

どんな人なのか、興味が湧いてしようがない。