先週ですが、北海道旅行でトムラウシ山(2141m)に日帰りで登ってきました。2009年7月に登山者9人が夏山にもかかわらず凍死するという大遭難が起きてしまった山で、深田百名山の一座です。
予想はしてましたが、めちゃくちゃ奥深い山でした。往復20km以上、走行時間11時間半の大変ハードな山でした。
また天気は雨で、朝5時半の出発時には行けるとこまで行ってだめなら引き返そう、と考えていました。なんとか頂上が近づいていくと小雨となりましたが、一日中雨が降り続く中、頂上に到達できたときはこれまでの登山にない達成感がありました。
この山では、とにかく孤独を感じました。人里から何十キロと離れ、山に人工物が全くない大自然。まさに奥大雪の「神々の遊ぶ庭」。
頂上では今思うと不思議なほど風と雨が止んだので、頂上でひとり瞑想をし、自分を大自然の中に溶かし込み、そこに真理の一つがあると感じました。
行きと同じだけの時間をかけ、何度も「登り」を繰り返す下山。
最後、カムイ天上から下の自分の進むぬかるみの一本道の足元をよく見ると、出来たばかりの熊の足跡が延々と続いている・・・
熊の歩いた後を歩く自分。熊の足跡が途絶えることがなく、結局、2時間その道を歩きました。
これまでのトレッキングで味わったことのない孤独と恐怖の時間。
眼前に広がる大自然、足元のに咲く色とりどりの高山植物による小自然、そしてその自然に襲われ死んでしまうかもしれないという恐怖心。この経験は忘れない。記憶に刻み込まれた一日でした。
トムラウシ公園上からのトムラウシ
風と雨が止んだ穏やかな山頂にて
前トム平のハイマツ。この付近で多くの人が亡くなったことを知ると怖くなります。