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2009年1月24日HMS上級のコースレイアウト

2009年01月26日 | 上級レイアウト
 前日の小春日和のような暖かい日差しから一変して寒々とした曇り空になりました。午前中には雪もちらつく局面もありましたが、それ以上には悪くならず、午後の後半は少し気温が緩んだようです。

 今日の担当はメインがM本さん、サブが久々に上級の現場に立ったYAJIさんです。M本さんも上級に来ることは稀で、なかなか無い組み合わせだったのですが、M本さんのコースレイアウトは老練な技を応用した、よく考えられたレイアウトが多いので、期待感大です。
 実際のところ、その期待を裏切らないM本さんのレイアウトが出てきました。上図は午前のコーススラロームです。
 M本さんらしいバイクが寝ている時間が長い、というか、バイクが直立する場所が少ないレイアウトでした。

 コースの前半の市街地は、3)から6)にかけて、なるべくスピードを上げたいのに微妙に曲線になるのでそれをコントロールしなければならないという勢いと抑制のバランスが求められるセクションです。スピードに乗せて新コースに出たいのですが、7)でギュッと抑制しないとならないところが辛いです。
 7)に向かって勢いで入って行きたいところですが、実際にはアクセルオフのまま入ってしまうとフロントサスが十分に沈まなくて7)が膨らみぎみに回ることになってしまいます。私は7)に向かってスロットルを一吹かししてブレーキを掛けて入るようにしたのですが、最後まで落ち着きませんでした。
 7)でスピードを落とすので8)に関しては円旋回ではなくて直角的に小さく回って加速減速という走り方をしました。1300ならではです。
 10)はその前の直パイの設定からすると大き目の回転半径で回りたくなるのですが、あえて小さく回ると11)に向かう直線が得られます。ここは、ラインの選択ポイントだったろうと思います。

 12)はともかく小さく回ることです。その後、13)14)を定常円として大きいRで回るのが一般的なラインになりますが、これを12)から13)を直線的に加速して13)を小さく回ってそこから定常円的に回るという選択もあったと思います。私は何回か試した後、後者の走り方に落ち着きました。
 その後の15)は、おそらくこのコース最大の難所であったと思います。13)14)で頑張ってもそんなにスピードを稼げないのと、そこからつながる16)の間口が狭いので15)の後半をパーシャルに持っていけないまま16)にアプローチせざると得なくなるからです。結論的には15)は捨てコーナーで、その後の16)17)の切り返しをスムーズにできるようなスピードの残し方をすることが課題であったように思います。

 21)と22)は定常円の形にパイロンが置かれていたのですが、図の21)と22)の場所で角型に向き変えを行ったほうが速かったようです。
 YAJIさんが休憩時間に漏らした一言、「前半はラインを作りながらスムーズにつないで、後半はカクッと曲がってドンという走り方でいけますよ」というアドバイスがヒントになりました。
 全体としては、皆さん同様に感じられたと思うのですが、7)と15)のコーナーが全ての障害といいますか、課題となったと思います。それ以外の各所でもラインの選び方の選択肢が多く、もっともっと走り込んでみたいコースでした。


 

 こちらは午後のコースです。こちらはバリアブルのコースとしては私の経験の中ではベストレイアウトと言ってもよい設定でした。M本さんならではです。
 何がよいかというと、このコースは、全てのコーナーが相互につながっていて切れ目がないという「奇跡のコース」なのです。
 通常、バリアブルでコースを作るとどこかに直線やスピードが落ちる箇所ができて、そこがコース内のセクションの切れ目になります。そこで態勢を立て直したりリズムを作り直したりして気持ちを切り換えていくものなのです。
 ところが、このコースは全てのコーナーが次のコーナーに対するアプローチを考えて脱出の仕方を決めなければいけないようになっています。
 例えば4-5)は長めの直線ですが、6)7)8)が非常に重要なので5)をどう通るかを考えなければならず、そのために4)の脱出も雑にはできないということになるわけです。

 そもそもが、最初のコーナー1)が難物です。180度を越える半端な旋回半径のUターンなので、後半でスピードを残すことが難しくなり、ただ待つ時間ができてしまうコーナーです。一般的には入り口で外側(左)に振って旋回半径を大きく取ることで進入スピードを高め、スピードを残して回り切るというアプローチになります。もう一つの考えは、逆に小さく回って待っている時間を短くするというものです。私は自分の好みで後者を選びました。これは1本目のパイロンぎりぎりに近づきオーバーランしたところで小さく回り、早目にアクセルを開けて、やや加速、膨らみ気味に脱出するというものです。ただ、この方法だと2)のパイロンに浅く入ることになるので3)にかけて調整する必要が起こります。そういう意味では4)までつながってきてしまうので影響度大です。
 4)は5)をどう処理するかから逆算して脱出の方向を決めます。5)6)をスピードを残して回りたい人は5)の手前で右に振ってなるべく大きなRで入ろうとするでしょうし、逆にスピードを落としてカチッカチッと回りたいのであればセンターか左寄りの進入になると思います。ただしこちらも6)との繋がりよりも、その後の7)8)の処理から逆算する必要がありました。7)8)はこのコースのハイライトで、ここを絶対に膨らませないというのが私としては一番のテーマでした。そこで7)で十分にフロントサスが沈むようにするためには、6-7)で軽くアクセルを開けるのがベストで、その「軽く開ける」ちょうどよいスピードを作るために6)5)と逆算してみたわけです。
 8)をクリアするとスピードも落ち切っているので、そこが切れ目になるかというとそうでもなくて、9)も雑にはできません。それは次の10)への入りがパイロンに近付き過ぎず遠過ぎずというラインをつくらなければならないからです。10)をフルロックで折り返して11)に対してピッタリ角度が合わなければ苦しくなります。
 14)も曲者で、パイロンの位置がスロットルを戻さないと曲がりきれないところにあります。奥を大回りすると入れるのですが相当なロスになります。14)で多少なりとも向き変えをすることを前提にすると、13)の回り方にも影響が出ます。基本は小さく回るのですが、13)でピッタリ回ると13)と14)の間のパイロンがラインをふさぐのですが、少し奥に突っ込んで回ると14)に向かう加速ラインが見えたりするのです。オーバーランしてパイロンを過ぎてから車体を倒すのですが、そうすることで、よりパイロンに近いところを通れるので、進入と脱出の方向をずらすことができるのです。
 以下、省略しますが、総じて言うと、小さく回るところをきちんと小さく回れば、その分、その後が綺麗に走れるようになるということが言え、大変テクニカルなコースでした。
 全てのコーナーを繋ぎ通して走り切ると、バイクの神様が降臨して祝福を授けてくれる素晴らしいコースを堪能することができました。
 M本イントラに感謝!です。


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2 コメント

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出口の見えなかった15番 (RR)
2009-03-19 21:18:20
午後のバリアブル。5番付近で鳩首会議中の参加者に投じたイントラさんのヒントが「その手があったか!」「なるほど!」という反響を呼んでいました。午前の15番も何か仕掛けがあったんだろうなぁ~と思わずにはいられない瞬間です。

当日は「謎かけ上等、かかってこいや!」な参加者で固められていたわけですが、もし謙虚な上級初心者(?)がいたりすると、「15番をうまく回れないんですが…」という質問が出て、、、

丸一日(あるいはそれ以上)悶々とするMな楽しみとすっきりした解。HMSにはまるとだんだん前者の比重が大きくなってきて、「気持ち悪い」「わからない」コーナーが出るほどに喜びが増すという倒錯の世界に入ってしまうのでしょうね。

常連と呼ばれるレベルにまで深入りしなくて本当によかった(-∀-;)
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微妙に常連 (@sushi)
2009-03-20 06:52:33
RRさん、こんにちは。

>常連と呼ばれるレベルにまで深入りしなくて本当によかった(-∀-;)

RRさんは微妙に常連ですよねえ!
あちこちに行かれているので、HMSの参加は少なめでもマインドは立派な常連のM根性が身に染みていますもんね(笑)

お互い修行の道はまだまだ長そうですね!

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