諏訪山岳会公式ブログ

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屋根岩4峰南稜

2015年05月27日 | クライミング
屋根岩4峰南稜神奈川ルート
 
ルート:廻り目平 屋根岩4峰南稜神奈川ルート
日時 :5月23日
メンバー:S藤、U山

ひょんなことから最終ピッチを登り残していた屋根岩4峰南稜神奈川ルートを10年以上ぶりに登ってきました。
あまりパッとした記憶がなかったルートでしたが、久々に登ってみたら結構いいルートでした。


23日は前日になって急に時間が空いたので、単独山行を計画していたS藤さんに”一人で山に行くなら、軽いクライミングはどう?”と誘いのメールを入れて、半ば強引に廻り目平に同行してもらった。
 
ルートはS藤さんのリクエストで屋根岩2峰セレクションにしたが、取り付きまで行ったら結構な人だかりでかなり待たされそうな気配・・・。
 
それならルートを代えるかと思案しているうちに、4峰南稜神奈川の最終ピッチをまだ登り残していたことを思い出し、10数年ぶり(下手をすると20年ぶり?)に再訪することにした。
 
4峰南稜神奈川のオリジナルラインは前衛壁から。
最初は前衛壁を見上げても、どこがラインなのかさっぱりわからなかったが、S藤さんが10mほどのところに比較的新しいリングボルトを発見し、そこを目指してクライミング開始。
 
1P目
トポ(日本の岩場)の1P目と2P目をリンクして登る。
ホールドの豊富なフェースからおおまかなコーナーを経て前衛壁ピークへ、40m+α。
トポでは1P目 5.6、2P目 5.3ということだが、出だしの10m以降はナチュプロで、かつトータル40m超という長さだったので体感としては5.8ぐらいの感じ。
前回の記憶は全く残っていないピッチだったが、けっこう面白いピッチでした。


<前衛壁ピーク直下>

そこから裏手のコルに降りると核心部の2P目。
 
2P目
ここは前回はハーケン混じりのA0で登ったが、現在はボルトが打ち直されて11c。
だけど、11cのマスタートライなど、自分には論外で、前回同様、A0を交えてできるだけ短時間で抜けることに専念した。
フォローのS藤さんはトラバースでヘマって宙吊り(っぽい)状態になったが、ここは某山岳センター仕込みの自己脱出法を駆使して無事クリア。
この技術の必要性を実践で確認できたのは良い経験だったんじゃない?


<2P目 なんでもありありで登る>

3P目~
その先、4峰の下部岩壁(?)頂上まで、つるべを交えて3Pほど。ただし、途中で勘違いして変な切り方をしてしまったのでそれがなければ実質2Pぐらいでしょう。
3P目以降については日本の岩場と日本マルチピッチでグレードやラインが微妙に異なっているが、自分の体感は後者に近かった。なお、日本の岩場に記載の残置物は見あたらなかった(ラインが違う?)。


<3P目の出だし>


最終ピッチ
さて、本日のメーンイベントの最終ピッチ。遠目に見ると存在感があります。


<最終ピッチのチムニーというかクラック>

取り付きから仰ぎ見ても下部がかぶっているので威圧感あり。
で実際登ってみると、トポにチムニーとあるように基本的には内面系のクライミングだが、ホールドスタンスが豊富なので、いろいろやっているうちになんとなく登れてしまう。
登るよりも、体の向きを変える時のギアラックや腰回りのギアの架け替えの方がが大変だったかも。
プロテクションについてはS藤さんがキャメ#5をぶら下げてきてくれたおかげでランナウトせずに済んだが、これがなかったら結構怖かったかも。(中間部から上は、キャメ#3、4、5を使用)
とまあ、けして楽な登りではなかったけど、最終的には木の生い茂る南稜の頭(?)に抜けて無事終了。
 
下降は、セカンドがギアをフォロー回収すれば、フェースルート(露出狂・・・?)の終了点から降りるのがベストだけど、今回、S藤さんはフォローはご遠慮したいということなので、クラックを抜けた先の木に支点をつくりカムを回収しながら懸垂で下ってきました。(今回は、左側のクラックから上に抜けたが、日本マルチピッチのラインは左のクラックから右のクラックに抜けているように見えるので,もしかしたら右側に行けばきちんとした終了点があるのかもしれない。今回の懸垂支点だと、どうしてもロープがクラックの中で屈曲してしまい、懸垂支点にビナを残してきたにもかかわらずロープ回収には結構な力が必要です)
 
コルからは5峰中段に向けてしっかりした踏み跡がついていて、それを経由して取り付きまでスムーズにおりてくることができました。
 
あまりパッとした記憶がなかった4峰南稜でしたが、久々に登ってみたら結構いいルートでした。
2P目のマスタートライができる人ならさらに楽しめそうですね(逆に他のピッチが物足りないか)。
自分にとっては、ひょんなことから、登り残しのピッチを片づけることができて思わぬ拾いモノをした気分です。S藤さん、ありがとう。
 
だけど、一日を振り返ると、結果として軽くないクライミングになってしまったわけで、S藤さんをだましたような形になってしまいましたが、”軽い”という誘い文句はだますつもりで言ったわけではなかったのでご容赦を。
これに懲りず、またお付き合いください。
 
 
以上


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