明神岳
4月29~30日 参加者:S原、岩ひばり、O石、F見
ゴールデンウィーク前半、明神岳へ行って来ました。
当初は南西尾根から明神主稜を縦走する計画でしたが、天候があまり良くない予報であった為、初日は岳沢ヒュッテ付近で泊まり、奥明神沢から明神主峰を往復することにしました。
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<岳沢にて;背景はトリコニー>
29日 曇り一時小雪 諏訪10時半―沢渡12時―上高地13時―岳沢15時半
今日は岳沢までの予定なので、ゆっくりと諏訪エリアを出発、沢渡に車を停めタクシーで上高地へ。車中、周囲を見ながら積雪が少ないことを実感。
上高地バスターミナルで身支度をするが、連休初日とはいえ人出はそれほどでもない。河童橋で穂高を見ると、稜線はガスの中。雪の無い岳沢への登山道を行くと小雪が舞い始め、7番の標識のある主稜取り付きの先から凍り付いた残雪が出てくる。樹林帯を抜けると雪渓を行くようになり、ようやく春山らしくなるが、雪は少なく各稜とも下部は雪がなくブッシュが出ている状態。
岳沢のテント場は平らな場所は既に10数張程のテントで一杯、はずれの雪を整地して設営。
小屋前に水も引いてあり、水作りも無くそのまま宴会モードに突入、結局寄せ鍋をつつきながら持ち上げた飲み物を全て消費して就寝。楽しいひと時だった。夜半、雪がぱらついたが大した降りではなかった。
30日 晴れ後曇り
岳沢BC5時半―奥明神沢コル7時半―Ⅰ峰9時半―コル10時半―BC撤収13時―上高地15時―諏訪
雲はあるものの、まずまずの晴天、雪も締まっておりハーネス・アイゼンを付けて出発、奥明神沢を詰める。
<奥明神沢を目指す>
前後にパーティがいるものの、涸沢の賑わいは無く静か。2500mを越えたあたりの傾斜が強まって沢幅が狭くなる辺りから雪が固くなり、アイスバーンになってくる。<上部;雪が固く緊張させられる>
前日のトレースも昨夜の降雪で埋まって切れ切れとなり、下りが少々心配になる。コル直下で小休止していると後続Pが追いつく。
コルからの前衛峰の登りは最初右に回り込むと古いフィックスがあるが、ワンポイントがいやらしいのでロープを使用。<前衛峰登り>
懸垂支点から先は傾斜も落ちハイマツ交じりの尾根となりロープは不要だが念のためロープを伸ばす。傾斜が落ちると前衛峰のピークで、視界が広がり、行く手にⅠ峰・Ⅱ峰が並んで見える。
尾根には雪がほとんど無く、ガレた踏み跡をアイゼンのままガタガタと辿るが、Ⅰ峰を岳沢側から登ると狭いピークに至る。
<Ⅰ峰にて>
Ⅰ峰はなかなか眺めの良いピークで、前穂~奥穂~西穂、徳澤園や梓川も良く見える。この頃から天気は下り坂で、日本海上空には前線の接近を知らせる雲が出ていた。
<前衛峰を懸垂>
ガレの尾根道の往路を戻り、奥明神沢のコルから急な雪壁を下る。登った頃よりは気温も上がり、さすがにアイスバーンは融けていたが、それでも雪面は硬く、後ろ向きで慎重に下る場面も。<奥明神沢を下る>
下部では傾斜も落ちたので、持ってきたプラ板ソリを使ってシリセードを試みる。
テント場まで戻ると、さすがに連休、テントの数が増え、次々登ってくる人も望まれた。で、当方は予定通り撤収、大分軽くなったザックを担いで上高地に下山した。
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今年の春山は寡雪ですが天候変化の周期が短く、変わりやすい天候でした。当方も計画の見直しなどの対応で半日の好天をうまく捉まえ、明神に登ることができましたが、バリエーション入門ルートの明神でも状況により侮れないものがあります。当パーティも奥明神沢上部の氷化した場所で一人がスリップ、幸いすぐに停止でき大事には至りませんでしたが、ヒヤリとした場面がありました。
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