2020年8月29日~30日 メンバー:T嬢(リーダー)、O石、N原、F見
甲斐駒ヶ岳の赤石沢奥壁中央稜に行ってきました。
下部の岩壁と上部のブッシュ帯と変化に富んだルートでした。
<赤石沢奥壁>
初日は遅めの出発で七丈小屋を目指し、午後に到着しました。
今年はテント場も完全予約制で1日20張りまで。
受付に対応してくれたのは花谷さんで、我々が中央稜に行くと知ると、「あそこは冬しか行ったことないなあ。夏は藪を漕ぐようなものだよ。」とのこと。
我々も事前情報として知ってはいましたが、その言葉を実感を伴って噛みしめることになるのは翌日のこと。
テン場の隅にソーシャルディスタンスを保ってそれぞれのテントを張り、それぞれが用意した夕食をとって19時頃に就寝。
ちなみに、小屋の水場には石鹸が用意され、トイレには除菌用アルコールスプレーが用意されていました。
<一人一張り>
2日目は天気が心配でしたが、我々の想定行動時間でおさめれば、中央稜にいる間に雨に降られることはないと判断して朝4時に出発。
明るくなってから第一バンドを下降。
<第一バンドの下降 ザレに草が付き嫌らしい>
5:45登攀開始。
T嬢-F見ペア、O石-N原ペアの順で登りました。
1ピッチ目はスクイーズチムニーから。
<1ピッチ目 スクイーズチムニー>
せっかく持ってきたキャメ#6、#5をセットして気持ちを楽に登ることができました。
トポでは最後にフェースを処理してブッシュの入り口でピッチを切ると書かれていましたが、フェースの手前でロープが重くなったことと、ラインを観察するとこのフェースのスラブを逆くの字で登らなければならなかったのでここでピッチを切ることにしました。
今回、トップは空身でしたが、ザックを背負ったフォローはスクイーズチムニーの処理が大変だったと思います。
2ピッチ目はトポではブッシュからフェース基部まで。
今回は1ピッチ目のフェース(スラブ)を含めて登り、次のフェースの基部までほぼ60m。
60mロープを持って来てよかったと思えた瞬間でした。
<トポでの1ピッチ目最後のスラブ 今回は2ピッチ目に含めた>
3ピッチ目はアブミの出番。
<アブミ2台をかけて右へ>
基部から目の前のフェースをアブミ2台で乗り上げて右のハングにトラバース。
そこから草なのか砂利なのか、どちらにしても心もとない手掛かりとスタンスで体を引き上げるので、ここが一番怖かったです。
その先にスクイーズチムニーがあり、4ピッチ目のクラックが見えるリンネの中で灌木とキャメ#6を使ってビレイ点を作り、ピッチを切りました。
リンネ下のブッシュでもビレイ点にできますが、いずれにしても3ピッチ目の終了点の選択肢は貧弱な印象です。
このピッチは草付きのハングとスクイーズチムニーがあるので、嵩のあるザックを背負っているフォローはさらに大変だったと思います。
4ピッチ目はクラックから。
<4ピッチ目 クラック>
というよりはフレークで、残置ピトンを使ったりカムを決めながらフレーク登りです。
T嬢さんは快適そうにリードしていました。
最後は灌木を終了点にして、中央稜の登攀はここで実質終了です。
1~4ピッチを冬にやるならと想像して登りましたが、大変だということはわかりました。
あと、台風や長雨の影響なのか、倒木があったり、土が流れて根が露出している灌木や枯れかかっている灌木が多く、慎重に観察する必要があると感じました。
下部4ピッチが終わればあとはお楽しみの藪漕ぎです。
<中央稜上部 藪漕ぎ>
といっても踏み跡があるので、踏み跡が不明瞭になった時に藪を漕ぐ感じです。
藪の中をコンテで進み、一部きわどいところは足場の良いところでボディービレイを折り混ぜつつ高度を稼ぎます。
それでもなかなか赤岩ピークに着かないのがこの中央稜の真骨頂でしょうか。
右手に見える一般登山道とほぼ同じ高度に来たあたりで岩に突き当たり、これが最後のクライミングセクションかと見上げますが、どうもルートが判然としません。
踏み跡も右往左往しています。
我々も右往左往してから、右に回り込むことにします。
確保してもらいつつシャクナゲの斜面を登り上がると、嫌らしい傾斜の岩と草付きのミックスが現れ、ここをさらに登り上がると一般登山道に出て終了しました。
過去の記録を読むと最後の岩登りの印象が違うものが散見され、これは登った人の力量による印象の差かと思っていましたが、もしかしたらいくつかルートが取れるのかもしれません。
予定通り12時には登攀を終了でき、また雨にも降られずほっとしました。
<一般登山道脇で終了 お疲れさまでした>
4人での完登を喜んだ後、長い長い下山の開始です。
臨時休業で誰もいない七丈小屋でテントを撤収すると本格的に雨が降り始め、カッパを着ての下山となりました。
※臨時休業ということもあり、花谷さんのご厚意でテントは張りっぱなしにさせて頂けました。ありがとうございました。
五合で雨は上がりましたが長い下山は続き、19時に竹宇駒ヶ岳神社に到着。
朝4時から15時間の行動。
最後までみなさん元気なので舌を巻きました。
アプローチも藪漕ぎも長くて大変でしたが、甲斐駒の岩に触れることができ、よい経験となりました。
次は冬に訪れることができればと思います。
甲斐駒ヶ岳の赤石沢奥壁中央稜に行ってきました。
下部の岩壁と上部のブッシュ帯と変化に富んだルートでした。
<赤石沢奥壁>
初日は遅めの出発で七丈小屋を目指し、午後に到着しました。
今年はテント場も完全予約制で1日20張りまで。
受付に対応してくれたのは花谷さんで、我々が中央稜に行くと知ると、「あそこは冬しか行ったことないなあ。夏は藪を漕ぐようなものだよ。」とのこと。
我々も事前情報として知ってはいましたが、その言葉を実感を伴って噛みしめることになるのは翌日のこと。
テン場の隅にソーシャルディスタンスを保ってそれぞれのテントを張り、それぞれが用意した夕食をとって19時頃に就寝。
ちなみに、小屋の水場には石鹸が用意され、トイレには除菌用アルコールスプレーが用意されていました。
<一人一張り>
2日目は天気が心配でしたが、我々の想定行動時間でおさめれば、中央稜にいる間に雨に降られることはないと判断して朝4時に出発。
明るくなってから第一バンドを下降。
<第一バンドの下降 ザレに草が付き嫌らしい>
5:45登攀開始。
T嬢-F見ペア、O石-N原ペアの順で登りました。
1ピッチ目はスクイーズチムニーから。
<1ピッチ目 スクイーズチムニー>
せっかく持ってきたキャメ#6、#5をセットして気持ちを楽に登ることができました。
トポでは最後にフェースを処理してブッシュの入り口でピッチを切ると書かれていましたが、フェースの手前でロープが重くなったことと、ラインを観察するとこのフェースのスラブを逆くの字で登らなければならなかったのでここでピッチを切ることにしました。
今回、トップは空身でしたが、ザックを背負ったフォローはスクイーズチムニーの処理が大変だったと思います。
2ピッチ目はトポではブッシュからフェース基部まで。
今回は1ピッチ目のフェース(スラブ)を含めて登り、次のフェースの基部までほぼ60m。
60mロープを持って来てよかったと思えた瞬間でした。
<トポでの1ピッチ目最後のスラブ 今回は2ピッチ目に含めた>
3ピッチ目はアブミの出番。
<アブミ2台をかけて右へ>
基部から目の前のフェースをアブミ2台で乗り上げて右のハングにトラバース。
そこから草なのか砂利なのか、どちらにしても心もとない手掛かりとスタンスで体を引き上げるので、ここが一番怖かったです。
その先にスクイーズチムニーがあり、4ピッチ目のクラックが見えるリンネの中で灌木とキャメ#6を使ってビレイ点を作り、ピッチを切りました。
リンネ下のブッシュでもビレイ点にできますが、いずれにしても3ピッチ目の終了点の選択肢は貧弱な印象です。
このピッチは草付きのハングとスクイーズチムニーがあるので、嵩のあるザックを背負っているフォローはさらに大変だったと思います。
4ピッチ目はクラックから。
<4ピッチ目 クラック>
というよりはフレークで、残置ピトンを使ったりカムを決めながらフレーク登りです。
T嬢さんは快適そうにリードしていました。
最後は灌木を終了点にして、中央稜の登攀はここで実質終了です。
1~4ピッチを冬にやるならと想像して登りましたが、大変だということはわかりました。
あと、台風や長雨の影響なのか、倒木があったり、土が流れて根が露出している灌木や枯れかかっている灌木が多く、慎重に観察する必要があると感じました。
下部4ピッチが終わればあとはお楽しみの藪漕ぎです。
<中央稜上部 藪漕ぎ>
といっても踏み跡があるので、踏み跡が不明瞭になった時に藪を漕ぐ感じです。
藪の中をコンテで進み、一部きわどいところは足場の良いところでボディービレイを折り混ぜつつ高度を稼ぎます。
それでもなかなか赤岩ピークに着かないのがこの中央稜の真骨頂でしょうか。
右手に見える一般登山道とほぼ同じ高度に来たあたりで岩に突き当たり、これが最後のクライミングセクションかと見上げますが、どうもルートが判然としません。
踏み跡も右往左往しています。
我々も右往左往してから、右に回り込むことにします。
確保してもらいつつシャクナゲの斜面を登り上がると、嫌らしい傾斜の岩と草付きのミックスが現れ、ここをさらに登り上がると一般登山道に出て終了しました。
過去の記録を読むと最後の岩登りの印象が違うものが散見され、これは登った人の力量による印象の差かと思っていましたが、もしかしたらいくつかルートが取れるのかもしれません。
予定通り12時には登攀を終了でき、また雨にも降られずほっとしました。
<一般登山道脇で終了 お疲れさまでした>
4人での完登を喜んだ後、長い長い下山の開始です。
臨時休業で誰もいない七丈小屋でテントを撤収すると本格的に雨が降り始め、カッパを着ての下山となりました。
※臨時休業ということもあり、花谷さんのご厚意でテントは張りっぱなしにさせて頂けました。ありがとうございました。
五合で雨は上がりましたが長い下山は続き、19時に竹宇駒ヶ岳神社に到着。
朝4時から15時間の行動。
最後までみなさん元気なので舌を巻きました。
アプローチも藪漕ぎも長くて大変でしたが、甲斐駒の岩に触れることができ、よい経験となりました。
次は冬に訪れることができればと思います。
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