諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

米子沢の入渓ミス~ビバーク

2014年07月25日 | 沢登り

7/21~22
メンバー:nami、F倉、I原

海の日連休は、黒部の赤木沢を予定していましたが、梅雨があけず19,20日は沢を断念。天気の安定する21日に絞って、ナメ天国の米子沢へ行きましたが・・・

22日 巻機山にて



現地前夜泊、巻機山登山口の桜坂Pを6時スタート。ガイドブックに従って車道を引き返し、橋を超えたところの道をたどります。写真のこの道はすぐに行き止まり。そのちょっと奥に舗装された道があったのでそこから。

道はすぐ登山道に変わり、ガイドブックにある踏み跡をたどってスムースに沢床という感じとはちょっと違う、長いなとおもいつつ・・・立派な沢筋にそっていて、いくつかあるという堰堤も確認。米子沢に沿いを歩いていると・・・最後はしびれを切らして、ちょっと強引に降りて沢床へ。降りたところは二俣、地形図を確認すると序盤に右の枝沢が入りそうな箇所があったのでそこだろうと。

入渓すると、しばらくはゴーロ歩き、濡れずに河原を歩けるというのも事前の調査通り

30分ほどでガイドブックで最初のポイント、2段20mのくの字滝かと

くの字滝を超えてしばらくいくと二俣。1000m地点の左が滑沢、右が本流かと思いましたが、どう見ても左が本流じゃないかと、少々議論。コンパスを確認しても左の方位は悪くない。高度計も1050mほど、もしかして滑沢はもう通過し、その先の右の枝沢をみてるんじゃないか?たしかに直前に左の枝沢を一本パスした記憶はあった。というわけで左俣に入りました。しばらくは遡行図にある3段40m大滝と取れなくもない滝などを登り、コンパスも東~北東に向いて、いいじゃないかと。でも30分ちょっとで水流がゴーロの下に・・・ここでさすがにルートミスを認識。やっぱりさっきの二俣は滑沢分岐で、我々は滑沢に入ってしまったとみんなで納得。


ここを登りつめて、下山で使用する登山道に出るのは容易だろうと、そのまま登ることに。水が枯れて源頭では多少の藪こぎもありつつ、あのガレを超えれば登山道だと。

ところが、やせ尾根にのったというのに登山道が見当たらない。地図とコンパスを何度みてもさっぱり・・・スマフォにマップ付きのGPSがあるのを思い出し、山で初めて試す。即位完了で示したのは「米子頭山のやや南のピーク」。巻機山の西側の尾根にいるはずが、南に延びる尾根・・・あまりに見当外れの場所で、現状認識は時間を要しました。事体を飲み込み、さてどうやって下山するか。この稜線は地形図上は登山道と記されているものの、目の前にそれらしき道がない。とはいえ、ひたすら道なき道ってこともないだろうと巻機へ縦走、そこから一般ルートで下山としました。まだ11時なので、日のあるうちに充分下山できるだろうと。

縦走を始めると酷い藪、背丈以上で灌木帯がおおく写真を撮る余裕はなし。時間と体力を奪われながら、2つほどピークを越えて・・・ひざ丈くらいの笹の草原に。


「巻機山が近付き、道がよくなってきたんだ~」とおめでたく浮かれる。ここで再びGPSで位置確認してみるとさっぱり進んでない・・・「いやむしろ巻機山が遠ざかってないか?」コンパス確認すると進行方向は南、「あれ、北に向かってるはずじゃ」・・・ ここの現状認識も時間を要しました。だって反対方向に藪こぎ1時間半もしてしまったのですから。。。
あの藪を引き返しすだけでもうんざり、さらに巻機までもそれなりの藪となると相当に厳しい。このまま南下~どこかの尾根を下降は考えました。でも、一般ルートはなさそうだし、地形図もこれ以上南は持ち合わせていない。ミスにミスを重ねているときでしたので、たとえ今日降りられなくても、明日は確実に降りられるであろう引き返しを決断。

そこから先はひたすら藪こぎ、元の詰め上げ地点に戻ったのが、14時で3時間のロス。手持ちの水も皆わずかで厳しい。途中藪を避けてトラバース出来た区間に雪渓を見つける。ここでの給水がなければ本当に厳しかったと思う。藪もないこの雪渓で一休み、水がぶ飲みで生き返る。その先も登山道は最後まで現れなかった。3時間ロスのあと、「悪くても避難小屋までは行ける、行こう」と思っていたのに、最後まで濃い藪と格闘。それでも灌木よりは笹がメインでいくらかましだったか。この頃には、笹だけなら順調と感じるくらい、耐性がついていた。巻機手前の1928ピークあたりで18:30、もう30分いけるくらいの明るさがあり、藪を抜ければヘッデンで避難小屋を目指せるともう一頑張り。でも、その10分後くらいか、ガスで一気に光を奪われ、これ以上の藪漕ぎを断念、ビバークを決定。幸い1928ピーク付近は平坦で、藪の薄まる箇所もチラホラ、ビバークは容易だった。


まずは一つのツェルトに3人で入って火器で暖をとる。2つのアルファ米とお菓子を分け合って腹もなんとか。水は余裕はなかったけど、一晩節約すればどうにかなるレベル。明日の避難小屋で給水可能だし。あと30分~1時間で登山道が見込めたので、ビバークを受け入れた後は、割りと落ち着いて、笑い話も出来る夜ではあった。21時過ぎの就寝。寒さはそれほどでなく助かった。それでも一眠りはできても、冷えを感じて目を覚ますともうだめ。夜中に2回、火を付けて暖をとる。

真夜中の反省会。。。いくら議論しても、どこから間違えていたのか、この時点では答えが出ない。

4時すぎ、明るさが戻ってきたところで、準備を初め5時前スタート。最後の藪こぎは30分かからず、巻機直下の草原へでる。この草原の登りで待望の登山道に合流。巻機山頂はロープで立ち入れず、その手前の分岐の山頂標で記念撮影。前日の藪漕ぎで疲労の残る足、ゆっくり下って8時過ぎに下山。


駐車場まで戻って、ようやくミスの答えがでた。登山口の桜坂駐車場は2つあって、我々が止めたのは手前の駐車場。2つの駐車場の間にも、橋と道路がある。この橋の下が米子沢。ガイドブックの「駐車場から戻って」は奥の駐車場からということ。手前の駐車場から戻っても直ぐに橋と道路が有った。その橋の沢に入渓した我々は、そもそも米子沢には入っていないということ。ここでもまた愕然。でも全て納得。
緑:米子沢
赤:今回のルート

入渓個所と2つの駐車場拡大


後日反省会を開き、たどったルートの確認、どうすれば防げたかを話し合った。
反省材料いろいろでました。今後の山行準備、行動中の判断、しっかり活かして行かなくてはと思います。




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1 コメント

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Unknown (U山)
2014-08-02 08:19:04
こういうことも起こるんだと半分感心しながら読みました。貴重な経験だと思います。
それにしても(藪漕ぎさえなければ)上越の山並みは美しいですね。
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