諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

春山・屏風尾根

2015年05月17日 | 雪山
春山:屏風尾根  2015年5月3~4日
参加者:S原、nami

連休後半、当初穂高から槍の縦走を計画したが、4日に天候が崩れるという予報を受け、1日半で行ける赤沢岳屏風尾根にルートを変更した。
短いながら傾斜もあり、楽しい雪稜ルートでした。
<稜線から立山と黒部湖>

3日 晴れ 諏訪~扇沢7時半~大沢小屋~2100m設営12時~稜線15時~210016

扇沢には7時前に着いたがさすがに連休、既に無料駐車場は満車で有料スペースに車を停める(1000/日)。支度をし、観光客でごった返す扇沢を後に、針ノ木沢沿いのスキーとツボ足が入り乱れているトレースを追う。

天気も良く日差しもきつく気温も上がってアンダーシャツ1枚で歩くあたりはさすがに春山。

  

積雪は概ね100150センチ、大沢小屋横の尾根末端から取り付くが、樹林帯でも日当たりの良いところはブッシュが出ているのでブッシュをつかんだり雪面を追ってジグザグに登る。トレースは無いのでキックステップで登るが、表面の雪が緩い為二度三度蹴りこんでいると体力を消耗させられる。下部は樹林帯だが中間部は木もまばらで、周囲が見渡せて気持ちが良い。針ノ木方面はマヤクボ含め、トレースとシュプールが多数あり、人影も小さく豆粒の様に見えていた。

 

2000m付近から尾根が痩せてきて、2100mで設営適地があったので設営することに。

設営後、荷を軽くして稜線を目指す。稜線が間近に見えるが、傾斜は相変わらず急で、相変らずキックステップを繰り返しているうちにS原は疲れてしまってnamiさんに先行してもらう。Namiさん快調。尾根は細く屈曲しており、雪面の切れているところ、雪庇の跡などあり、状況によっては苦労しそうだったが、幸いこの日は雪の状態は良かった。

   

稜線直下は雪が消え傾斜のきついハイマツ帯となったため、左側の斜面を少し下り、稜線向けて雪壁を登った。稜線に出ると正面に立山・剣、足下の黒部湖の大展望が迎えてくれ、登ことができて本当に良かったと感じた。稜線は雪が消え、夏道が露出しているが人影は全く無かった。

 

しばし展望を楽しんだ後、来た道を戻る。傾斜がきついので、かなりの部分を後ろ向きになって下降。今回、念のためロープは持って行ったが、雪の状態が良く、使わなかった。

テントに戻り、水を作って一杯、おだやかな春山の一夜を楽しんだ。

 

4日 曇り一時小雨 21006時~扇沢9時~諏訪11

4時頃、パラパラという雨音で目が覚め、そのまま起床。朝食後撤収、幸い雨は上がり高曇り状態。冷え込みもなく雪は昨日と同じで柔らかい。昨日つけたトレースはそのまま残っており、順調に高度を下げる。
 
尾根筋のブッシュを嫌い、尾根末端まであと少しの地点aで尾根左側の斜面が下まで雪が続いていたので、そこを下ることにする。途中アクシデントはあったものの、観光客で混雑する扇沢に下山、車で諏訪へ戻った。

 

<アクシデント>

前述の地点aから雪面を下り始めてすぐ、S原が雪面を踏み抜いて頭を下に仰向けに転倒、100m?位滑りました。距離が伸びたのはフル装備の荷物が重くなかなか滑落停止姿勢が取れなかったこと・停止姿勢を取っても雪が柔らかくピックが潜るだけで傾斜が落ちるまで全く停止できなかった為です。途中、突き出ていた木の一部に右足が接触、軽い打撲を受け、同行のnamiさんに心配と苦労を掛けました。反省しきりです。

そう言えば、フル装備で頭から仰向けに転んだ状態で停止する練習は、雪上訓練でも長いことやっていないなあ、と思いおこし、今年の雪上訓練で練習したいと思います。



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