諏訪山岳会公式ブログ

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講習会

2011年02月01日 | 講習会 等
雪崩講習会 (長野県山岳総合センター 講師研修会)

日時:2011.1.22(土)~23(日)
研修場所:山岳センター+旧大町スキー場・鹿島槍スキー場 黒沢尾根
参加者:総数52名 (諏訪山岳会より、Marさん、A岡さん、岩ひばり)
主任講師:東 秀訓さん(国立登山研修所)

主旨:雪質観察や雪崩埋没者の捜索・救出・搬送訓練を、どのように展開したらよいかを検討する

毎年、1月に開催される雪崩講習会に参加してきました。
私は3度目ですが、参加するたびに、座学・実技を通し、新しい発見があります。(すいません、カメラを忘れたので、写真無しです。)
特に今年は、まず、その参加者の多い事にびっくり!それだけ、山やの数が増えているのか?少なくとも、冬山に向かう人達が、雪崩に前向きに対応しようとする姿勢が見受けられました。

研修内容
22日(土)
10:00~12:00 講義 「冬山における雪崩を避けるための行動原則」

雪崩を避けるために、最も必要な事・・・、それは、降雪中・降雪直後には、山に入らない事!それは、百も承知ですが、やはりなかなか厳しい事です。
それでは、少なくとも事前にしておく事は何でしょう。

*山行計画場所の情報をできるだけ多く集める(天候・山行記録・地形図等)
*自分やグループメンバーの装備品を理解し・使いこなせる
       
そして普段から、雪崩のメカニズムを理解しておく、事前の訓練など、話しは多岐に渡りました。昔から、‘三種の神器’(ビーコン・ゾンデ・シャベル)と言いますが、持って行くだけではダメ!使えて初めて意味がある・・・これを、午後に実感する事になります。

13:00~15:30 実技「雪崩捜索時の動きの確認」

*自分のビーコンの電波特性を確認(認知距離・電波の動き方等)
*ゾンデによる正しいプロ-ピングの仕方
*捜索方法のデモンストレーション

こちらも中身の濃いものでした。雪崩捜索時間は、生存率の高いと言われる15分以内、その中で、どれだけ効率よく動けるか、それには、技術・経験そして、諦めない気持ちが大切です。(講師の体験談の中で、40分後に掘り出され、助かった仲間がいました。)

16:15~19:00 講義「全体協議および判別ディスカッション」

今日の講義・実技を通し、疑問点をピックアップ、それに講師が応えていきます。中には、‘一人だけ雪崩に合わなかったら、どこまで捜索するか’など、重い質問も・・・。

この後は、恒例のお酒を酌み交わしながらの夕食会です。

23日(日)
7:30~15:00 実技 「積雪観測(ピットチェック)と雪崩埋没者の捜索・搬送」

この日は、朝から、2班合同となり、それぞれ分かれて実践研修です。寒いだろうと覚悟していましたが、思いのほか暖かく、研修日和となりました。

*ピットチェックは、雪面から、地面まで(約2m)を垂直方向に掘り、日の当らない面を観察し、昨年末から今日までの降雪の状態を把握します。弱層・雪の結晶・硬さ・温度をチェック。また、最も簡単に行えるハンドテストを個々に行い、弱層面での滑りを体感しました。
*ビーコンを使用した雪崩埋没者の捜索では、2班に分かれ、それぞれ相手の班の捜索時間を発生事象ごとに記録し、終了後、概況を述べた後に、良かった点・改良点をディスカッションしていきます。実際にやってみると、これが大変な事に気付きました。
・ビーコンのポイントが定まらない ・ゾンデが素早く組み立てられない ・掘り出しに時間がかかる等

やはり、大切なことは、きちんと指示の出せるリーダーがいる事、あせらない事でしょうか。そして、何度となく反復訓練を行っていく中で、これらの問題点は、かなり軽減されるようです。

最後に搬送の仕方を行いましたが、これも、どれだけ素早くツェルトや手持ちの装備品で担架を作り、傷病者にダメージを与えず行動できるかです。

山岳センターで、毎年、行われる講師研修会は、夏と冬の2回開催されますが、どちらも内容の濃い研修です。
講師からの一方通行の講義だけでなく、講師を含め、グループ内の初心者から経験者までが、一緒に実技を行いながら話し合い、お互いの技術を高めていきます。
一年を通し、山に行くのなら、是非、参加して欲しい研修会です。


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