諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

三つ峠

2010年07月17日 | バリエーション・登攀


7月度 月例山行 

場所:三つ峠

日時:7月10・11日

参加メンバー:まっきー、U山







7月の月例山行のテーマは岩登りということで、
当初はバットレスだの錫杖だのと言っていたが、参加予定メンバーの経験や天候等を考慮して、
三つ峠にて山の岩登りに必要な基本技術をおさらいすることとなった。最終的には参加者は二人だけとなってしまったが
まあその分、細かなところまで目が届いてよかったということにしておきます。







10日 晴れ 一般ルート周辺/中央カンテ/アブミの練習

6:30にまっきー車で茅野駅を出発。
十数年前の記憶を頼りにナビを務めるが、林道の入り口を見落として峠を下りきるわ、
登山口の手前に茶屋があるはずだなどと大嘘をつくわで、余計なことは言わずにカロッツエリアに全てをお任せすべきであった。

アプローチは途中からまっきーが先行したが、うっかり待ち合わせ場所を決め忘れたたので、小屋に着いても姿が見当たらない。仕方ないので岩場まで降りてみたがそこにも見当たらず、再び小屋に登り返してようやく行き会えた。

こんな時間のロスもあって、ギアをつけて登り始めたのが昼近くになってしまった。
天気は上々、梅雨の合間の貴重な晴れ間となった。岩場にはガイド講習会、大学山岳部、関西系大パーティー等30名ほどがいて適度に盛況である。

一本目は中央カンテを予定していたが、すでに3パーティーほど取り付いているので一般ルート周辺を登って空くのを待つことにする。

まずは、リーダーピッチ~クーロワール。ダブルロープリードの基本を教えて、まっきーにリードしてもらう。安全第一で、使えるところには積極的にカムを使ってもらった。クーロワールはクラックの中がまだ濡れていて、まっきーも少し手こずり気味。フォローをしてみれば三つ峠特有の磨きこまれた滑り易いホールド・スタンスに気が抜けない。終了点から一段上がって懸垂で下る。懸垂ロープの結び方・投げ下ろし方・バックアップのとり方等ひととおりおさらいをする。

次に中央カンテに移動し、ツルベで4ピッチ(U山 奇数、まっきー 偶数)。下部2ピッチはぱっとしないが、上部2ピッチはカムも決まってそれなりに楽しい。終了点から懸垂2回で下る。2回目は50mいっぱいで爽快。



<中央カンテ4P目>

日差しが出て気温が高いのと、久々のマルチに体がついていかないのと、これまた久々の高度感や面倒なロープワークに対する気疲れで2人ともかなりグロッキー気味。今日はここまでとしても悪くはなかったのだが、まだまだ日も高いので、半分義務感から左フェースと中央フェースの境目あたりでアブミの練習をする。

一通りを終えて、荷物を取りにもどると、大学山岳部の女の子が懸垂ロープにぶら下がったまま動けないでいる。下まで行っていろいろ聞いてみると、どうやらディジーを8環に巻き込んでしまいにっちもさっちもいかなくなったらしい。そして、まだ岩登り2回目ということで自己脱出の知識も経験もなくどうにもならないとのこと。幸い上にはロープを持った仲間達がいるそうで、彼らが救援に来るまでの間、バックアップとして下で軽くロープを引いておいてあげた。
この大学山岳部パーティー、足回りは全員黒のおそろいの登山靴で、リードのプロテクションはヌンチャクを使わずピンにシュリンゲを通して作るという二昔以上前の自分の学生時代と全く同じスタイルで登っていた。
事の是非は別として、今の時代、体育会山岳部といえども、乾いた岩場はクライミングシューズで登っているものとの思い込みがあったので、それを目にしたことは驚きであり、懐かしくもあり・・・。それとも、三つ峠を含めた純本チャンの岩場では今でもけして珍しいスタイルではないのだろうか?(少なくとも、十年ぐらい前でもほとんど目にすることはなかったが・・・)しばらくするとリーダーと思わしき男子学生が救援に到着したので、本日は終了。

四季楽園のおばさんに”本当は張っちゃいけないのよ”と言われた二つの小屋の間のテントに戻る。このテン場、自販機で缶ビールを買えるのがうれしい。暗くなるとテントの周りをヒメホタルが舞っていた。


11日 曇り 昼前から雨  逆V字ハング 


テントの外はすっかり明るくなっているのだが、疲れきっているせいか、いっこうにまぶたが開かない。そのままだと昼過ぎまで眠りこけそうな勢いだったので、意を決してシュラフから這い出す。天気は高曇り。予報通りに昼前には降り出しそうな気配。

今日はアブミで登りましょうというコンセプトなので、人工ルート中、唯一☆が二つついている逆V字ハングを登る事にする。

1P目 まっきー担当 昨日の練習の成果もあって(?)楽勝。







<1P目>

2P目 U山担当 1ピン目が遠く、脇のリスにアングルを浅打ちしてズルホールドとする。その先は一部フリーも交えてボルトラダーをたどる。逆V字ハングは常に片足が岩に突っ張れるのでさほどのことは無く、付け根のクラックにカムが決まるので、わりと心穏やかに登れる。ハングを乗っ越し、クラックを数メートルたどればビレイ点。取り付きまで遮るもの無く広がる足元の空間が、爽快でもあり恐ろしくもあり。




フォローのまっきーは初めてのアブミのハング越えに少々苦労したようだ。次のリードをためらっているように感じたので”代わろうか?”と水を向けると、”うーん、でも行ってみます!”と闘志溢れる(!!)回答が返ってきた。この男、ウチの会には少しもったないかもしれない。

3P目 まっきー担当 10mほど登ったところに懸垂支点があり、その先ルートが分かれているが、どちらもいまいちとのことで、そこでピッチを切ってもらいフォローする。ビレイ点から先を見ると、正規と思わしき右方向はラインが判然とせず、直上ラインはリングが切れたボルトが続いている。それを見て”何も無理すること無いよ”と懸垂の準備を始めたら折りよく雨が落ちてきた。(あとでよくよくトポをみたが、どうやらここが終了点だったようだ)

昨日に引き続き懸垂2回で下る。1回目は逆V字ハングから先が空中懸垂となって豪快だった。



<懸垂で下る>

幸い雨脚が強まることは無く、小雨の中を上だけ雨具を着けて下山する。
14:00過ぎに駐車場着。終了。



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