諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

富士山 雪訓

2009年12月18日 | 講習会 等
富士山雪上訓練

09年12月12・13日
メンバー:(宿泊組)Mar、U山、osho、F巻、山P、Y島(茅野CC)
     (日帰り組)ふるさん、岩ひばり、あさ

12日 曇り

八ヶ岳PA に7:00集合。
今回は、宿泊6名、日帰り3名 計9名の諏訪山岳会としては久々(異例?)の大パーティーとなった。

昨日の雨でスバルラインはだめだろうということで、わき目を振らずに馬返しを目指し9時前に到着。すでに駐車場は満杯で、少し下った路肩に駐車する。
今回は共同装備にアライ10人テン、大コッフェルといった大物があったので装備分担が不安であったが、日帰り組の3人がポーターを引き受けてくれたこともあって各人のザックも適度な大きさに収まった。

9:30出発。1800m付近?から雪が現れはじめ、時折、樹上からの雪溶け雫が体を濡らす。
1時間ほど過ぎたあたりから、山Pが新品プラ靴の靴擦れのために遅れ気味。
”あさ”さんからインナーソールを借りて、履いたり脱いだりいろいろ試していたが、どうしたってかなり痛そうで、気の毒であった。

12時過ぎ 佐藤小屋着。一段下の路上にテント設営。テントは10人用というだけあってさすがにでかい。
百名山からの借り物なのだがなぜか外張りに”諏訪山岳会 2000”の手書きあり。
なんでも、年寄り組がヒマラヤ用にと買ったらしいのだが、その後、百名山に引き取ってもらったとか。
テント設営後 佐藤小屋先の雪面にてキックステップ等の歩行訓練。
雪が締まっていないのであまり良いトレーニングにならなかったが、形だけは教えたつもりなので新人さんは今後の山行の中(アプローチ等)で意識して使ってみて下さい。

記念撮影後、日帰り組は下山。宿泊組は下りがてら耐風姿勢なぞをやってみるが、この時期の富士山とは思えぬほどの穏やかな天気で全く実感が伴わず、本当に形ばかりの訓練であった。




帰幕後は、余裕たっぷりのスペース(10人テンに6人)での楽しい酒宴、夕食となった。日帰り組の皆さん、差し入れ(漬物、水・・・)ありがとうございました。
就寝後一時的に風が巻く音がしていたが、そのうちまた風も止み、静かな穏やかな夜であった

馬返し9:30-佐藤小屋12:30 テント設営後、雪訓 15:00まで




13日 晴れ後曇一時小雨
4時起床。朝食は”味噌ひき肉炒め入り力ラーメン”。
料理長のoshoには、今後の食料担当を一手に引き受けてもらいたいものである。
Marさんが横になったきり、一向に動かない。そのうち頭が痛いと言って再び寝袋に入ってしまったので、彼を残して6:00 出発。
登山道を小一時間ほど上がったところの道路下に良い斜面があったのでそこを雪訓会場とする。
今日も12月の富士山とは思えないような穏やかな天気で、絶好のアタック日和・・・。
が、アイゼンを付けて日も浅いメンバー達を自分一人で引率して安易に頂上に向かわせるわけにはいかない。
まずは、滑落停止からスタート。雪が締っていないので滑ることができず、かわりに前方・後方でんぐり返しから停止姿勢に入る訓練をしてもらう。
同時に、バランスを崩した際は、即座にピックを打ち込むなりして、この体勢に入らずに済むようにすることのほうがはるかに重要であることも伝えた。

続いて、ロープワーク。雪面でのビレイの取り方、制動確保によるビレイ(腰がらみ、肩がらみ、スタンディングアックスビレイ)を実施。

これらを一通り終えたところでmarさんが合流。頭痛の原因は禁煙の副作用とのことで、体をこわす前にタバコを再開した方が良いような気もするがいかが・・・?

大休止後、大沢のアイゼン登高に移る。
トラバース時の山足、谷足の使い方、アイゼン装着時のキックステップ、ピッケルを突くタイミングの取り方等に気をつけてもらう。


下を見れば、見渡す限りの雲海で、富士山ならではの眺望が広がる。
七合目付近まで登った時点で11:00をまわったので、登山道にトラバースして下り、雪訓終了。
テント撤収・パッキング後、下山を開始。
日帰り組が持ち上げたものをおろさなければならないので、登りより荷物が増えたが、皆元気に休むことなく凍った登山道を一本で下る。14:40馬返し 着。
お疲れ様でした。



テント発6:00-帰幕12:30-テント発13:30-馬返し14:40



<後記>
今日(12/18)の昼に、oshoさんから片山右京パーティーの事故の件を聞いた。
まあ、この天気じゃ充分にあり得るなというのが自分の感想であるが、oshoさんはつい先週の穏やかな富士山からは想像もつかないとのことであった。
たしかに、先週の富士山しか知らなければ、彼女のように感じるのが普通だと思う。

そういう意味で、今回の雪訓の耐風姿勢・滑落停止は、新人さんには実感が伴わない訓練だったと思うが、冬山に行けばこれらの技術(が身に付いていること)が要求されるシチュエーションはたくさんあるということだけは覚えておいてもらいたいと思います。

今回の雪訓の不足分については、今後の山行やGWあたりで補うことにして、来年は頂上を目指せるように、雪山の経験をたくさん積みましょう。



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1 コメント

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Unknown (osho)
2009-12-26 07:41:46
わたしのザックのまがりようがヒドイ。

富士山は天気がよくて楽しかったですね。テントも広々、あったかいし、たべものいっぱいあったし。
一方で、翌週の片山さんの事故にはびっくりしました。「富士山はこわい」という話が現実として認識できた気がします。
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