諏訪山岳会公式ブログ

諏訪地域の山好き、クライミング好きが集まって、ウラヤマからヒマラヤまで四季を通じてオールラウンドに活動しています。

流星めぐり 小川山

2017年11月23日 | クライミング
日時:2017年11月12日(日)
メンバー:岩ひばり、O石、T嬢、N原



岩ひばりさんがまだ”ひよっこ”(?)だった時に登った思い出のルート「流星めぐり」を登ってきました。
岩ひばりさん、O石さん、N原は昨日の藐姑射岩に続き2日目の小川山。
寒いのでキャンプはせず、家から通いました。
金峰山荘、廻り目平キャンプ場の本年の営業は最終日というまさに冬支度の日、そのとおりの寒い朝7:30過ぎに廻り目平に到着。さすがに人も車も疎らだ。
気温は間違いなく零下、日陰の道も広場も霜で真っ白だった。

身支度を整えて、林道を金峰山方面に歩き、フェニックスの大岩を過ぎ、さらに10分程度歩くと右手に祠が見える。祠のすぐ裏には大きな岩があり、その付近にも岩があるので取付点を探したが見つからず、実際はもう少し進んだところに道からでもすぐにわかるスラブにボルトが見え、そこまで行けば難なく取付点を見つけることができた。装備をつけ、それぞれのパーティの2人分の荷物をひとつにまとめセカンドが背負うことにして、残りは取り付きにデポしていざ出発。このころには日も高くなり、日の当たる岩場は暖かくなり始めた。

1P(5.9)
先行は岩ひばり・T嬢の女性チーム。1Pは岩ひばりさんがリード。続くはO石・N原の男性チームこちらは奇数ピッチO石さん、偶数ピッチN原のツルベで登る。
1Pは逆層のスラブだが、手足豊富で探して登れば難しくはない。ただ、どのピッチでも言えることだが、踏まれていない岩には苔や乾いた岩茸がびっしりついていて滑りやすく注意が必要。


<1Pをリードする岩ひばりさん>

2P(5.10c)
ここも女性チーム先行で岩ひばりさんリード。最初のリップの乗り越しが核心。じっくり時間を掛ければ難しくはなさそうだが、先を急いで難しい所ではA0も。ここの一手のみが10cであとは難しくないので、全体的には10c??という感じ。



<2P出だしの岩ひばりさん、すぐ上が核心>

2Pから3Pは森の中を右上する踏み跡を辿って移動、遠くからでも岩が見えるので迷う要素はなし。

3P(5.8)
下から上まで単調なスラブ、特に難しいところはない。このピッチからは男性チームが先行。女性チームはここはT嬢がリード。


<3PリードのO石さん>

4P(5.8)
真ん中にクラックの走ったボルダー。いろんな登り方ができる。女性チームはここはT嬢がリード。

5P(5.10c)
本ルートの核心と言われるピッチ。女性チームのリードは岩ひばりさん。先行するO石さんもやはり出だしのスラブで手こずっていた。N原は核心はA0で抜けさせてもらいます。


<5P上部をリードする岩ひばりさんと、6PのビレイをするO石さん>

6P(100岩場にグレード記載なし。Ⅲ+と言ったところ)
最初のスラブを抜けると、残りは岩稜歩き。この岩の頂上に抜ける。女性チームのリードは岩ひばりさん。終点にぼろぼろの残置ロープによるビレイ点はあるが、使うか使わないかで安全意識が問われる。ちなみにN原は岩に大きくロープをまわして確保。岩ひばりさんはカムを使用(全ピッチ中唯一のカム使用)。
この頂上から、向かう8P、9Pがはっきり確認できる。ここでしっかり確認したと思ったのに...(泣)


<6P上部の女性チーム>


<6P上から望むゴジラ岩方面。手前の木に沿った岩が向かう8P、その上に9Pのチムニーも見える>

6Pから7P の歩き。ここで迷っているパーティーが多いと聞く。我々もご多分に漏れず...
6P終点からすぐ先の鞍部で左の林間のルンゼへ降りる。右寄りに急な下りを行くと、右手の岩を回り込むように道が続いているのでそちらへ。後で気付いたが7Pの取り付きは、この回り込みの所。しかしそれに気付かず岩壁を右手に見つつさらに進み、右手の岩に近づいてみると、つるりとした大きな前傾壁が迫っきた。これは間違いなくゴジラ岩。進みすぎたと気付き、岩沿いに戻ると、左に上がる踏み跡が見えたのでそれを辿り、苦労して登り着いたところは7P、8P間のビレイポイント。右下からあがってくる7Pのボルトが見下ろせる。やってしまったが、ここまでも時間がかかっているので7Pは飛ばして上へ行く事に。結果的には7Pを飛ばしたおかげで(?)明るいうちに登りきる事ができた。

8P(5.9)
女子チームは岩ひばりさんリード。個人的には、ここと次の9Pが面白かった。スラブを登って、すぐ上のルーフ状の岩の右を回り込んで上へ。回り込むところの岩は角のたったアルペンチックな雰囲気で異色な感じ。ホールドもしっかりしていて楽しめた。


<8P岩を回り込んだところからビレイ点を見下ろす>

8Pから9Pは短い岩稜歩き。8Pの終了点ははっきりしたところがなく、かといって9P下まで行くとロープの流れ悪く悩むところ。岩稜上の大きな岩が動くので注意。O石さんは帰りの東京行きのバスのタイムリミットが来たのでここから予約変更の電話を入れた。予定より時間がかかっている。

9P(5.8)
荷物は下に残し軽身で頂上へ。スラブを上がって、ギャップをまたぎ、右上のチムニーへ。チムニー内にも所々ホールドもあり、バックアンドフットも簡単に決まり楽しいピッチ。チムニー外にボルトがあるので安心。


<9PをリードするO石さん>

9Pを登りきると、岩稜の頂上へ。日暮れも近くなり、山の陰に入った頂上付近は寒くなってきたが、チムニーから続く岩の谷間が風よけになってくれて、9P下より暖かい。昼間の日照で岩が暖まっているせいかも。全員が登りきってから、記念撮影をして下山。



ゴジラ岩方面からも歩いて下れそうだが、一旦荷物を残した9P下まで懸垂下降。さらにゴジラ岩とは反対側の左の林間に歩いており、そこからは谷沿いに下を目指す。この頃には周りも暗くなり林間はヘッデンがなければ足下がわからないような状態に。

薄い踏み跡を辿って下へと行くと、やがて水のながれる沢に出合う。この辺からは要所要所に小さなケルンがあり、道を間違えていない事を教えてくれる。沢沿いに左岸を降りるとやがて林道に。
荷物をデポした取り付きもすぐそば。荷物を回収して駐車場へと歩き出す頃には日もすっかり暮れていた。

駐車場に戻るともう他にキャンパーなどの姿もなく、金峰山荘に立ち寄って聞けば今日がシーズン最終日との事。山荘の人と来年もよろしくと挨拶を交わし帰路についた。

取り付き9時、頂上16半と7時間半の長丁場、少し時間がかかり過ぎでした。
次回はさくさく登れるよう精進して再挑戦します。

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