今日初めてコートを下ろしたが電車内が暑くて着ていられない。10℃くらいでは全然寒さを感じない自分の身体がおかしいのだろうか。
最近、某図書館で37年前刊行された井上靖の随筆本を見つけた。昭和40年代の後半に発表されたショートエッセイを寄せ集めたものである。
もうとっくに絶版となっているから、図書館や古本屋でないと手に入らない。ページの大半が茶色に黄ばんでそれだけで年季や年代を感じる。
井上靖という作家は実に飾らない文体で、読んでいて胸がすっと静まる自然体の文章である。少しも大袈裟なところや気負ったところがなく、説明もくどくなくて、それでいて人間の大事な本質をさらりと平易に述べる。
以前書いたが私が初めて読んだ小説(井上靖「夏草冬濤」)も中学生がすらすら読める情景の浮かぶ物語であった。時代は昭和でも、その感性や人間らしさはそのまま令和のこの時代に十分生きる内容だ。
電車の中で、お昼を食べながら、仕事の隙間時間見つけてゆっくり噛みしめて読む楽しさがある。いい本に出会うとほんとうに生きてて良かったと実感する。凄い偶然が作用するのも人との出会いと全く一緒だと思う。
今年ももう10日あまり。年の瀬は何故だか慌ただしく過ぎてゆく。そろそろ年賀状の準備に入らなくては。年賀状だけで繋がっている旧友がいる。
旧制第四高等学校柔道部で主将。
赤門は加賀藩上屋敷。
つながってますね^ ^
よくご存知ですね。井上靖先生は高校まで伊豆、浜松、沼津で過ごされ、今の大学にあたる金沢大学で柔道部主将でした。なんと理系で理科をご専門に勉強されて卒業されました。直後に、九州大学文学部に入られて2年足らずで中退、京都大学哲学科に入られました。京大の教授に気に入られてその娘さんとご結婚されたという経緯があります。
若い頃から、いつか加賀百万石エリアを訪れたいと願望してました。
赤門は本郷にある東大赤門です。でも東大赤門は、加賀藩主大大名前田家の門をそのまま真似て作ったものだそうです。本郷キャンパスにある三四郎池も、前田藩邸にある庭園の池とそっくりだそうです。
いつか本物を拝見したいものです。