拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  『龍年』にサラバする前に…

2024年12月30日 | 東洋自分なり研究所

  今年2024年は『辰年』であったが、私は辰年生まれの72歳・・・。

  いわゆる年男として、何かいい事あるカモ!?・・・の期待を抱いたものだが、新春早々相方が入院したり、

  私自身風邪や花粉症でわりと長期間、気管支を痛めつけられ、こともあろうか元日に能登地震が起き、戦争も各地で広がるなか

  トランプが米国大統領に選出される等など、ネガティブな事がいつもより多い年であったような気がする『辰年』。

 

  前回の私の辰年が12年前の60歳の時であったから、『辰年』の『龍』の意味についてなど仕事にかまけて考える暇もなかったが

  今回は定年退職の身分であり、考えるとは無しに『龍』が象徴する意味について、たぶん一年をかけゆっくり考察。

 

  十二支の中で、唯一架空の動物というか生物・・・『龍』には、一体どうゆう意味があるのか? 

  『龍年』に生まれた者として、この問題は今年中、つまり明日中には解かなければ…と、我が『龍性』に尋ねてみる・・・。

 

  円覚寺で修行中、仏殿の天井に描かれた大きな『龍』の下で大勢の僧侶が朗々と経を読む場に何回か遭遇したが

  当時は『禅』と『龍』の関係性を知るべくもなく、ただ龍のパワフルな『ギョロ目』が印象に残っている・・・ぐらいなものであった。

 

  禅の修行で最も重要視される力(ちから)は、禅定力・・・というもので、坐っている時、あらゆる妄想を断ち切って、『無』で居続ける

  定力が、坐から立ち上がった瞬間、雲散霧消するような禅定力では話にならない・・・

  そういう意味では、パワフルな禅定力を可視化した姿が『龍』ということが云えるかもしれない。

 

  そして先日話した三学の『戒ー定ー慧』の『定』が禅定力で、『慧』というのが、龍のあの『ギョロ目』が象徴する『観』という事だと思う。

  そこには『観自在』があり、龍の振動を象徴する『観世音』が響き渡ってその救済の意志の存在を力強く誇示する龍の姿は

  釈尊の生誕のときの逸話、四方に向かって7歩あるき、『天上天下唯我独尊!』と雄叫びをあげた仏陀そのものの姿でもあるようだ。

 

            

 

                          どなた様も、良いお年を!

  

 

  

  

  


  高地晴天説・・・

2024年12月30日 | 娑婆惰罵駄(シャバ・ダバダ)

  およそ30年ほど前、私はスイスフランス語圏を中心にフリーの観光ガイドとして、日本から来た観光客をバスで案内していた。

 

  やはり冬は客が減るが、ジュネーブからバスで1時間半で行けるヨーロッパ最高峰の麓の町シャモニー行オプション観光の

  レギュラー・ガイドとして雇ってもらい、週に3,4回はロープウェイで3800mまで上がり4800mのモンブランを眺めたものだ。

 

  冬のジュネーブはだいたい、どんより曇り空で、期待で気持ちのテンションが上がっている観光客を慰める決まり文句でガイドをスタートしていた。

  『レマン湖のあるこのあたり(ジュネーブ)は標高が低く、冬は低い雲の蓋をしたようにどんよりといつも曇っています・・・。

   だからこれから標高の高い処にいけば、太陽が輝いていますから、ご心配なく』・・・というようなことを言ったような?

 

  2001年の9・11以降、日本の観光客は激減し、2003年になって私は運良く"引越屋"として雇われることになり、

  そんな『高地晴天説』なんかは、低地での日々の生活に追われ、とくに天候のことなど綺麗さっぱりと忘れていた・・・。

 

  今朝起きてみると、テラスから見える空はどんよりと曇り、まさに雲の蓋をした如く暗く曇っていて、こりゃ…一日家に閉じこもって

  ユーチューブ日和だな・・・と思っていた時、相方が『ラックドジュ(ジュラ山脈地方)へ行きましょうよ、上は晴れているらしいから・・・』

  

         

  で、行ってみらたこんな天気で、雪景色!だった・・・。

  電車で我が街から一時間ほどで、こんな風景に出会うとは!! まったく別天地の如く、別次元の如き銀世界。

 

  私はなぜかそれまでの『天動説』から『地動説』に目覚めたような気分になって、これまであの低地での曇り空での生活は一体何だったんだ・・・

  などと、脈絡不明な思いに囚われながら、晴天のラックドジュ(ジュラの湖)からどんよりと曇った我が街へと戻り

  スイスの『高地晴天説』の正しいことを身を以て思い知ったのであった。

  (*じつはブログを書きながら、Netflixのアニメで『チ』という不思議なタイトルの、『地動説』物語を見ていた影響があったのだと思う…。)