昼食のレストランで、生まれて初めてかの煙突掃除夫を見た。
彼らは二人で僕等の席の前に座って食事をしていた。黒ずくめの服、はじめに目が行ったのが手で、ずいぶん真っ黒に汚れているので物知りの日本人女性Hに、見てみなよ、後ろの男の手、まっくろだよ・・・と言うと、すかさず彼らは<Ramoneur>よ。・・・というから何こと思ったら、煙突掃除夫のことであった。
かっぷくのいい若い煙突掃除夫の横にこれまた真っ黒なシルクハットが置いてあった。煙突掃除夫がこんな帽子を被るなんてなんだかおかしいが、そういう決まった衣装なのだそうだ。H によると、冬が終わったこの今のシーズンが彼らの一番忙しい時期であるという。ここ西瑞では暖炉をもっている家はお金持ちだけで、普通アパートに住んでいるものには暖炉なんてないので、彼らを見かけることはなかなかないそうだ。
煙突掃除夫を見かけるのは縁起がいい・・ことだそうで、こいつあ、春から縁起がいいやー!
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