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花鳥風月∞日々あれ是日記

木越洋バッハ無伴奏チェロ

2018年05月27日 | クラシック音楽


木越さんのチェロの音色はホントに美しく響く。
チェロと云う楽器の特性を知り尽くし、最大限に表現しようとしているのが弾かれる姿観るだけで分かる。
よく聴いてたN響やサイトウキネンの大勢のチェリスト中でも、明らかに一人ソリストとして演じてた。
それは決してチェリスト特有のおおらか朗々と歌い上げる分けでもなく、ごくごく自然に端正に弾かれる。
丁寧な弓使いはどこまでも艶やかに、チェロの響きをたっぷりと聴かせてくれる。

チェロを響かせる!って云うことでは、今回もそうだけどソロリサイタルの時の演奏形態が個性的。
よく観る床に直接椅子とエンドピン置かないで、椅子の下、足置き場に木箱置いて、
エンドピンには台形の密封木箱に刺して置いている。
明らかに、チェロを響かせる事に拘りぬいてる。
何だか、ちょっとやり過ぎじゃないのって想われてもしょうがない様子なんだけど、実際にエンドピンを
箱に置いただけで、チェロの胴体が響き渡ってビックリした!
木越さんの演奏自体にも響きにこだわる姿があって、ビブラート利かせた後に、音の余韻を響かせるため(たぶん)
す~っと、チェロのネックを身体から離す。

長年弾かれチェロのこと隅々まで知り尽くした人だから、なんの違和感もなく木越洋さんの拘りに酔いしれる幸せよ。