『日露戦争の開戦で、全てのマスコミが「戦争支持」で一致した理由とは』
今回の『朝日バッシング』の様な摩訶不思議な話は、日露戦争に反対した110年前の萬朝報以外に類似例が無い。政府や他の全ての新聞にバッシングされた萬朝報は、それまでの反戦から戦争支持に転向して終い、日本のマスメディアが『日露戦争開戦』足並みをそろえている。
日本の新聞に限らず、世界中の新聞社(マスコミ)ですが、戦争を煽ることで部数をのばしてきた悪しき歴史があるのですね。(新聞社も営利企業として最大限の利益の追求を行っていた)
萬朝報は、今までの反戦(日露戦争反対)から戦争支持に180度論調を変える事で、(勇ましい記事を喜ぶ読者に迎合して)新聞の部数を伸ばそうと考えたのである。
ただ、今回は正反対。
一般読者ですが安倍晋三とか産経とかの『日本軍従軍慰安婦はでっち上げ』の嘘八百のキャンペーンには全員がうんざいしていた。
110年前の萬朝報とは違い、朝日が転向しても部数は増えない。
朝日新聞ですが増えるどころか、転向すれば必ず減ることは最初から予想されていたのである。(想定内どころか計画のとおりというか、それ以外の結果はない)
ところが、今回の朝日バッシングが不思議なのは、転向(記事を誤報として取り消して謝罪)した朝日が購読数を減らしていることでは無い。
千載一遇のチャンスとして今回、朝日新聞を攻撃している読売新聞とか産経新聞も同じように購読数を減らしているらしいのである。
朝日新聞も変だが、読売、産経新聞も同じで、これは営利企業として無茶苦茶、少しも辻褄が合っていないのである。
『誤報に悪乗り…読売新聞「朝日叩きキャンペーン」の大誤算』2014年9月22日日刊ゲンダイ
単なる朝日バッシングは逆効果。現場レベルではそんなムードが支配しつつあるという。
『誤報続きで部数を減らしている朝日から定期購読者を奪って』、読売に乗り換えてもらう販売拡張キャンペーン(A紙対策)が8月後半から始まっている。『上層部はイケイケドンドン、販売店にハッパをかけている。今回の新書プレゼントは、ビラ、小冊子に続く“A紙対策キャンペーン”の第3弾です。新書の発売日に合わせ、今週から勧誘ビラを配る予定です』
『キャンペーンを始めてから、朝日の購読をやめて読売に乗り換えたという朝日の元読者は1割にも満たない。それより深刻なのは、これを機に新聞購読そのものをやめるという“無読”の人がほとんどなこと。』
読売や産経が、『誤報のネガティブキャンペーンをやればやるほど、朝日というより新聞業界全体の信頼を失わせるだけ』『業界全体のイメージダウンにつながる』。
読売東京本社広報部は、『本紙の読者以外の方々にも本紙の検証記事等を分かりやすくまとめて提示していくことが新聞社の重要な責務」とし、「朝日『慰安婦』報道で傷ついた新聞報道に対する信頼回復への道であり、報道機関の使命だと考えています』と回答した。
『余りにも当然な阿呆臭すぎる結果』
朝日叩きの心算が、マスコミ全体の信用失墜で摩訶不思議な『マスコミ叩き』になって仕舞ったのであるが、少し考えればこれは当然の結果である。
今の日本のマスコミの行っている前代未聞の朝日叩きですが、これは蛇(マスコミ)が蛇の尻尾(朝日新聞)を飲み込むと言うグロテスクな構図なのですね。
あるいは、悪ガキ2人が『お前の母さん出べそ』、『お前の母さんは不細工だ』、『お前の母さんはケチで見栄っ張り』と言い争っていると、怖い顔の女性が『兄弟喧嘩は止めなさい』と大声で叱るとの、『子供を叱る母親の笑い話』に類似した馬鹿話。
新聞読者(一般市民)にとっては読売や産経の朝日バッシングのキャンペーンとは『信用ある一流新聞が真っ赤な嘘をつく』以外の意味が無いのである。これでは間違いなく新聞全体の信頼度が致命的に傷が付く。
叩かれた朝日だけではなく、叩いた読売産経など全ての新聞社の購読数の減少は当然な結果である。
『日露戦争時の萬朝報に似ているようで、全く違う110年後の朝日新聞』
110年前の萬朝報であるが、非戦(日露戦争に反対)の時に叩かれていたのですよ。論調を他のマスコミに合わせて開戦賛成に転じたら、バッシングが止まっている。
今回は一見すると似ているが話が逆で、転向(誤報だとして記事を取り消して謝罪したら)激しいバッシングにあっている。
この様な例は食品擬装などではよく見られるが、逆にマスコミでは実に珍しい。
朝日バッシングに狂奔する読売新聞とか産経新聞などマスコミの奇奇怪怪ですが、日本の道徳観とか今までの慣例に明らかに反する異常事態ですね。
我がニホン国ですが謝罪したものを叩くことは無かったのである。本来なら読売や産経は、(マスコミの権威や信用度を守る目的で)180度正反対の朝日新聞の転向を褒め称える歓迎社説を載せるべきなのです。
今回は朝日新聞が自分たち(産経や読売)の主張を認めたのですから、そもそも朝日新聞を叩く正当な理由が無くなっているのである。
河信基の深読み 2014/9/11(木)の 『“産経のドン”は慰安所設置業務に携わった主計将校だった』では、日本軍従軍慰安婦は他人事では無くて産経自信の問題であると指摘しています。
日本軍従軍慰安婦問題での問題点ですが、妨害にあって韓国や台湾では成功しなかった民間基金(実体は政府基金)の失敗に全ては収斂するのではないでしょうか。
日本がアメリカや国連に慰安婦問題で謝罪も保障もしていないとの、根拠が無い『言いがかり』を付けられているのは、不思議な反対運動の結果なのです。
『街の弁護士日記』9月13日記事『朝日新聞「誤報」事件 秘密保護法の生け贄』
『朝日新聞の「誤報」に対するバッシングは、戦後、言論機関(朝日新聞がそう呼ぶに値するかどうかは別として)に対するものとして、かつて例をみない特異な事件に発展した。』との指摘は重要でしょう。
間違いなく『朝日新聞「誤報」事件は、確実に後世の歴史に残る。「誤報」としてではなく、「暗黒の言論統制」の時代の幕開けとして』、歴史の大事なトピックとして残るのです。
この場合、『朝日新聞「誤報」事件も、人格破壊の域に達した。そして、朝日新聞は、西山氏や小沢氏と異なり、人格破壊に屈して、頭を垂れた。』ことが大きい。
今回の朝日の場合、 自ら進んで『朝日バッシング』を先導、あるいは誘発しているのである。その意味では朝日と産経読売の出来レース(筋書きどうりの、八百長の流血プロレス)に見える。
朝日が誤報として取り消して謝罪した記事ですが、『報道の現場では常に起こりうる問題』であり、本来は謝罪も訂正も無い。
ましてや、今回のように読売新聞や産経新聞を筆頭に日本国のマスコミが総がかりで『朝日新聞の誤報』だと断定してバッシングに狂奔するなどは前代未聞。
驚天動地の出来事である。
我が日本国ですが、今目の前で一般市民には一切知らされることなく密かにトンデモナイ出来事が進行中なのである。
『3手先 どころか1手先(目の前の利益)さえ読めない鳥頭』
この『逝きし世の面影』ブログでは何度も何度も、政治では『3手先の読み』が大事であるとの話を強調してきた。
今回の『常軌を逸した「朝日叩き」に狂奔する産経、読売の奇奇怪怪』では全員が1手先の読みを間違っているのですね。
これは絶対に起きないことなのです。3手先が読めなくても、誰でも1手先程度は読めるのですよ。(目先の利益は誰にでも判る)
今の日本政府とか朝日新聞の首脳、産経や読売ですが、多分、ほとんど3歩あるけば過去を忘れる鶏程度の知能しか無いのですよ。餌の前の透明なフェンスを置くと、ニワトリは真っ直ぐに進もうとして餌が食べれないが、犬や猫ならフェンスの横を通って食べることが出来る。
もちろん人間なら幼児でも簡単に辿り着けるのです。
大人が、しかも高偏差値の新聞社の幹部が間違うなど、馬鹿馬鹿しくて話にもなりません。ニワトリ程度の頭の政府とか新聞社ですが、これ、多分インチキですね。壮大な強国一致の大本営発表の詐欺なのでしょう。
読売新聞の従軍記者が騙されて誘拐同然で慰安婦にされた件を詳しく書いております。
所詮は、カネの為にはいくらでもん変節し、「社説」の内容なんぞは無責任そのもの。とても、
他社を非難できる程、主張に一貫性などありません(笑)
TV朝日のデレクターは消されたようですし、北朝鮮のような政治体制に向けて驀進中なので、とても笑えません。
『街の弁護士日記』さんが指摘しているように、今激しくバッシングされている朝日新聞ですが、決して無垢なシンデレラで無くて、悪党集団の筆頭格なのですね。
日本を今のように悪くした張本人なのです。
今のように保守政治家が全員が右翼になった原因とは、朝日新聞などが主導した、小選挙区制と政党助成金による政治改革の詐欺ですよ。
一人一党的な自民党が共産党の様な鉄の党議拘束が出来るようになったのは正にマスコミが主導した20年前のインチキ政治改革なのです。
日本経済の根本を決定的に悪くしたのは1997年の消費税の引き上げであり、これもマスコミが率先して推進した。まだしも橋本龍太郎など政治家のほうが躊躇していたのです。
政治とマスコミの二人三脚なのですが、この場合には自民党や民主党などの保守政治家よりも、社会の木鐸としてのマスコミの責任が大きい。
全てのマスコミが、誰一人も寸分違わない意見だったのですよ。だから多くの善良な市民は『全員が正しいと言っているのだから、多分、正しいのだろう』と勘違いしたのです。
この場合には、『同じ意見』でも、いつもお馬鹿な右翼的意見の産経新聞よりも、見識が高いと思われている朝日新聞の責任が重大です。
全員一致で、しかも『あの朝日が、強く賛成だ』ったことで、政治改革詐欺が大成功したのです。
20年前の朝日新聞と同じことが、赤旗にも言えるのですね。
3年半前のフクシマ以後には赤旗とその他の商業新聞との間には違いが無くなったのです。
今では、全部のマスコミには同じことが書いてあるのですね。だから善良な市民は『全員が同じだから、多分、正しいのだろう。特に何時もなら違うことを書く赤旗も同じだ』と、迂闊にも信じているのです。
赤旗ですが炭鉱のカナリアと同じで、真っ先に危険を知らせる重要な役目があるが、これが少しも鳴かない。
政府とマスコミの二人三脚の馬鹿馬鹿しい偽装工作に対して、一切指摘しない。
政府が行うお粗末極まる全てのインチキに対して、見て見ぬふりで、完璧に沈黙しているのですが、これでは駄目です。