逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

オバマのレガシーGSOMIA(軍事秘密情報保護協定)破棄

2019年08月23日 | 軍事、外交

全ての謎は『日付け』にあった!
『弾劾直前で完全に死に体なのに、超強気のパク・クネ』 大統領選で負けた
オバマの置き土産(時限爆弾)

2年9ヶ月前の2016年11月23日(米大統領選の2週間後)、ソウルの韓国国防部で韓民求(ハン・ミング)国防部長官(国防相)と長嶺安政駐韓日本大使が署名し、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が即日発効した。

ただし、日韓両国の軍事情報を共有する2016年のGSOMIAは公開ではなくて、今までに例が無い(何とも不吉な)摩訶不思議な秘密署名だったのである。(↑写真は、国防部が撮影しメディアに提供したもの)

不思議の理由は、猛烈は韓国の国内世論の反発を先回りして防止する世論(治安)対策だったが、これでは余計に反対世論が盛り上がる。基本的に逆効果なのです。 ★注、パク・クネ韓国大統領は、翌月の12月には与党のセヌリ党からも大量の造反議員が出て圧倒的多数で大統領弾劾が成立し、2017年2月に北朝鮮トップの異母兄暗殺で反撃するが、3月には大統領罷免から逮捕投獄、5月には文在寅( ムンジェイン) 政権成立とほぼ一直線だった。

『GSOMIA1年前の2015年12月28日の日本軍従軍慰安婦の日韓合意とセットオバマ大統領のレガシー

すべての日本のマスコミとか有識者は3年前に情報包括保護協定(GSOMIA)について、2016年との締結年を言うだけで、通常なら有る11月23日の『日付け』が何処にも無い。(赤旗だけ2016年11月と「月」が入っていた)

GSOMIAの正確な締結(秘密書名)日時を入れるとオバマ米大統領の最後のレガシー(最後っ屁)として、『官庁の御用納め』で官僚が全員休みに入る2015年12月28日に締結された『日本軍従軍慰安婦の日韓合意』とGSOMIAが、何れもオバマの迷惑な置き土産だったと気が付く注意深い賢い人が出てくる。★注、11月8日アメリカ大統領選でトランプの勝利直後なので『日付け』抜き。もちろんGSOMIA締結が前代未聞の秘密書名だった事実も善良だが愚かな日本人は誰も知らない。

そのそも2017年1月20日米大統領に就任したトランプが最初にした仕事がオバマのレガシー潰し。地球温暖化協定やオバマケアの破棄、TPP離脱だった。(ただし米軍利権のGSOMIA破棄は反対が大きいで順番を『後回し』にする)

8月22日以前から韓国文在寅( ムンジェイン) 政権からは今回のGSOMIA破棄に対して色々なサインが出ていた。もちろん賛成反対で喧々諤々の論争も起きている。対照的に我が日本国では挙国一致、政府もマスコミも有識者も同じで、全員が『破棄は無い』と頭からGSOMIAを絶対視していた。

さんがリツイート                       

 
戦争はこうして起きる。歴史教科書に出てくるような展開だ。いま不慮の軍事衝突が起きたらマスコミは安倍政権の大本営発表を垂れ流し韓国を一方的に叩くだろう。いよいよ危なくなってきた。正しい日韓情勢を知るには国内報道ではなく外電を見た方が良い。先の大戦と同じだ

さんがリツイート                       

             
 
安倍政権の対韓報復外交は戦後日本が米国のアジア戦略に真っ向から背いた初の事例だろう。米国第一のトランプがアジア戦略の伝統を崩す中、官邸はトランプの顔色しか見ず外務省は官邸の言いなり。期せずして米国というタガが外れ日本外交は暴走している。いよいよ危険だ。

 @mikionz           

 文政権は、GSOMIAを「慰安婦問題日韓合意」とともに朴槿恵政権の悪しき遺産だと見ていると思います。また、この協定は地域の冷戦思考を反映するもの。朝鮮半島の平和が近づく中、これを一旦ご破算にすることは意味あることかと。代わりに北東アジア諸国協調に繋がる軍事協定を構想すべきだと思います。

 
 
 
(関連記事)
 
2016年11月25日 | 東アジア共同体
『韓日軍事情報協定 署名式非公開に批判の声=写真取材拒否も』2016/11/23
署名式の非公開に抗議し、日本の長嶺大使(中央)がソウルの国防部庁舎到着した際、カメラを地面に置いた韓国の写真記者ら
 
『韓国メディアの露骨で過激すぎる抗議に直面した日本の駐韓大使』
イランのPars Todayも『韓国メディア、日韓軍事情報協定の非公開に抗議』と題し、韓国のハンミング国防大臣と、日本と韓国の軍事情報包括保護協定に署名するために韓国国防省の建物に入る韓国駐在の長嶺日本大使に対して、メディアはカメラを地面に置いて抗議を示したと報じている。 韓国国防省の庁舎に長嶺大使が入っていく際のメディアの露骨で激しい抗議を、見てみないふりで報道していないのは多分当事者である日本の報道機関だけである。

『絶対に不可能なタブー中のタブーに挑戦するパク・クネ大統領の超強気の不思議』
2012年6月に署名の1時間前に野党に発覚して担当する国防部長官(国防大臣)の首が飛んで大騒ぎになった曰因縁言い難い、あの日韓秘密軍事情報の共有密約が、なんと今回すんなりと通って仕舞った。 本来なら絶対に無理なのですから不思議だ。条約締結に失敗した影響で窮地に陥った韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、仕方なく自分の『反日』(愛国心)を演出するために竹島に上陸するは、日本の天皇に謝罪を要求するわの上を下への大騒ぎに発展しているのですよ。(韓国では『親日』とは売国奴の意味)
支持率5%のパク・クネ大統領は首相さえ任命できない死に体なのですから、常識的に判断すれば、本来は李明博(イ・ミョンバク)より、もっと無理なのです。ところが、その大人の常識が今回に限ってまったく通じない。たぶん何かの、誰も知らない(マスコミが報道しない)裏の極秘の事情があるのです。
そもそも今回のGSOMIA協定(条約)が無くとも、今は米軍経由で情報を共有しているので日本も韓国も何の不自由も無い。
日本の自衛隊も韓国軍も指揮命令系統はアメリカ軍が完全に握っている。(そもそも指揮命令系統や通信が自国の言語ではなくて宗主国の英語をつかっている売国的な国軍は韓国軍と日本の自衛隊ぐらい)
もしも米軍が撤退すれば、日韓が軍事的に断絶するので、今回の条約は是非とも必要になる。(韓国の仮想敵国の第一位は北朝鮮ではなくて日本だった)
2016年11月8日のトランプ当選で、大慌てで日韓の機密軍事情報の共有が急がれたのでしょう。(トランプが本気なら)『米軍が出ていく』という前提で行われた可能性が高い。
(2016年11月25日記事を短く抜粋)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小児甲状腺がん「疑い」35... | トップ | 憲法や民主主義の原則に反す... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
懸念と失望 (セコイアの娘)
2019-08-24 03:45:05
ペンタゴンが韓国の決定に懸念と失望を表明したが、私は、何かとツイートしたがるトランプが、この件に関しは沈黙していることの方が、ことの本質を物語っているように思う。
このお隣さんとの子供じみた喧嘩、芝居じみている。
きっと筋書のある芝居なのだろうと思う。
返信する
南ベトナム化する日本 (和泉)
2019-08-24 09:01:36
ペンタゴンの公式発表を大々的に宣伝する日本語メディアとそれを妄信する日本世論はまさに去年の米朝会談前の米朝衝突を煽る官邸と日本マスコミのころを彷彿とさせます。

当記事にあるようにオバマが作った協定にトランプが冷淡であることと、米朝間の関係改善見れば日韓関係でしか語れない日本人外交筋、外交専門家の浅薄さが鮮明になったといえるでしょう。

すでに日本外交が蚊帳の外の道化なのは日本語メディア信用しない人間なら常識ですが、アメリカによる干渉で協定破棄を阻止しない時点で気づかないのは日本人の知的水準の劣化を象徴しているのでしょう。

似たような情勢でアメリカの撤退が進むアフガンではアメリカがタリバンと交渉してそのことをアフガン政府に知らせないことはアフガン政府の南ベトナム化と言っていいでしょう。

日本人、日本政府は形勢を見ようともせず、利害を考慮することもできず、アフガン政府を他山の石とすることなど到底できないでしょう。
返信する

コメントを投稿

軍事、外交」カテゴリの最新記事