『真夏の妖怪』
世界注視の中で時間だけは過ぎ去って行き予定されている?Xデーの期日が翌日に迫ったいるが、考えてみれば『期日の判っているXデー』というのは言語矛盾。不思議な話である。
何故ならXデーとは、起こることは確定的であるが、『いつ起こるかが、予測できない』重大事件が起きる日を指すのですが、今回のXデーは大分前から8月2日と期日が確定している。
もっと可笑しいのは関係者全員が、『いくらなんでのオバマ政権と共和党は合意できるだろう』というふうに、根拠が何も無いのですが何となく安心感を抱いているらしいことです。
アメリカ国債の『デフォルトは不可避である』と語る経済学者とかエコノミストは粗ゼロなのです。
ところが、仮に債務上限引き上げに失敗し、米国債がデフォルトとなれば、その影響は想像を絶する。
米国債のデフォルトは基軸通貨のドルの権威崩壊を引き起こして、その後は、世界の経済は誰にも予測不可能な未知の領域に入っていって仕舞うであろうことは、多くの人々が予測している。
今の様に、もしも起きて仕舞うと『致命的な未曾有の破滅』の可能性に気が付いているが、『もしもの時』の想像を絶する結果が恐ろしすぎるので、仕方なく全員が最悪の予想に目を瞑り『いくら何でも・・・・起きる筈が無い』と思い込んでいるさまは異様であり見苦しい。
完全にアメリカ製の安全神話に首まで浸かりきっていた3・11以前の斑目や海江田などの原発村の判断と同じであり、無責任すぎる。
その基本的な精神構造がそっくり同じで浅ましい限りである。
今進行している事態は、『原発は安全』との念仏とそっくり同じであり、まともに危険性の検証作業をする者が無いとは、何とも面妖で不吉すぎる『怪談話』のようである。
『Xデーの不思議』
今の現状認識ですが、ほとんどの人が『起こることは確定的である』とは思っていないらしいが、本当に『起こることが確定的で無い』とすれば『Xデーでは無い』ことになる。
また今回は最初からXデーの期日が決まっているのですから『いつ起こるか予測できない』との定義にも当て嵌まらないことになるので、『Xデーでは無い』ことになるとの不思議な話になる。
エコノミストの思い込み(起きることは確定的ではない)は正しいのだろうか。
大いに疑問だ。
Dデーが対ナチスドイツのノルマンディー上陸作戦のように決定された作戦予定日の極秘日を指す軍事用語であったように、Xデーも元々は軍事用語であって同じように『作戦予定日を意味』していたらしい。
例えば、第二次世界大戦における連合国軍のフランス上陸作戦日がDデーと呼ばれ、日本本土上陸作戦の予定日が「Xデー」と呼ばれていた。
それではアメリカはXデーを、本当に実行する心算だったのだろうか。
日本では、争いごとが激烈であればあるほど勝敗を明らかにしないよう『勝負』は引き分けを最高とするが、アメリカでは逆で必ず最後は勝ち負け白黒の決着をつけて終わるのが常識で『引き分け』など問題外で考えられない。
言葉を変えていうとXデー『確定しているが、時期が未定』の本土決戦の可能性は、間違いなく確実に有った。
アメリカとしても日本が無条件降伏しない限りは、矛の収めようが無いので、やりたくなくても本土決戦で決着をつけるXデーは実行しなくてはならなくなる。
ポツダム宣言受諾がなければ本土決戦(Xデー)は確定的であったのです。
『オバマ政権と共和党のぎりぎりのかけ引き』
そもそも8月2日のXデーですが、ガイトナー財務長官は当初7月8日をデフォルト(債務不履行)の期限としていたが、米財務省は直前の7月2日になってから、急遽8月2日に先延ばししてXデーを延長した実績がある。
今回、ワシントン標準時31日(ロイター)日本時間では8月1日 オバマ米大統領は、民主・共和両党指導部が今後10年で約1兆ドルの財政赤字を削減することで合意したと発表した。
民主共和の両党指導部の合意とあるので、今後上下両院での可決の可能性も出てきたが、民主優位の上院は問題ないが原理主義の茶会運動議員の多い下院での可決は難問中の難問でハードルは高い。
そもそも識者によると、諸々の関連する法整備の事情から10日ほどかかり、7月22日程度の日付で上下両院で可決していないと大問題であるらしいのですね。
アメリカの野党共和党ですが、連邦政府の『医療関係費を削れ』だの『金持ち減税は続けろ』だのと矢鱈と強行姿勢を崩していない。
しかし、そもそも公的医療保険に反対して市場原理で医療費の高騰を招き金持ち減税で税収に欠損を出した最大の責任は現野党の共和党にある。
今のアメリカ政府の赤字の8割はレーガンやブッシュの共和党政権時代の負の遺産である。
特に対テロ戦争のブッシュ政権時の膨大な赤字の積み増しが大きかった。
何のことは無い、今の日本の原発問題での与野党の関係とそっくり同じ構造なのです。
確かに現民主党政権には政権党として、重大責任はあるにはあるが、今のオバマ民主党政権も管直人民主党政権も、前政権の誤った政策での『大失敗の結果』の尻拭きをしているのですね。
『日米両国でそっくりの無責任体質と破綻している現実』
管直人内閣支持率は最低を記録している。オバマ政権も40%の史上最低を記録しているように、実は日本の収拾不能の福島第一原発事故の問題点と、アメリカのオバマ政権が抱える現在の米国債デフォルト問題も、そっくり同じで違いを探す方が難しい。
日本の福島第一原発であるが、政府・東電は半年先の冷温停止に向けステップ2を行っていると発表しているが真っ赤な嘘で事実とは違うと、京大の小出助教は語っている。
何故なら原発の冷温停止とは原子炉が健全で燃料棒が炉心にある状態での話しであり、現状は圧力容器も格納容器も破壊され溶融した高温の100トンもの核燃料はコンクリートを溶かしつつ5~10メートルの地中に沈下している状態で、最早打つ手は何も無いので、汚染水が拡散しないように遮蔽するぐらいしかない。
福島第一の原子炉は助けようが無い状態である。
原子炉圧力容器の温度が下がろうが、そもそも炉心に核燃料が無いのですから、冷温停止など何の意味も無い。
ところが政府はこの状態を国民には隠して、ありもしない安心感だけを宣伝している。
今のオバマ政権は議会が債務上限枠を引き上げに反対しているから、債務不履行(デフォルト)が起きると説明しているが真っ赤な嘘で、今のアメリカの金融危機の本質部分ではない。
日本が東北大震災直後に史上最高の76円の円高に何故なったか。そしてXデーの迫る今の時点で何故超円高に成っているかを考察すれば、『円高』ではなくて『ドル安』であり、アメリカのATM(現金自動支払機)だった日本が、最早アメリカ国債を買うなど出来なくなったことが影響している。
今までは『付き合い』で大量購入したが、今後海千山千商売上手の中国が米国債を買う訳が無い。
これから最悪『破綻』の危険性があるのではなくて、もう誰も買う者が無いのですから、債務上限枠の撤廃があろうが無かろうが米国債が実質的に破綻している現実に変わりは無いのです。
『既に大分前に破綻していた』
今のXデー(デフォルト)直前の不思議な安心感の蔓延ですが、危機が回避される見通しがあるからではなくて、既に致命的な破綻が確実で誰にも避けられないのですから、仏教の無常観にも似たある種の諦観であるかも知れない。
『偶然と必然』の著者フランスの有名な生物学者ジャック・モノー(Jacques Lucien Monod)の言葉のように、
『人間にとってどんなに不安で絶望的なことであろうとも、それが科学的で客観的な知識(科学的な客観的事実)であるならば無条件で受け容れるべき』で他の方法は残されていないのです。
我々はいま、現在の自己を超克・超越して理想に投企すべきであるのでしょう。
そもそも、米国の国と地方の財政赤字総額は、一京円(一兆円の一万倍)を遥かに超えるはずです。 そうだとすれば、持続不可能な赤字であり、米国は歳出大幅削減と歳入を増やすための増税が必要になります。 問題は、米国財政が持ちこたえるために、社会保障費や軍事予算を大幅に削減できるかどうかです。 もしそれが出来なければ財政が破綻して、連邦政府の公的支払いが停止するととに、米国債・株・ドルが暴落して世界経済に甚大な影響が出ます。 さらに、たとえデフォルトが回避されたとしても、財政再建計画がまとまらない場合には、米国債の格付けがAaaから引き下げられて、米株安・債権安・ドル安に拍車がかかります。
ところが、共和党は政府に財政緊縮を求め、連銀にドルの過剰発行をやめるように求めていますが、バーナンキ連銀議長は量的緩和策をやめると米国が不況に逆戻りするのでやめたくないと言っているのです。 つまり、どちらに転んでも、米国経済が救われない可能性があります。
仰られているように債務上限枠は、如何も本質問題では無いようですよ。病理はもっと深くて重い。
茶会運動等のアメリカの原理主義の行っている主張ですが、部分部分では、実はそれほど間違って無いのですね。
ただその全部を総合した結論部分が根本的に間違っている。無茶苦茶なのです。
ティーパティーですが、一言でいえば『自己責任論』であり、それなら資本主義の基本原理です。
ただ剥き出しの資本主義では、自動的に資本主義が崩壊してしまう性質があるのですよ。
これは剥き出しの資本主義だった150年前のイギリスのロンドンでの情け容赦が無いプリミティブな資本主義を科学的に観察してマルクスは、『資本主義の自己崩壊の必然』を科学的に予測しているのですが、これは至極当然な判断なのですね。
現在フィンランドなど北欧の資本主義国が繁栄しているが、これ等の国々が社会主義的な政策をしているのは誰でもが知っているし、その原因が国境を接して対峙していたソ連などの存在は大きいでしょう。
経済的に貧しいソ連諸国が8時間労働制や週休2日、医療費は学費の無料化を採用すれば地続きで接している影響は大きくて、自動的に北欧などに波及する。
オバマの公的医療保険は社会主義であると茶会派は攻撃しているのですが、これも剥き出しの資本主義の自己責任論からの逸脱であることだけは間違いない。
何と、IMFの出したIMF・ワーキング・ペーパー(WP/11/72)によれば、今のアメリカ財政危機を回避するには、連邦政府は今の倍近い88%の増税が必要になるとの試算を発表している。
このIMFレポートの報告の数字が正しいとするとアメリカ財政は『これから破綻する』のではなくて、日本の福島第一原発の現状と同じで、今現在破綻していて救いようが無いのです。
なるほど、これなら前代未聞の椿事である痴漢容疑でアメリカの警察にフランス大統領以上のビップであるIMFトップのスタロスカーン専務理事が突然逮捕拘留される筈ですよ。
拡大再生産(拡大再消費)と私有財産制が資本主義の条件であると、中学校で習います。
利子と配当を支払うために、経済の規模が拡大しなければいけない。
生産で得た利益は、次に消費の原資に回らなければ拡大再生産(拡大再消費)が成立しない。
企業が、利益を得たにもかかわらず賃金(消費の原資)を上げなければ、拡大再消費が起こらなくなる。
利益を賃金や税金ではなく、内部留保や、役員報酬、株主配当にまわせば、お金は消費ではなく、マネーゲームに使われることになる。
収入格差が広がって、豊かな消費を支えるべき中間所得層が消滅する。
そして、法人税を減税して、累進課税を緩和して、消費税を上げるとどうなるか?
消費の原資が漸減し、消費が低迷し、拡大再生産が出来なくなり、資本主義は崩壊する。
★
公平な自由競争は、スタート地点が同じ、乗り物(用具、武器)が同じ、ゴールが決まっているという条件の下で成立する。
スタート地点がバラバラ、乗り物(用具、武器)がバラバラ、ゴールが無いという状況で何が起こるか?
とんでもないハンデキャップ競争、とてつもない強者による弱者の大虐殺、圧倒的な勝者による富の独占…。これが無制限に続く。
条件を同じにして、同時にスタートして、ゴールがあること。
これが自由競争成立の条件だと思うのです。
新自由主義の『勝ったものは正しい、強いものは勝つ、故に強いものが無限に正しい』というような論調はやはりおかしいのです。
おかしいというのは、つまり、人類を不幸に導くということです。
オリンピックに代表されるような競技スポーツの世界では、個々の選手に対して出来る限り競技環境を『平等にするか』に関心があり、スキー板とか水泳の水着の規制を行い統一する。
これとは少し考え方が違い、囲碁や将棋やゴルフなどでは強いものと弱いものとの力量差を無くす目的で、所謂ハンデが設定される。
これは賭博関係の勝負事では良くあることで競馬や競艇での重量制限等は有名ですが、基本姿勢は弱者の保護であり、何となく社会主義的ですね。
他の競技スポーツでも、用具を統一するなど金の有無が勝敗に影響しないように配慮しているのですから、これも何となく社会主義ですね。
これと大違いなのがF1等のモータースポーツの世界です。金持ち優位で貧乏人は絶対に勝てない。
露骨に金の多寡が勝敗に影響してしまう資本主義の権化の様な競技なのですが、その競技ルール上に小さいですがハンディキャップがあるのです。
予選で勝つと、褒美として本選ではポールポジションといって、先頭で出発する有利な権利が与えられる。
この考え方は他の競技スポーツのハンデの考え方とは真逆で、強いものが必ず勝てるようにとの『逆ハンデ』なのです。
まさに、これは社会主義とは正反対の資本主義のスポーツですよ。
これは例えれば100m走で最強のウサイン・ボルトには褒美として99メートルにして戦うような話であり、これでは最初から勝敗の結果は判っている。
ところが世界経済の為替相場にほ、良く考えたらこの競技スポーツのハンデのような不思議な性格があるのですね。
勝負事の勝ち負けでは、相撲の勝ち星の数と負けの数の和は必ず同数である。
誰かが勝つとは、自動的に誰かが負けることなのです。
これは国際収支の話でも全く同じなのですよ。
世界の全ての国が全員黒字にはならないのです。
『世界が100人の村だったら』をこの為替収支にも当てはめれば誰にでも簡単に判ることなのですが、日本のような黒字を溜め込みすぎる国が出てくるから、ギリシャなど大赤字の国も自動的に生まれるのです。
それで勝ち続ける日本国には『円高』のハンデが与えられて一人勝ちしないよう、一ヶ所だけ外貨が集まらないよう、あまりに黒字にならないよう公平に成るようになる仕組みが出来ているが、ところが日本人はこのハンデを工夫や頑張りで乗り越してやっぱり一人勝ちする。
すると前よりも円高になり、輸出のハンディが重くなるが、ここでもやっぱり日本人は一所懸命に頑張るので簡単に乗り越してしまう。
するともう少し円高になりと・・これを延々と続けた結果が今の日本の円高の不況の原因なのですね。
ようは、日本人が人一倍頑張りすぎるのが全ての原因だったのですね。
少しは立ち止まって、自分とギリシャやアメリカとは同じような国家財政の危機に見えていても、正反対の原因で苦しんでいるのだとの認識が必要でしょう。
実は経済学はそれ程難しい学問ではありません。普通の自然科学では大きなものをそのままではなくて小さい部分に解体分解していって顕微鏡的な方法で、客観的な科学的な真理や原則を見つけて、それをもう一度大きな全体に還元していくという方法が主なのですが、
経済学など社会科学ではこの方法は無理なのです。
自然科学でも生態学のように、経済学や政治学などの社会科学では、大きな対象物を大きなままで検証する(望遠鏡的ではあるがワイドレンズのような)必要があるのですね。
このコツさえ飲み込めれば経済学などは理解しやすくなるが、この手法は実は何時もの慣れ親しんだ顕微鏡的な自然科学の手法とは大きく違いので、これで皆さんが途惑うだけなのです。
8月2日のXデーになったら、何と驚きの、
『国が破綻するどころか、むしろ再建がスムーズに?ソブリン危機で恐怖が一人歩きした「デフォルト」の真実』
との真壁昭夫信州大学教授の話が出てきています。
その主張は、アルゼンチンや韓国やロシアは、デフォルトで成功しているとするものです。
それらは1流の先進国とは到底言えず贔屓目に見て1・5流か、2~3流の国家ですよ。
超大国のアメリカと同列に論じるなど無茶苦茶です。
『デフォルトを発生させることによって、短期的に経済低迷や激しいインフレなどに苦しめられた国は少なくないものの、その後はデフォルトの経験を活かして、しっかりした成長への道を歩んでいるケースが多い。』
この分析は部分部分は正しいのですが、同時に、一番大事な『ドルが国際通貨である』との視点が欠落しているのですから、何ともインチキ臭いのですね。
それでも、この主張が8月2日以前に出ていれば幾らかの真実を含んでいて傾聴に値するが、
8月2日の期日をすぎて円高に協調介入に入っているにも拘らず最高値の0.04円程度の超円高の水準で推移している現状での発言では、何とも胡散臭い代物であると、いわざるをえないでしょう。
日本の貿易黒字について、追加コメントさせていただきます。
日本の貿易黒字とは即ち、日本人の労働によって出来た、値打ちのある商品やサービスが国外に流出し、反対に外貨、米ドル、米国債の所有権を得たということですよね。
外貨や米国債を積み上げて眺めてみても、日本人の暮らしは豊かになりません。
日本人の労働で出来た商品やサービスを輸出するのではなく、もっと国内で消費するようにするべきです(内需拡大政策)。
日本は19年連続対外純資産世界一で、企業の内部留保は調査開始以来最高額に高まっているそうです。
「日本人が貧しくなったのは、韓国や中国との貿易戦争に負けたせいだ!輸出をもっと盛んにして韓国中国を打ち負かせ!(そのために賃金を下げて雇用を流動化し法人税を下げろ!)」
という論調が、いかにおかしいか。日本は、経常収支、貿易黒字、対外純資産を積み上げすぎたせいで(暮らしが)貧しくなった、が正解でしょう。
失敗は成功の元という格言があるのですが、今の日本経済の苦悩とは、この格言のちょうど正反対。
『成功しすぎたのが、いまの大失敗の原因』だったのですよ。
これは、
家計から見る経済学
2009年01月30日 | 経済
で詳しく論じているのですが、抜書きすると、
『戦後ずっと、景気回復期には、需要が増える(輸出や公共事業が増える)と、それによって企業の売り上げが増える。→生産活動が活発化。→企業の利益が増える。→景気が回復に向かう。→企業が雇用を増やす。→賃金を上げる。→家計の所得が増える。→消費が増える。→消費が増えると企業の売り上げが増える。→生産活動がさらに活発化する。→企業の利益がさらに増える。→家計の所得がさらに増え。→消費がさらに増える。
というふうに、景気は一度回復に向かい始めると本格的な回復へと自立的に動いていくことになる。
ところが新自由主義的な発想の改革が提唱されだして、今までのこの流れとは正反対の動きが始まるのですが、バブル崩壊でその動きが加速する。
正規雇用を非正規雇用に置き換えるリストラで『企業の利益』は、家計の所得には全く向かわない。→企業の利益は株主配当や内部留保にまわし従業員には還元しない。→暮らしは良くならず景気は本格回復できない。→何時まで経っても輸出頼みの景気回復となっているのでサブプライムローン等アメリカの金融危機で国内景気がたちまち悪くなる。
現在の日本の経済危機は、今まで10年間続けてきた『構造改革』によるもので、『起こって当たり前』の当然の事柄であり『当然の結果』であった。
今の不況の最大原因は国内需要の決定的な不足であり、その原因とは、『徹底的に生産側を合理化して安くて良い物を作りさえすれば需要は自動的に付いて来る』
との発想で、企業収益を上げようとしたことだったのですね。
暮らしに思いを馳せる経済学--景気と暮らしの両立を考える
2009年01月06日 | 経済
誠に感銘を受けました。まさに、その通り、ご慧眼の極みであると思います。勉強させていただきました。
日本のマスコミですが、実に不思議なことですがまともな経済学者を一人も登場させない。
これはあの原発村の安全神話と同じ構造であり3・11の以前には京大の小出助教など原発の危険性を知っている正しい科学者は村八分のあり絶対に大手のメディアでは出番は無く、鼻つまみのトンデモであったのです。
今のマスコミなどで発言している自称経済学者とかエコノミストですが、経済学ではなくて、贔屓目に見ても個々の企業の収益を考える経営学程度か、もっと小さな範囲の会計学程度ですね。
彼らの語っているのは小さな範囲を扱う経営学とか会計学的には正しいのですが、決して大きな社会全体を扱う社会科学である経済学ではないのですよ。
そう思うと、余り腹が立ちません。
日本国は財政赤字なので、消費税など増税が必要であるとの主張も経営学とか会計学的な極一部の狭い範囲の経済だけを考えるから、必然的に出て来るのですね。
経済学のイロハのイ程度の基礎知識である、『消費税とは最大のインフレ対策である』との経済原則が判らないのです。
今のアメリカの病理ですが、消費税で苦しんでいる日本とは大違いで、ブッシュ前政権の負の遺産である金持ち減税の廃止(適正な課税)とアメリカに今まで無かった大型消費税の導入でインフレを抑えることが出来れば救えるでしょう。
デフレの日本はこの反対で消費税の即時廃止と社会保障の充実、資産課税や相続税の強化など、日本人が貯めることではなくて、ギリシャ人やアメリカ人を真似て使うことを奨励する方向に誘導する必要性がある。