人生晴れたり曇ったり

「辛酸を嘗めた私の闘病日記」2年半の闘病生活の峠を越え、その後の元気な日常を画像を加えながら不定期ですが書いています。

社員の親族に

2019年02月04日 | 冊子(人生晴れたり曇ったり)

ようこそ

昨日は、男性社員から相談を受けた。なんと親族に肝臓ガンが見つかり、更に転移していて手術も困難らしい。現在も入院中とのことだが、緩和ケアの方向で連絡を受けたとの事であった。社員は30代だが、彼の奥さんの父親で一時は同居していた間柄。一時期は別居していたが、今回の件で再び同居すると言う。

余命宣告を受けて、後一年との報告を受けたらしい。まだ、60代で私と同世代である。

相談は、セカンドオピニオンの件と今後の接し方についての相談であった。私も経験者ではあるが、軽々しく他の病院や先生、治療方法を口にする事は出来ない。あくまで私の体験として話はしたが、やはり主治医と相談して決める事が大切だ。体験者とは言え、私は素人で何の知識も無い。

ただ、接し方については、体験者として「励ましより寄り添い」と言う事は伝えたつもりだ。

ある芸能人の奥さまが、末期ガンで一時退院をされたときに、御主人が気遣って焼肉を食べに誘い、「美味しいだろう」「最高だろう」と問いかけたらしい。患者である奥さまは、同調するように「美味しいわね」と答えたそうだ。また、ある日には日帰り旅行に連れ出して気分転換をさせようとしたようで、笑顔のポーズを作り、何度も写真を撮ったそうだが、その後に彼女は亡くなり、後日の遺品整理で当時の事を日記にしたためたノートが見つかったと言う。

そこには、味覚障害にも関わらず焼肉を「美味しい」と言わなければならなかった辛さや、日帰り旅行のチーズのポーズには、しんどくて耐えられなかったと書かれていたと言う。

重篤な患者は、非日常を好んでいる訳では無い。これまで通りの日常生活を自宅で過ごしたいのだ。

これを読んだ主人は大いに反省し、自責の念に駆られたと言う。患者も介護者もお互いが、病気になってしまうのが、ガンと言う病の恐ろしさである。

重篤な患者は、健常者が思うような事を望んでいる訳では無い。気持ちは理解しているが、やはり孤独である。普段の何気ない生活をしたいだけなのである。激励によって励まされる人も有るかもしれないが、やはり「寄り添う」思いが一番ではないかと思う。私自身が、そうであったように患者は孤独で、病を代わってもらう事は出来ないのだ。どんな励ましも嫌味に感じてしまうものである。

人間は誰しも最後は孤独で一人である。変な気遣いのお見舞いや介護は、かえって迷惑になる事が多い。

相談を受けた彼には、こんな話位しか出来なかったが、自分の体験は一から話したつもりだ。病院選びや治療方法のアドバイスは、私には軽々とは話せない。責任が持てないからである。

穏やかな日々を過ごされる事を祈るばかりである。

では又ね

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