久しぶりに大好きになれる映画に出会いました。
ちょっと上映している映画館は少ないんですけど、『かもめ食堂』という映画です。
http://www.kamome-movie.com/
フィンランドのヘルシンキの日本人が日本の家庭料理を出す食堂の話です。なんにも事件らしい事件は起こりませんし、なにか特別な出来事は起こりません。すっごい結末や大感動のエピソードもたいしてないんです。ただゆっくりとフィンランドのスローな時間が流れていきます。でも飽きない!
小林聡美さんと片桐はいりさんともたいまさこさんが3人の主人公を演じていて、この3人がなんだかステキです。こんな人いいなあって思います。
北欧のインテリアと色使いが作り出す雰囲気と3人の会話の思わずクスっと笑ってしまう絶妙な間がなんだか似ていてしっくりと合います。
あと出てくる料理がおいしそうで!あの肉じゃがとかしょうが焼きとおにぎり*(おにぎり)*がすっごくおいしそうでした。見に行くときはご飯を食べる前がいいですよ。
『ナルニア物語』だの『プロデューサーズ』だのを先週見たのですが、あれはあれでおもしろいけど、隅から隅まで話が詰まっていてさすがハリウッド!すごいぞブロードウェイ!さあ、楽しめー!感動しろー!っていうのにちょっとおなか一杯気味でした。
『かもめ食堂』はちょっとした間とちょっと離れた視点と少しの笑いとスローな時間で心地よくおなかがすいたところで、劇中に出てくるシナモンロールやら、おにぎりやらで腹八分目。帰り道に無性におにぎりが食べたくなるような映画でした。
こんな余白のある人生もどこかにあるのねーと思うとなんとなくうらやましい。日本じゃできないかも。