紹介する論文は、昭和4年(1929)に発刊された『民俗芸術』第2巻11号にて本山桂川(もとやま けいせん、長崎市出島出身・民俗学者、1888.9-1974.10)により発表されている。既に90年余りが経過し、私たちの目に触れることも甚だ困難であると思われるので、太鼓台文化研究のため引用・紹介させていただいた。
長崎くんちでは、太鼓山・コッコデショに限らず、各奉納踊りの山車等に蒲団を用いていることが掲載写真からもうかがうことができる。このことからも、太鼓台の蒲団に関しては決して太鼓台独自の特殊な飾りではなく、太鼓台発展のある時期より、高貴・高尚な祭礼道具として広く用いられていたのではないかと想像することができる。
なお、椛島町太鼓山・コッコデショの蒲団部構造については、残念ながら私は未だ何ら知り得ていない。もしご存知の方がおられたら、ぜひご教示いただきたい。文化圏各地の蒲団型太鼓台との類似点や異なる部分等を知り、太鼓台の蒲団部発展のパターンを客観的に理解できるものと考えている。
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