カメラワーク・演出用語の方で、
カメラワークとレイアウトの意味する所についてまとめましたが、もう少し細かく解説していきます。
カメラワークとレイアウト(画面構成)は視線誘導、感情示唆を視聴者に伝える演出効果の1つであり、
この演出方法で特に上手いと思うのが”安藤真裕さん””長井龍雪さん”です。
特にそれらの大事さが活かされるのがOPで、
OPは台詞やBGMなどの演出効果がなく、絵の動きだけで表現しなくてはいけない。
というわけで絵の動きである”動線”について、
今回は”花咲くいろは”のOPでその辺りを解説して行こうと思います。
これがそのOPです。
カット数は33で、表にするとこんな感じになります。
数字がカット数。 数字横の矢印がカメラワーク。 画面内の矢印がキャラクターなどの動きになります。
カットには必ず見せたい主役が存在します。
主役というのは作品の主人公という意味ではなく、その時々の一番見せたいものという意味です。
わかりやすくそれを視聴者側に伝えるのが、一番大きな動きを見せたり、画面内で大きく配置したりする事です。
例えば、カット13の緒花と民子のカット、
民子は画面中央の狭い範囲で留まっているのに対し、緒花は奥から手前にダイナミックに動いています。
緒花の動きを一枚にするとこうなり動線の幅がよくわかります。
さてこのカットを見た時、どのあたりに注目するでしょう、
踏みとどまっている民子→ダッシュした緒花と視線が動いたのではないでしょうか?
踏みとどまった後の2人の動作を逆向きにすることで緒花の動きに更に勢いを出しています。
そこからカット14に移ります。
カット14は民子が緒花の腕をつかむカットで、民子の手が大きく動いています。
この動線の向きは、カット13の緒花が画面手前に大きくダッシュしてくる動きと同期しています。
つまりカット13の主役は緒花でその動きにカット14を合わせているということになります。
このカットの主役を切り替えての視線誘導はこのOPに幾つか見られます、
それは多分この作品は、群像劇の側面もあるからだろうと思います。
例えば、カット21~23の流れ。
カット21は、奥から手前に巴が出てきて、22でその動線と逆に大きく動く縁、
22で右から来た巴を逆方向に動かす縁、視聴者の視線は右側に動くと思います、そこから23の右側前方に居る菜子へ。
カット21の主役は巴、22で縁、23で菜子と切り替え割っていくのが解ります。
また同カットで主役が切り替わっていくものもあります。
カット21は前方右の菜子がお盆を取る、左側の緒花が台車を引っ張りだす、
それをかわして大きな動きになる巴という流れになっていて、菜子→緒花→巴になります。
これは手前の大きな物から見る傾向を利用した画面構成になっています。
もう一つ面白いのがカット31の友達4人が電車に乗るシーン。
左で大きく手を振る菜子、菜子が左に動くと同時に右から入ってくる民子、民子が乗り込んで左側に注視している所から、
右からつまづきながら大きな動きで入ってくる緒花。
画面の真ん中を見ているだけでカットの主役が切り替わっていくのが解ります。
こういったカットの主役の動線を活かした視線誘導をカットの繋ぎに利用することで一連の躍動感のある流れが出来ます。
このカット31から32への繋ぎに、アクションカット:ACが緒花に使われています。
アクションカットとはカットが切り替わっても一連の動作をしている事です。
カット31で電車の乗口に手をかける所から、32で手をかけきる流れで繋げて、
真ん中で大きく配置し、大きく動くというわかりやすい画面構成で本作の主役をアピールしてます。
またOP冒頭の蝶が飛んでいる事に気づいて無表情で振り向く緒花との対比になっています。
冒頭では左から右に蝶が飛んでいます、左から右は負の配置になります。
逆に終盤は右から左に飛んでいます、右から左は正の配置になります。
つまりは何をしていいのかわからない都会ぐらしで思春期な緒花が、
自然豊かな温泉宿で色々な経験をして自分を見つめなおすという構成演出になっているという事です。
こういったレイアウトにおける演出はまた別でまとめたいと思います。
カメラワークとレイアウトの意味する所についてまとめましたが、もう少し細かく解説していきます。
カメラワークとレイアウト(画面構成)は視線誘導、感情示唆を視聴者に伝える演出効果の1つであり、
この演出方法で特に上手いと思うのが”安藤真裕さん””長井龍雪さん”です。
特にそれらの大事さが活かされるのがOPで、
OPは台詞やBGMなどの演出効果がなく、絵の動きだけで表現しなくてはいけない。
というわけで絵の動きである”動線”について、
今回は”花咲くいろは”のOPでその辺りを解説して行こうと思います。
これがそのOPです。
カット数は33で、表にするとこんな感じになります。
数字がカット数。 数字横の矢印がカメラワーク。 画面内の矢印がキャラクターなどの動きになります。
カットには必ず見せたい主役が存在します。
主役というのは作品の主人公という意味ではなく、その時々の一番見せたいものという意味です。
わかりやすくそれを視聴者側に伝えるのが、一番大きな動きを見せたり、画面内で大きく配置したりする事です。
例えば、カット13の緒花と民子のカット、
民子は画面中央の狭い範囲で留まっているのに対し、緒花は奥から手前にダイナミックに動いています。
緒花の動きを一枚にするとこうなり動線の幅がよくわかります。
さてこのカットを見た時、どのあたりに注目するでしょう、
踏みとどまっている民子→ダッシュした緒花と視線が動いたのではないでしょうか?
踏みとどまった後の2人の動作を逆向きにすることで緒花の動きに更に勢いを出しています。
そこからカット14に移ります。
カット14は民子が緒花の腕をつかむカットで、民子の手が大きく動いています。
この動線の向きは、カット13の緒花が画面手前に大きくダッシュしてくる動きと同期しています。
つまりカット13の主役は緒花でその動きにカット14を合わせているということになります。
このカットの主役を切り替えての視線誘導はこのOPに幾つか見られます、
それは多分この作品は、群像劇の側面もあるからだろうと思います。
例えば、カット21~23の流れ。
カット21は、奥から手前に巴が出てきて、22でその動線と逆に大きく動く縁、
22で右から来た巴を逆方向に動かす縁、視聴者の視線は右側に動くと思います、そこから23の右側前方に居る菜子へ。
カット21の主役は巴、22で縁、23で菜子と切り替え割っていくのが解ります。
また同カットで主役が切り替わっていくものもあります。
カット21は前方右の菜子がお盆を取る、左側の緒花が台車を引っ張りだす、
それをかわして大きな動きになる巴という流れになっていて、菜子→緒花→巴になります。
これは手前の大きな物から見る傾向を利用した画面構成になっています。
もう一つ面白いのがカット31の友達4人が電車に乗るシーン。
左で大きく手を振る菜子、菜子が左に動くと同時に右から入ってくる民子、民子が乗り込んで左側に注視している所から、
右からつまづきながら大きな動きで入ってくる緒花。
画面の真ん中を見ているだけでカットの主役が切り替わっていくのが解ります。
こういったカットの主役の動線を活かした視線誘導をカットの繋ぎに利用することで一連の躍動感のある流れが出来ます。
このカット31から32への繋ぎに、アクションカット:ACが緒花に使われています。
アクションカットとはカットが切り替わっても一連の動作をしている事です。
カット31で電車の乗口に手をかける所から、32で手をかけきる流れで繋げて、
真ん中で大きく配置し、大きく動くというわかりやすい画面構成で本作の主役をアピールしてます。
またOP冒頭の蝶が飛んでいる事に気づいて無表情で振り向く緒花との対比になっています。
冒頭では左から右に蝶が飛んでいます、左から右は負の配置になります。
逆に終盤は右から左に飛んでいます、右から左は正の配置になります。
つまりは何をしていいのかわからない都会ぐらしで思春期な緒花が、
自然豊かな温泉宿で色々な経験をして自分を見つめなおすという構成演出になっているという事です。
こういったレイアウトにおける演出はまた別でまとめたいと思います。
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