福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

不機嫌は罪なやつ

2019-12-19 09:19:28 | 日記
 先日、友人が出演するライブ会場へ冷やかしに行った。最近まで彼がハンドでボーカルをやっていることなど知らなかった。ちょうど久しぶりにゆっくり話もしたかったので、車を飛ばして駆け付けた。
 いわゆるオヤジバンドたちの合同ライブ。会場の公共ホールに着くと、友人のバンドの一つ前の「B’zのコピバン」が爆音を響かせていた。ウルトラソウッル! ガラガラの客席で、最前列の若者2人がヤケクソ気味に踊っている。うーん、男子校ふうのカオス。いい!
 はい、次のバンド。出てきたよ、友人。まさかのグラサン姿で。おい、照れんなよ。
イラスト入りのパーカーにキャップ、スニーカー。ヒップホップボーイのいでたちじゃないか。そして、歌うのはなぜかオールドロックとブリティッシュロック系の計4曲。
 しかし、意外にも、歌がうまい。声がきれい。きれいだけに、しゃがれたボーカルのオリジナル曲とのミスマッチが微笑ましい。MCはこっちが恥ずかしくなるほど、さぶかった。ガラガラの客席の隅でひとり、笑ろた。

 終演後、会場の外で待っていると、ヒップホップ姿の友人が姿を見せた。コンビニで飲み物を買い、そのへんのソファーでだべり。話題は、音楽からつれづれに広がっていった。
 ちらほらと聞いてはいたが、彼、なかなか大変な状況にあるようだ。詳しくは生々しすぎて書けないが、仕事も家庭も、まぁ思うようにいかない。歯車がひとつ狂うと、がたがたと生活全体がきしむ。話を聞きながら、隊員も激しく相通じたのは、どんな組織でも「頭がカタいおっさん」が偉そうぶってるとこは、ろくなもんじゃないってこと。

 そういえば最近、「不機嫌は罪である」(齋藤孝著)って本を読んだ。

 「不機嫌臭を醸し出す中高年男性が多いのは、無意識に『不機嫌=頭がよくて威厳がある』と思っていることが影響しているのでは」(本文引用)

 そう、いるいる。不機嫌なおっさんに免疫のない若い子たちは意味もなくビビっちゃって、職場は水を打ったように、しーん。みたいな。でも、いつも難しい顔してるやつに限って、いざってときに権威に弱いんだよ。仲間を守らないんだよ。

「教師が不機嫌になれば、空間全体の空気が淀み、その不機嫌の対象となっていない学生にまで、不機嫌パワーを及ぼしてしまいます」(本文引用)

 まさに、不機嫌のパンデミック! 短い人生、わざわざ負のパワーにお付き合いしているヒマはない。

 「家長や上司が不機嫌でいられた時代もありましたが、そんな時代は終わりました。現代は『給料はそれなりに多いけれど不機嫌な職場』より『給料は少し下がるけど上機嫌な職場』が求められる時代なのです。部下がたびたび離職するのでは上司としての資質が疑われます」(本文引用)

 でも、他人はそう簡単に変わるもんじゃない。「誰もが聖人」なんて集団があれば、逆に気味が悪い。人間っぽくなくて、イジり甲斐がない。

 じゃ、どうすんだ。
「あなたが上機嫌になれば、周りも上機嫌に変わっていく」(本文引用)

 だよね。頭カチカチ山の不機嫌さんたちは「かわいそうな人ね」と鼻で笑っといて、こちとら勝手に気分良くgo my way。
 ヒップホップの友人とも、まずは一緒にやれる小さな楽しいこと、いくつか始めることにした。「気持ちいいこと、やろうや」。そうだね、ダチよ!