福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

醍醐味は旅の途上にあり

2019-12-21 05:21:27 | 日記
 ロードバイク好きの知人女性が、フェイスブックで「サドルの上からBonjour」と題した文章を書き連ねている。この夏、フランスで開かれた「1200キロを90時間以内に走破する」というイベントに参加したレポートだ。1200キロといえば、広島から札幌までとほぼ同距離。まぁ、よくやるな。
 波乱万丈の道中や、質素かつ贅沢なにわかパリジェンヌ的時間、異国の地で向き合う自らの来し方行く末…がつづられたこのFB連載。フランス、ロードバイクという、隊員には関心の薄いテーマにもかかわらず、「知り合いが主人公だから」という要素を割り引いても、なかなか興味深く読める。
 その大きな要因のひとつに、同類の「感性」というか、「思考の配線」を感じる点がある。

 「地球の輪郭をなぞる。そんな感覚でずっとペダルを回していた」
 例えば、こんな書き出し。アラフォー隊員も地球を肌身で感じたくって、ザックひとつで旅を重ね、はために見れば「非効率、めんどくさい、わざわざそんな…」的暮らしを喜々として楽しんできた。

 「身に降りかかる出来事を、基本的に拒否せず面白がる」
 そんな自己分析もつづる。うんうん。こちらも数ある予期せぬトラブル、失敗をやらかしてきたが、どこかで「オレ、こんなことになってる。おもしろくね?」「へえ、まさか自分にこんなこと起きるとはね。おもしろくね?」と客観視してしまう。かわいくない。周りの心配や同情に「ん? そんな深刻な話か?」と心で思いつつ、「そうなんですぅ。しょぼーん」といちおう甘えておく。性格悪い。

 同世代の彼女とメッセージを交わす中で、「実験」という言葉でつながった。そう! 人生、実験なのだ。実験がないと味気ない。うちら1人がずっこけても、この世界にとっては、ゾウのケツのハエぐらいささいなこと。実験の結果を、大して気にしていない。それでも地球は動くのだ。実験そのものが醍醐味。そんな「生きるスタンス」が似ている気がした。
 この共通項。パーソナリティーの部分もあるが、時代の要素も少なからずあるのかなと思う。「結果と成果がすべて」みたいな今の社会。目的やゴールにとらわれすぎて、プロセスを楽しみにくい世の中。

 そういや、こないだ真心ブラザーズファンだという“あいみょん”がTVで語ってた。「自分はダウンロード数とか気にしながら音楽やってきた。ピュアに音楽をやってきた真心さんが、うらやましい」とか。それを聞いた真心のYO-KINGが「へぇ、びっくり。オレ、その日のレコーディングが楽しければいいな、ってぐらいしか思ってこなかった」とビールをぐいっ。能天気おやじ、いいね。レコード聴いて、ラジオや有線にリクエストしてた牧歌な時代。
 長くなったので、この先はまた書こう。To be continued…