2014年4月24日
北緯78度22分 スバールバル諸島?
あまり聞きなれない名前?その通りだと思う。
ノルウェー北岸から800キロ。
北極点まで 1,000キロ足らずの島々である。
まさに「最果て」なる言葉が当てはまるが、面積は60,640km2
9つの島々からなるが、面積は九州と四国を足したくらい。
人口は2,400名ほど。ただし、有人島はスピッツベルゲン島だけ。
かつては石炭採掘で栄えたが、今はむしろ極地科学研究の
拠点としての意義が大きい。研究施設も充実している。
さて、さしものメキシコ湾流も、北大西洋海流→ノルウェー海流と
名前を変え、さらにスピッツベルゲン海流に分岐し、勢力を弱めながら
水温低下にともないグリーンランド海に沈み込み、
循環海流として大西洋を南下することになる。
さて、話は戻るが、下記の温度グラフを見てほしい。
上から順番に
北緯78度22分
スバールバル諸島西岸スピッツベルゲン島
北緯77度81分
スバールバル諸島東岸エッジ島
北緯82度30分
カナダヌマプト準州エルズミーア島
の各月の平均気温のグラフである。
夏場は、3者それほど差が無いと言えるが、
1~3月だけに絞って見れば、
スピッツベルゲン島は、カナダエルズミーア島より、
15℃以上暖かい上に、同じ諸島の東岸にある
エッジ島より5℃も暖かいのである。
日本でいえば屋久島と、すぐ東の種子島とで平均気温が
5℃も違うと言ってるようなもので、普通はあり得ない話である。
メキシコ湾流はスバールバル諸島西岸に、温暖という祝福を与えつつ
今、静かにその役目を終えるのである。
海流は地球規模で循環し、ある時は暖流として
ある時は寒流として周辺の気候に多大な影響をあたえつつ、
悠久の足跡を刻み続ける事であろう。