高須番長の書道ブログ

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北極海の温暖化が イギリスの夏を寒冷化する

2014-06-21 22:49:02 | 紀行文
2014年6月21日

先日、英タイリー島の 年中11月みたいな気候を紹介した。
しかしながら、あれだけの高緯度にして驚異的に温暖な冬の
後に 何故 不自然なくらいの寒冷な夏が来るのか?
高緯度の割に高温な夏が来ても、よさそうなものではないか?

そう思っていろいろ調べてみると、意外や意外
上のタイトルにあるようなことが、わかってきた次第である。

 北極海の温暖化が、イギリスの夏を寒冷化する?
番長よ 何をたわけた事を言ってるのだ(^_-)-☆
矛盾するにも程がありゃしないかい(^_-)-☆? 

まあ、話を聞きなされ(^-^)

もともと、イギリスを始め西ヨーロッパ諸国は 
メキシコ湾流の続流としての、北大西洋海流という強力な暖流が
海上の空気を温め その暖気を偏西風が東に運ぶことで、
極東でいえば カムチャッカ半島に値するほど高緯度にもかかわらず、
比較的温暖な冬に恵まれている。

北大西洋海流と偏西風
の絶妙なコンビネーションが
西ヨーロッパ諸国の温暖な
西岸海洋性気候を形成
している。

 

 






ところが、ここ数年の急激な温暖化が、
北極海に重大な影響をもたらしている。
重大な影響とは、ズバリ急激な海氷域の後退である。

 

2007年9月24日の海氷分布図   2012年8月24日の海氷分布図

いずれも夏場の海氷域後退のピークを示すが、
カナダ北岸、シベリア北岸、それと今回説明するグリーンランド東岸で、
海氷域が急激に後退している途上を見ることができる。
ざっと見て、ここ5年間で日本の国土2個分の海氷が消えている。
それは、「東京ドーム何杯分」などという生易しいものでは到底ない。
恐ろしい現実と考えるべきであろう。

では、溶氷水はどこに行くのか?すなわち北極海と外部海洋
における熱交換の橋渡し役は一体どこか?となると・・・・・
もともと全体的に浅いベーリング海峡にその役割はむずかしい。
となると、グリーンランドとスバールバル諸島にはさまれた
水深のあるフラム海峡に矛先が向かうが道理である。

 

 

 

フラム海峡を堰を
切って流れる
溶氷水が次に
目指すは
アイスランド
ノルウェー
そして
スコットランド
である。







そこで、北大西洋海流と正面衝突とあいなるが、なんと!!

重水である溶氷水に、軽水である北大西洋海流は跳ね返され
行き場を失い四散する。
世界二大海流の北大西洋海流(メキシコ湾流)が敗北するのである。

北大西洋は溶氷水の支配する所となり、その冷気を今度は偏西風が
東に運ぶことになり、イギリスの夏は一気に寒冷化するであろう。

北極海の海氷はここ数年で完全に消滅するのでは?とまで言われている。
海氷が消滅したら、どうなるか?

確かに航海はしやすくなるだろうが、失う代償のほうがはるかに大きい。
海流の流路が変わり、気候はもちろん 海の生態系も大きく変わってしまうであろう。

白一色の氷の海が、エメラルドブルーの海に変わる時、
我々はそれを美しいと思っていいのだろうか?
もろん答えはノーである。

美しいが、生物感の存在しない無機質な海・・・・・・・
食物連鎖すら存在しない海・・・・・・・・

むろん、そこにシロクマの姿を見ることはできない。二度と・・・・・・・・・。