金の子牛を崇める人々。
このあと、ここにいる皆さん
皆殺しにされます。
旧約聖書を信仰しているユダヤ教では、律法の書、トーラーを厳格に守っている。
律法の書はモーセの5書とも呼ばれている。
創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記。
人類の創造、どのようにしてユダヤの民が神に選ばれ、なんの契約を神と交わしたのかが書かれている。
これら5書は、紀元前550年ころに成立したと言われている。
一番古い箇所では紀元前950年ころに書かれたと言われている。
書かれ始めてから成立するまでにだいぶ時間がかかっているが、旧約聖書は元々4つの資料を編集して作られたとされている。
①ヤハウィスト資料
紀元前950年ころ、ユダ王国で書かれた。
神様は、YHWHと呼ばれていた。
しかし、当時のヘブライ語は消滅しているため何と発音するのか分からない。
なのでヤハウェ、エホバと、宗派によって違う発音で呼ばれている。
②エロヒスト資料
紀元前850年頃、北イスラエル王国で書かれた。
神様は、エロヒム、エル、と呼ばれていた。
エロヒムは実は複数形。
③申命記史家
紀元前7世紀ころ、ユダ王国の宗教改革時に書かれた。
④祭司資料
紀元前550年頃、バビロン捕囚以降書かれる
ヤハウェは唯一神であるので、エロヒムといった複数形的な表現はおかしい。
創世記でも、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を創り」と書かれている。
「神たち」と言えば、シュメールの神々アヌンナキ。
主となる7人の神々アヌンナキは会議を行い世界の方針を決めていた。
ヤハウェとアヌンナキは全く違う存在だとされている。
しかし、旧約聖書は明らかにシュメール神話の影響を受けているので、本当にヤハウェとアヌンナキが全く関係ないと言い切れるのだろうか。
元々は複数だった神を後世で唯一神としたのかもしれない。
もしシュメールの神がヤハウェであるなら、アヌンナキの中の誰がヤハウェに相当するのだろうか。
ヤハウェは、ノアの時代に人類を滅ぼす大洪水を起こした。
シュメール神話でも人類滅亡の大洪水計画がアヌンナキ会議で立案された。
それを実行に移したのが最高神エンリルであった。
エンリルの兄エンキはそれにずっと反対していて、決定事項を犯し、人類の一部を助けるのであった。
この後、エンキはエンリルにすごく怒られるが、エンキはエンリルを説得することに成功している。
旧約聖書では、人類を滅ぼすのも助けるのも同じ神ヤハウェが行っているが、話の流れ的にシュメール神話のほうが自然なような気もする。
また、ヤハウェは絶対に人前に姿を現さなかった。
異教の偶像だけでなく、ヤハウェ自身の偶像も作ることを禁じた。
エンリルはとても輝いていて、他の神々さえもその姿を見ることができなかったと言われている。
なので、ヤハウェもエンリルも姿が見えない存在。
エンリルは姿は見えなかったが、人のような形をしていたと言われている。
そして、牛のツノのようなものを生やしていたという記録がある。
ヤハウェも姿を見せないが、神に似せて人を作ったと書かれているので、ヤハウェも人の姿をしていることは類推できる。
エジプトを脱出したあと、モーセがシナイ山に一週間ほどこもっている間に、待たされていた民衆たちはモーセの帰りを待ちきれなくなって好き放題やり始める。
ヤハウェの偶像として金の子牛を作ってしまったのは致命的。
山から下りてきたモーセはこれを見て大激怒し、3000人あまりを皆殺しにした。
異教の神として金の子牛を作ったからとも言われるが、牛の角は神に例えられたりする記述が聖書にあるので、そういうわけでもなさそうである。
民衆はヤハウェを信じていたがゆえに、ヤハウェの偶像を作ってしまった。
その偶像は牛であり、角を備えていた…
ヤハウェとエンリルは姿が見えないという共通点があったが、牛の角という点でも共通点がある。
この事実をどうみなすかは…あなた次第です。
ちなみに、日本の鬼の角も牛から来ているようですね。
日本では昔方位を「ねうしとらうたつみ…」と、干支で表してましたが、北東にあたる部分が丑寅(うしとら)。牛の角、虎柄のパンツ、イコール鬼。
ということで北東は鬼門とされています。