アダムとエヴァの誕生
神はアダムに言った。
「善悪の知識の木と生命の木になってる実は絶対食べたらあかん。
食べたら100%死ぬからな」
神はなぜか人間に選択の自由、意思を与えている。
アダムとエヴァは幸せに暮らしていたが、エヴァのもとに蛇がやってくる。
「神様から全部食べていいって言われたの?」
「果実は食べていいと言ってたわ」
「でも中央に生えてる木の果実だけは絶対食べたらあかん、触れてもあかん、死んじゃうからねと、神様は言ってましたわ」
「そんなことはない、食べても死なないよ
むしろ、神のように善悪を知る者となることができるよ」
エヴァは食べたくなり、食べた。
アダムにも渡して、アダムも食べる。
「わぁ、裸やぁ」
イチジクの葉っぱを体にまく。
「いやいや、こいつら照れてるやん
いちじくの葉っぱ巻いてますやん
完全に善悪の知識の実、食べてますやん」
と、それを見ていた神様はブチ切れた。
それまで神様と対等に話していたアダムとエヴァであったが、神のすごさを知ってしまい顔を合わすことができなくなった。
アダムは言った。
「あの女が、木から取ってくれたので食べました」
エヴァは、
「うわっこいつマジか…違うんです、蛇に騙されたんです」
神は蛇に罰を与える。
「地を這うものになれ」
神はエヴァに罰を与える。
「女には生みの苦しみを与える。そして、男性に支配されろ」
神はアダムに罰を与える。
「一生苦しんで地から食物を取れ」
そして、エデンの園を追放された。
これを原罪といい、その後の全ての人類が背負う罪だとされた。
知識の実を食べた二人を見て神様はこうも言っている。
「見よ、我々の1人のようになり善悪を知る者となった」
ここでも神様は複数形。
シュメール神話のアヌンナキを連想させる。
では、蛇は何者なのか。
黙示録では、蛇はサタンのことと書かれている。
シュメール神話に蛇の要素をもつキャラは存在するのか。
まずは、原初の海ナンム。
ナンムの頭は蛇。
子供を抱いてる蛇頭の女神。
後のバビロニア神話になると、ナンムは名前を変えてティアマトとなり、龍として描かれるようになる。
ティアマトはマルドゥクという神に倒されている。
このマルドゥクは「太陽の若き雄牛」と呼ばれていた。
エンリルも牛がシンボル。
ヤハウェも牛と関連がある。
神が蛇を罰する構図と重なる。
もう一人、ナンムの息子エンキ。
エンキが人類を造り知識も与えた。
大洪水から人類を救った存在。
エンリルからすると、計画を邪魔する存在。
ちなみに日本神話では、スサノオは牛頭天王(ごずてんのう)と呼ばれていて牛をシンボルとしている。
大物主やセオリツヒメは蛇をシンボルとしている。
大国主や諏訪大社で祀られている神様は竜をシンボルとする。
追放されたアダムとエヴァは、カインとアベルを産む。
長男カインは農業、次男のアベルは羊飼いをしていた。
シュメール神話のイナンナの旦那さんの牧夫ドゥムジと、農業の恋敵エンキムドウの話に似ている。
ある日、カインとアベルは神ヤハウェに貢物をする。
カインは農作物を貢ぐ。
アベルは初めて生まれた子羊を捧げた。
ヤハウェはアベルの子羊には喜んだのに、カインの農作物には喜ばなかった。
カインは嫉妬しアベルを殺してしまう。
シュメール神話でも羊飼いの牧夫ドゥムジが優遇されて、農業に携わる者は迫害されていた。
これには、農業には土地が必要であり、ユダヤ人は国を追放されており土地がないことが関係していると思われる。
また、アダムとイヴとサタンの対立というお話では、兄弟間で、弟のアベルの妻をめぐって確執があったのではないかと言われている。
「お前は地上をさまよい、さすらうものとなる」と神はカインに言う。
人類初の殺人事件。
「僕、最悪なことしてますよね…さすらっている僕を見た人は、僕を殺すんじゃないですか」とカインは心配する。
「いや、カインを殺すものがもしいたら、誰であっても7倍の復讐を受けるであろう」
カインは神の前を去り、エデンの東のほう、さすらいの地に住んだ。