よろず戯言

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グッドモーニングショー

2016-11-04 00:48:58 | 映画

先日の休みに映画を観に行った。

中井貴一主演のコメディ、"グッドモーニングショー"だ。

脚本・監督は、踊る大捜査線シリーズの君塚良一氏。

映画のために書きおろしたオリジナル脚本。

キャッチコピーは、"ニッポン騒然!落ち目のキャスター大炎上!"

 

 

個人的にシリアスなイメージを抱いていた俳優、中井貴一。

その中井貴一がコメディ映画の主演。

バラエティ番組などで、くだけた素の顔も観たことはあったし、

ミキプルーンやDCカードのCMで、ひょうきんな姿を見ることができるけれど、

やっぱりその顔つきも相まって、シリアスなイメージ。

詳しい内容はよく判らなかったものの、

予告編を観て面白そうだと思い、早くから観に行こうと決めていた。

 

 

落ち目のニュースキャスター澄田真吾(中井貴一)。

毎朝7時から生放送される情報番組、"グッドモーニングショー"のメインキャスターを務める。

いつものように深夜3時に起床。

すると、まだ妻の明美(吉田羊)と息子(弥尋)が起きていた。

起きたばかりの真吾に、深刻な表情で話しを切りだす冷たい妻、明美。

息子の彼女が妊娠したので入籍するのだという。

まだ学生の息子、妻子を養うことなんてできやしない。

真吾は自分の意見も満足に言えぬまま、出勤時刻に。

 

 

マンションを出てタクシーに乗り、テレビ局のスタジオへと向かう。

すると携帯電話に着信。

一緒にグッドモーニングショーでキャスターをしている、

女子アナウンサーの圭子(長澤まさみ)からだった。

「今日の生放送で二人の交際を発表します!」

一緒に仕事をしている間柄、何度か悩み相談など受けたことがあったが、

それを一方的に自分への好意だと勘違いしている圭子は、

既に真吾と交際しているつもりでいるらしく、それを生放送中に発表すると言いだした。

真吾にはその気はまったくなく、誤解だと言おうとするも、

一方的に電話を切られ、ほどなくして局へ到着。

 

 

スタジオへ到着。

既に多くのスタッフが忙しく駆け巡っている。

芸能・スポーツ,報道,今日の占い,天気,行列店の人気スイーツ,etc・・・。

各部門のスタッフが特ダネをひっさげて、番組のスケジュールを組んでいく。

キャスター陣も集まって、打ち合わせが始まる。

そこで、プロデューサーの石山(時任三郎)に呼び出される真吾。

石山からグッドモーニングショーの打ち切りを告げられる。

後続の番組には、別のキャスターが起用されるとのこと・・・。

 

 

息子のこと、圭子のこと、そして番組の打ち切り。

朝から踏んだり蹴ったりな状態で番組に臨む真吾。

メイク室でも圭子に再度、交際を発表すると言われ、

さらに打ち合わせ中には妻から電話がかかって、息子のことでまだブツブツ言われ、

そうして本番が近付いてきたとき、緊急連絡が入る。

都内で人質立てこもり事件が発生!

 

 

すぐに中継担当が機材を持って飛び出していく。

報道部門も忙しく動き始め、情報収集が始まる。

グッドモーニングショーのスタッフも慌ただしく動きはじめ、

番組の構成を急遽変更に。

中継スタッフの府川(大東俊介)が放送開始前に事件現場に到着。

番組の冒頭から、中継の映像で人質立てこもり事件の速報を流す。

 

 

立てこもり現場では、犯人と交渉にあたっていた警察特殊班の黒岩(松重豊)が、

事件現場で中継していた府川に近づく。

「グッドモーニングショーの方ですね?」

そこで黒岩は府川に伝える、「犯人の要求は澄田キャスターです。」

立てこもりの犯人は「澄田を呼べ!」と要求しているのだという。

すぐに府川から石山プロデューサーへ連絡が入る。

そして石山から真吾へ。

 

 

 

真吾はかつて報道キャスターで現場で中継リポートをやっていた。

だが、ある被災地からの中継映像で視聴者から非難を浴びてしまい番組を降板。

そのまま現場が怖くなり、中継ができなくなってしまった。

同期だった石山に拾われて、なんとか朝の情報番組のキャスターとしてやっていたのだった。

そんなだから、現場に行くように指示されても首を縦に振ろうとはしない真吾。

だが、番組中、圭子が突然行動に出る。

「重大発表があります!私、小川圭子と澄田キャスターは・・」

焦った真吾は、圭子を遮り、その場をごまかすため、

「中継に出る!」とカメラに向かって言ってしまう。

 

 

事件現場に到着した真吾。

マスコミ各社からいっせいにカメラとマイクを向けられる。

落ち目のキャスターが生放送で全てのチャンネルを占拠した瞬間だった。

犯人は猟銃とダイナマイトを所有している。

真吾は重たく動きにくい防護スーツを着せられ、

黒岩に先導されて、立てこもり現場であるカフェへと入っていく。

府川から、防護スーツに細工した小型カメラを装着させられ、マイクを持たされる。

事件現場の内部と犯人の肉声を臨場感たっぷりに独占中継するグッドモーニングショー。

全国の視聴者が固唾を飲んで見守る。

 

 

 

落ち目のキャスター、澄田真吾。

犯人の要求はいったい何なのか?

無事人質を救うことができるのか?

史上最悪の一日を乗り切ることができるのか?

 

 

 

面白かった。

ドタバタ群像劇。

コメディとはいえ、シリアスな側面も持ち合わせていて、

テレビ番組制作の裏側で動く、多くのスタッフの動きが緻密に画かれていて面白い。

矢口史靖監督のハッピーフライトみたいな感じの作品だった。

あちらはパイロットやキャビンアテンダントなど、

航空会社で働く人々をコメディタッチで画いた映画だった。

 

 

たくさんの役者さんが登場し、みなそれぞれ役割があり個性的で良かった。

中井貴一のコメディ、初めて観させてもらったけれど良かった。

志田未来はちっちゃくて可愛いな。

長澤まさみと同じくキャスター役だったんだけど、背格好も性格も対照的で面白かった。

報道部長?役の小木茂光と、警察役の松重豊が怖くていい味出していた。

終始氷の表情だった吉田羊はラストの演技で救われた。

 

 

 

中井貴一の役名が"真吾”なのは、親友の柳沢"慎吾”からか?

防護スーツに付けられた隠しカメラ付きのワッペン。

「なんですかこれ?」と松重豊演じる黒岩に問われ、

真吾が"勇気のしるし"とごまかしていたのは、時任三郎が出演していたからか?

テレビ業界に長く携わっている君塚氏の脚本、

あちこちに遊び心が散りばめられていそうで、真意は判らずとも色々と詮索してしまう。

 

 

公開から一ヶ月経ち、上映劇場も上映数もだいぶ減ってしまったようだが、

けっこう面白い作品だったので、コメディ好きなひとにはお勧め。

とくにハッピーフライトで楽しめたひとにオススメ。

業界の裏側で働く人々、そしてトラブルに見舞われる人々。

テレビ局と航空会社と異なる業種だが、内容が本当によく似ていた。

ハッピーフライトもいい映画だったなあ。

田辺誠一,綾瀬はるか,田畑智子らの演技がすごく面白かった。

そういや時任三郎もパイロット役で出ていたんだった。

これもまた似ている役柄だな。

ハッピーフライトもまた観たくなった。

 

 



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