冬の花壇を彩る植物、葉ボタン(Brassica oleracea var. acephala f. tricolor)。
園芸に疎い人のなかには、花だと勘違いしている人も多いが、
実際には葉が赤紫や白に色付いた、キャベツ(ケール)。
キャベツ同様、アブラナ科の一年草で、
耐寒性があり、寒い時期に鮮やかに色づくため、冬季の花壇や庭の彩りに重宝される。
大きさや形状、色の入り方に多くのバリエーションがあり、
その姿を牡丹の花に見例えて、“葉ボタン(葉牡丹)”と名付けられた。
江戸時代から観賞用として品種改良されてきたらしく、近年では海外でも人気だとか。
紅白に色づくため、縁起物とされ、
正月の門松や生けこみにも利用される。
松や梅、千両とともに門松に生け込まれた葉ボタン。
縁起が良いということで、必ず紅白で添えられる。
春になり暖かくなってくると、董(とう)が立ち、花を咲かせる。
アブラナ科の植物なので、菜の花のような黄色の花を付けるが、
葉ボタンはあくまでも葉姿を楽しむ植物なので、花の観賞価値はあまりない。
董が立つ頃には、同時に葉も黄ばんでくる頃なので、
この時期になると大抵、引き抜いて処分され、違う春花に植え替えられてしまう。
董(とう)が立って花を咲かせた葉ボタン。
菜の花そのもの。
葉ボタンはまた、切り花としても流通する。
切り花用に、小型で茎が伸びるタイプの葉ボタンが用いられる。
ほとんど正月向けに出荷されるため、
年が明けてからは、あまり見かけなくなる。
染料やラメを吹き付けられたものも人気があり、よく売れる。
葉ボタン(切り花)
葉ボタン(切り花・ラメ入り)
葉ボタン(切り花・ラメ染料入り)
七草粥も鏡開きも成人式も済み、正月気分はとっくに終了したが、
まだまだこれから春が来るまで鑑賞時期が続く葉ボタン。
花壇の彩りに、寄せ植えの主役に活躍してくれる。
キャベツだもんな~。
ちなみにこの葉ボタン。
食べられないこともないのだが、美味しくないとのこと。
害虫の食害に遭いやすく、ガやチョウの幼虫の格好のエサにはなるけれど。
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