コタロー君

今日はとてもいい日でした。

コタロー君に会えたから。

コタロー君は、アタシよりもちょっと年上のイエローラブラドール。
おじさんとおばさんと一緒に、ときどきうちの前の道をお散歩で通ります。

コタロー君はいつも決まって頭を上げて、しっぽを上に立てて
とても楽しそうにしっぽをフリフリとゆらしながら歩いてくる。

その姿は、うっとりするくらい優雅で、アタシには
ちょっと真似ができそうもないと思う。

ナッチが言うには、コタロー君は近所に住んでいるらしい。
だから、アタシはコタロー君がいつうちの前を通ってもいいように、
暇さえあれば２階の部屋の南側の窓のところから
下の道路を眺めて待つことにしている。

そして、今日もコタロー君がやってきた。
お昼ちょっと前のことだった。

アタシは慌てて、パソコンに向かって仕事中のナッチのところに行って
「クーン」って鼻をならして教えた。
すると、ナッチは仕事の手をとめて窓を開けて、
おじさんたちに声をかけてくれた。

そうしたらおじさんとコタロー君と、すぐあとからきたおばさんが足を止めて、
アタシの部屋を見上げてくれた。

こういうときは、吠えたりはしないほうがいい。
アタシは立ち上がって窓わくに前足をかけて、
できるだけ首を伸ばして上半身を外に乗り出して
思いっきり笑顔でしっぽを振った（しっぽは見えなかったと思うけど）。
（ナッチが落ちないように後ろで首輪をつかんでくれた）

そしたら、コタロー君もトレードマークのしっぽを元気よく振って挨拶
を返してくれた。
やったー！

おばさんが「メイちゃーん！」
って声をかけてくれて
ナッチが「どうも～、おはようございまーす」
って、それだけですぐに行っちゃったんだけど・・・。

・・・その後もずっと外を見張っています。