予が母と弟は常陸宍戸の照隆山光明寺に眠りたる 此寺浄土宗にして本堂には阿弥陀如来像が光の...

かつて予　京都東山は永観堂を詣で本尊「見返り阿弥陀」を拝す これ　三年前の秋のことなり ...

　　　山門の梁と柱を額にして本堂清（さや）にたたずみをれり　　丹人 　　道元禅師著し...

　笠間なる木村武山の里に建つ大日堂に冬の陽やさし 　開かれし扉が前にすすみ出で見上げ...

　池上本門寺を詣でるに詠める　 赤子白き布にくるみて初詣の夫婦うれしや　ここ本門寺　　...

頬を寄せ真四角の顔まろくして立つ石仏のありがたきかな けふのことなり 土浦に所用のあれ...

灯籠のまろき窓より薬師堂の屋根を覆へる瑠璃光の見ゆ　丹人 旧八郷町の菖蒲沢薬師堂の修復...

山門の威容に心正しつつ見上ぐ廂(ひさし)を黄葉(きば)の彩る　丹人 流れ行くあをき清水に...

今月四日　東城寺に参詣す 東城寺は筑波山の南にありて 筑波四面薬師の一なり 草深き道を登...

音もなくもみぢ散り浮く大日の池　縦縞に青き冬空　丹人 水底を泳ぐ緋鯉のくれなゐの色沈...