祖先の霊を迎へる儀様々あるに 小美玉小川ではをのこの引く盆綱に乗りて霊が家に帰るを迎へる慣わし今に伝はる 野田は隠谷東の田村家を訪ぬる 午前八時綱づくり始まる 稲藁を束ね紐で堅く縛りたる後老壮の男三人が編みゆく 次々に挟み込む藁をのこが揃へては渡すなり 七歳から十五歳のをのこ五人集まりてをり 綱は頭太く徐々に細く編み行く 龍をかたどるといふ 編み上がりし綱は鋏にて形を整え なずびを耳に ほおずきを目に 蜀黍の葉を舌にして 縄に挟み込み午前十時に完成す
この後 この綱 墓地にて御霊を乗せ 日暮れよりをのこらが綱を持ち地域を巡りて御霊を家に案内したる後 山中に眠るといふ 親が子へそして孫へと伝え来たる盆綱に込められしおもひ尊し
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