先の記事にて名勝桜川を紹介したるを
サクラサク里プロジェクト代表のUG氏の武露倶に湖面渡を発して報告すれば
氏 早速に予が武路愚を訪問され 湖面渡を残しいける
けふ 氏の武露倶を訪問するに
予が武路愚の其記事を紹介されるを知りて驚きぬ
嗚呼
いと嬉し
「友部丹人旅日記の感動」と題せる記事をよむに
予の拙き記事がUG氏の心打つものとなることを知る
あな嬉し
嗚呼
あかひと 感動の極みにあり
感動とは感じて動くことなると相田みつを氏もいひて
生前 作品にも残したり
予 如何に動くべき哉
・・・・・
まずはUG氏が記事を永く記念とすべくここに残さん
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『友部丹人旅日記 』の感動
「桜川のサクラ」の保護活動と共に、当初から一生懸命この桜の歴史や由緒を紐解き、地域資源としての大切さを訴えてきた我々ですが、新聞や各種メディアで取りあげられるようになってはきたものの、果たして市民レベルでこれを理解してくれる人がどれだけいるでしょう?
いくら歴史や由緒を訴えたところで、人々に植え付けられた現代的「桜花観」はいかんともしがたく、染井吉野に代表される園芸品種の華麗さの前では、そんな言葉はなんの意味も持たないのかもしれない。
「花を見るのであって、歴史や由緒を見るわけではない」
まったくその通り。
見た目勝負のこの世界、圧倒的な染井吉野の群桜の言葉を失う程のインパクトから比べたら、咲く時期もバラバラ、花より先に芽(若葉)を出すものが多い山桜が今ひとつ高揚感に欠けるのも紛れのない事実。
では、山桜はもう魅力のない桜になってしまったのか。
答えは「NO」だと思うのです。
毎日毎日公園のサクラを観察していると、1本1本違う花の形や大きさ、色、匂い、若芽の色に感動させられ、まだまだヒヨッコの自分にも、少しずつ笹部新太郎氏や歴代の佐野藤右衛門氏のような“桜守”と言われる方達が「山桜こそ桜」と言っていた意味がわかって来たように思います。
ソメイヨシノ的なる国…のような著書がたくさん出回っており、ここでも飽きるほど書いてきました。
桜前線…出会いと別れ…心のざわめき…一斉に咲き散る姿…熱狂的な一週間…
それら我々が感じる桜の語られ方というのは、ここ50年か、長く見積もっても7、80年で作り上げられたものだと言います。
それとは別な語られ方…「別な春」を感じることが、この山桜の魅力を知ることにつながるのだと思うようになりました。
例えば「花見」
時期になると連日テレビ報道され、日本で一番有名な“どんちゃん花見”の上野公園。
実はこの上野公園も『江戸名所花暦』(1872年)によると…
「上野 …当山は東都第一の花の名所にして、彼岸桜より咲き出でて一重・八重追々に咲きつづき、弥生の末まで花の絶ゆることなし」
と書かれており、1ヶ月間ずっと花が絶えないことで知られていたそう。
他にも江戸時代には、桜の特徴はむしろ開花期がずれるところに見出されていたという事を示す文献がいくつかあります。
これは明治初期まで…要はソメイヨシノがブレークするまで続いたわけですが、実は上野公園は明治の終わりまで江戸彼岸と山桜の名所だったそう。
他にも小金井の山桜や江北の(江戸時代)多種にわたる園芸品種のように、ソメイヨシノ全盛期にもそれ以外を売り物にした名所はあったのです。
そんな“花期の長い”花見、群桜としてでなく、一本一本の違いを、そして一輪の花を愛でるような花見…そんな花見を楽しむ人がもっといても良いと思いませんか?。
と、前置きが長くなってしまいましたが、本題に入りたいと思います。
先日のコメント欄をご覧になった方はご存知かもしれませんが、笠間(旧友部町)在住の歌人、友部丹人(ともべのあかひと)さんが、自身のブログにて「桜川のサクラ」を紹介してくれています。
自己紹介欄を拝見すると、
「ともべのあかひと 臣奮太 常陸國人 質直看脚下庵主 詩書画を愛で世の乱れを憂ひ未来を語るを日課とす」
という方のようです。
大袈裟に紹介するにはワケがあって、単に「磯部に行ってきました」という紹介ではなく、古語体の文章で歌を交え、また素晴らしい写真と共に、我々が伝えたい思いを見事なまでに表現してくれているからなのです。
長々と前置きをしたのは、そのため。
4/8の日曜日、女性部の方が抹茶のサービスをしていたあの日に見えられたようで、抹茶と桜大福についても情緒豊かに表現してくれています。
「わかってくれる人がいた」という思いと、
千歳の春辺なれるや桜川 紀貫之の愛でしこの花
という歌に感動してしまいました。
ありがとうございます。
是非皆さんも訪れてみてください。
『 友部丹人旅日記 』
前置きからの流れがお粗末でスイマセンでした。
実際、櫻川磯部稲村神社や磯部桜川公園を訪れる人たちは、「桜川のサクラ」の由緒や山桜というものをご存知の方が多いです。
そんな方達のためにも、一本一本の樹をベストなコンディションで見せてあげたい、いや、自分自身が何より見たい。
“人間が作った”公園では、人間が手を掛けてやらなければそれは望めません。
残念ながら、長い間まったく手を掛けてもらえなかった桜達ではありますが、それでも頑張って花を咲かせています。
今の状態では胸を張って「見てください!!」と言える状態ではありませんが、10年後、20年後…元気な姿に生まれ変わって「見事な山桜」と誰もが認めるような公園に出来たらと思います。
そのためにも、より多くの市民のご理解とご協力をお願いする次第です。
◆最後まで読んでくれて本当にありがとうございます!!
◆友部丹人さんの素晴らしい紹介に拍手をお願いします!!
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*画像:桜川公園 桜木の間の立壺菫 2007.4.8 11:20 撮影
千年の桜の里を守らんとする御方の意気に打たれり 丹人
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