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2006.12.31.23:12:05
信州蓼科高原から観る遥か彼方の山並みです。
あの幾山河を越えて遠くふる里を背に、妻と移り住んだ信州の高原の森、
ここの自然が、ここの風土が妻を生き返らせてくれました。
-幾山河 越え去り行けど 寂しさは つのるばかりの 旅けふも行く-
丹人さんがお詠みになった数ある短歌の中でいちばん好きな短歌です。
牧水の歌よりもです。
5月から半年の間はこの森で、11月からの半年は故郷で過ごすため、
何度往復したことでしょう。
その時季(とき)の思いがこの歌にはあるのです。
初めて眼に触れた時涙が溢れました。
今は山懐に抱かれて穏やかに暮らしています。
妻も都会暮らしを嫌って、もう何年も厳しい冬でもここがいいと言います。
そして若い頃に夢みて励んだ創作活動をこの二年勤しんでいます。
来年その夢がもしかしたら叶うかもしれないのです。
いや、形として現すことこそ積年の願いです。
傍らで信じて見守ってあげようと思っています。
あなたの武露倶は他に類を見ない独特な世界を持っています。
時空を越えていにしえの昔に浸ることができます。
“温故知新”のことばがピッタリだと思います。
辺離寓は取り敢えず退場しますが、ご健勝とご活躍をお祈りいたします。
ありがとうございました。
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是 予の武露倶が友なる辺離寓氏が大つごもりの夜に記事にしたるものなり
氏 昨年末にて武露倶終了を宣言したるは いと惜しきことなれど
其 氏そして御令室様そして愛犬メロン姫の信州にての生活のさらなる飛躍がためのことなり
予を讃へたる御言葉の数々 痛み入り頓首再拝するあかひとなり
武露倶にての貴重なる出会ひ 是 生涯の財産となれり
辺離寓氏に深甚なる感謝の意を表し 御一家の益々のいやさか祈り上げたてまつる
辺離寓氏が武露倶の終へるに当たりて詠める
寂しさのつづく旅中 信州の森に立つ木々吾(あ)を励ませり