蕾なる桜の下に並びゐる子等にいただく心なりけり 丹人
つぼみなる さくらのしたに ならびゐる こらにいただく こころなりけり
いただきし手紙しずかに読み行けば文字のにじみてぼやけてゆきぬ 丹人
いただきし てがみしずかに よみゆけば もじのにじみて ぼやけてゆきぬ
予が三年間勤務したるなつかしき野田に
別れを告げる離任式が四月三日にありて
体育館に集ひし二百三十の園児児童とかけつけし保護者の皆様方に
別れを告げぬ
予は花粉症にはあらねど
この日は花粉症がごとき症状のいと重くして
別れの言葉述べること難しかりき
式後に校庭ゆ校門までの桜の道に並び立つ子等一人一人と
握手を交はしつつ歩み行きたり
両の手にかかへきれぬほどの品々と篤き御心をいただくは
予が人生最大の幸ひなり
皆様の御心の尊さを
ひしひしと感じては
勿体なきこととおもふばかりのあかひとなりき
好調と吾を呼ぶ声に包まれし野田千日のありがたきかな 丹人
こうちょうと あをよぶこえに つつまれし のだせんにちの ありがたきかな
*画像:送別にいただきし品々 2009. 4. 4 7:00 庵にて