七月二十八日 月曜日 曇のち晴のち曇
八時四十分
屈斜路湖の宿を発して湖畔の道をゆけば
そこはかとなき硫黄のかほりただやひきたる
右手に硫黄山(512m)のあらはれて
白き噴煙の勇ましく立ち上がりたる
川湯温泉を越えて摩周湖へつづく
つづら折りの道を登りゆけば
雲の切れて
青空の広がりゆくは
いとうれし
十時
摩周湖第三展望台駐車場に到着す
車を降りれば
日差しの強くして暑きほどなり
展望台への細道を登りゆけば
千年の時をしづめる青さかな 奮太
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嗚呼
なんといふ景なる哉・・・
この素晴らしさを
言葉にするすべを知らぬ
あかひとなり
湖より吹きあがりくる
冷たき空気の
ほほをひきしめれば
まなこ見開きて
ただただ
見入るばかりなり
湖上に薄くただやふ霧の
カヌイシュ島をやはく包みて
カムイヌプリ(摩周岳:857m)を駆けのぼれば
空へとつらなりて
山の神の湖(キンタンカムイ湖)とふ名の
いとつきづきし
布施明の「霧の摩周湖」くちづさみ 霧晴れてゆく摩周湖に立つ 丹人
十時四十分
湖に沿ひて南へ一里ほど走りて
第一展望台に到着す
山の神の湖畔に夏の日のさして咲く花々のいよいよ白く 丹人
展望台に永平寺七十三世貫主なりし
熊沢泰禅(1873-1968)の詩碑あり
碑曰く
萬岳雲晴帰一眸
千年紺碧大摩周
総忘苦楽人間事
湖上閑吟極勝游
昭和壬辰(27年)秋曳杖於此勝景賦一詩
永平泰禅叟
嗚呼
なんと雄大にして力強き筆致なる哉
比田井天来の書風を彷彿とするも
いとをかし
また
摩周湖の案内板ありて
その最後の一文に
「原生的景観が厳正に守られている」
とあるは
かけことばを含む名文と見たり^^
十一時
摩周湖を発す
弟子屈の町に入るに
予の弟子屈を「でしくつ」と読めば
弟子なるtoshiの笑ひて
それ「てしかが」なるといふに
予のほほふ・・・とうなづきつつ
未だ物知らぬ者なるを
あらためておもふも
いとあはれなり
弟子屈の町を過ぎれば
国道391号線を南下して
一路釧路へと向かひゆきたり
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芸術人文14位なり 50代15位茨城2位なり 短歌11位なり
引き続きご支援のほど宜敷御願申上候 頓首 再拝