ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

THE WITCH/魔女

2019年12月08日 | ネタバレなし批評篇


映画開始から全体の2/3ぐらいまで、あえて主人公ジュユンの能力をひた隠しにした演出が実に効いている1本。ジュユンがまだ幼子だった頃にこてんぱんにやられた時の傷を、周囲で怪しい動きをする野郎どもがジュユンに怨みがましく見せるのだが、本人まったく記憶にございませんといった様子で観客はすっかり騙されてしまう。しかしこれがとんでもない食わせものであることが明らかになっていく。

何かとジュユンの世話をやきたがる天然ボケの女友達と、韓国版スタ誕に試しに応募してみたらあれよあれよと決勝進出。天才酪農少女あらわるとマスコミが騒ぎ出すと、一気に一般ピープルのハートまでつかんでしまうのだ。アルツハイマー病にかかった養母の医療費をかせぐためと、虚弱体質の身体にむちうってマイクを握るジュユンについ心を許してしまったあなたは、この後キューティー・ハニーも真っ青のギャップに度胆を抜かれることだろう。

キム・ヨナとドッコイどっこいの細い腕のどこにそんなパワーが隠されていたのか。映画冒頭ジュユンが脱走する研究所施設に秘密が隠されているのだがそれは映画を見てのお楽しみ。アイドル整形顔の魔男をまずはいきなりの壁ドン(゜o゜)\(-_-)でひるませておいて、軽くトウキックをお見舞いすれば鋼鉄ドアをぶち破るほどの破壊力ヽ( ・∀・)ノ┌┛Σ(ノ `Д´)ノ弾きを構えた魔男にはお得意の金縛り攻撃で一丁上がり(-.-)ノ⌒-~という凄まじさ。

何せカテゴリー1のキリング・マシーンに立ち向かえる生身の人間がいるはずもなく、戦闘があっという間に終わってしまい間がもたないのである。ゆえに「私を誰だと思ってんの」とタンカを切る時間がやたらと長く、はじめは気にならなかった戦闘中にぶっこく余裕の微笑みが、だんだんと嫌みに感じられてしまうのが唯一の弱点。ジュユンと互角の勝負をしそうなライバルがラストに登場し“2”もやるきマンマンのパク・フンジュンだが、大怪我しないうちにやめておいた方が無難だろう。

THE WITCH/魔女
監督 パク・フンジュン(2018年)
[オススメ度 ]
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