ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

J・エドガー

2018年03月22日 | ネタバレなし批評篇


弱小官庁のFBIを現在のような巨大組織にまで押し上げる礎を築いたJ・エドガー・フーヴァー。犯罪捜査に科学を応用、前科者の指紋ファイリングや要人の盗聴、G-MENの活躍を描いたTVドラマへの協力、人材登用CMの製作など、何よりも情報の重みをわかっていた人であったようなのだ。

長官就任以来8人の歴代大統領に仕えたというフーヴァー、新任大統領に謁見の際は必ず前任大統領の極秘ファイルを見せ、自分の言うことをきくよう暗に脅迫したという。しかし、叩き上げのニクソンにはその手が通用せず、フーヴァーが執務室でられっ子のように泣くじゃくるシーンが撮られていた。

歳をとってからのフーヴァーがイジリー岡田にクリソツだったことに少し衝撃を受けたものの、デカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマーの老けメイク対決では、でっぷりと脂肪を付けて撮影にのぞんだデカプリオに軍配をあげてもいいだろう。

また、母親が死ぬまで同居し生涯独身を通したこと、アシスタントのクライド・トルソンと行動を共にする時間が長かったことから、自身ホモセクシャルであることが疑われたが、そこは情報のスペシャリスト、マスコミには終に尻尾をつかませなかったというからさすがである。

フーヴァーがホモだったかどうかという点をクライマックスに設定したイーストウッドも、実際その点に関してはノーコメントだという。むしろ、今やLGBTであることが逆差別を生む現代社会において、フーヴァーのようなゴリゴリの人種差別主義者がもしもホモだったらという疑問をなげかけた作品のような気がするのだ。

J・エドガー
監督 クリント・イーストウッド(2011年)
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